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審決分類 |
審判 無効 1項2号刊行物記載(類似も含む) 無効とする G2 |
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管理番号 | 1059714 |
審判番号 | 無効2001-35238 |
総通号数 | 31 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2002-07-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2001-06-05 |
確定日 | 2002-04-24 |
意匠に係る物品 | 貨物トラックの荷台扉開閉用ハンドルの掛金 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第0957117号の類似第2号意匠「貨物トラックの荷台扉開閉用ハンドルの掛金」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第0957117号の類似第2号意匠の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。 |
理由 |
第一 請求の趣旨及びその理由 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由として審判請求書の請求理由の項のとおり主張し、証拠方法として甲第1号証乃至第9号証を提出した。 意匠登録第957117号の類似2(以下、本件類似登録意匠という。)は、平成7年12月25日の意匠登録出願に係るが、その意匠登録出願前の平成7年12月10日に国内において頒布された刊行物である株式会社シー・エム出版社発行の雑誌「コマーシャルモーター臨時増刊号(平成7年12月10日発行)の第43頁上段左側に掲載の「1.JBハンドルロック (キー付き)」の意匠(甲第9号証の意匠、以下、甲号意匠という。)に類似し、意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであり、意匠法第48条第1項第1号に該当し、無効にすべきである。 第二 被請求人の答弁及びその理由 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由として要旨以下のとおり主張し、乙第1号証乃至第4号証を提出した。 本件類似登録意匠は、甲号意匠と類似するものであるが、類似意匠の登録要件判断基準時は本意匠たる登録第957117号の意匠の出願時であるから、本意匠の出願後に公然実施されることになった甲号意匠は、本件類似登録意匠の登録要件判断の対象とはなり得ない。 従って、本件類似登録意匠は意匠法第48条第1項第1号の規定により無効とされるべきものではない。 第三 当審の判断 1 本件類似登録意匠 本件類似登録意匠は、平成7年12月25日に類似意匠登録出願し、平成8年12月18日に意匠登録第957117号の類似2として類似意匠登録がされたものであり、願書及び願書に添付された図面の記載によれば、意匠に係る物品を「貨物トラックの荷台扉開閉用ハンドルの掛金」とし、その形態を、別紙第1に示すとおりとしたものである。 2 甲号意匠 甲号意匠は、本件類似登録意匠の出願前の平成7年12月10日に国内において発行され頒布された刊行物である株式会社シー・エム出版社発行の雑誌「コマーシャルモーター臨時増刊号(平成7年12月10日発行)」の第43頁に掲載の阪和工材(株)の商品名1,JBハンドルロック (キー付き)意匠(甲第9号証の意匠、以下、甲号意匠という)であって、その形態を、別紙第2に示すとおりとしたものである。 3 本件類似登録意匠と甲号意匠との比較検討 両意匠は、共に、貨物トラックの荷台の観音開き式扉の外表面の下部中央寄りに固定され使用に供されるもので、ロックパイプに一側を回動可能に軸支した扉開閉用ハンドルの中間部を、掛金レバーのフックの内側にくわえ込んだ形で係合することにより、前記ハンドルを扉閉鎖位置に保持する機能を果たす物品であって、意匠に係る物品が、その機能及び使用目的が同一の物品であって、その形態について、(1)全体が、トラックの外表面に固定される基台部を、正面視下方から上方に徐々に幅広になる縦長略逆台形状とし、その前面下方側略4分の3を、略倒縦長四角錐台形状に前方に向かって膨出させ、その上方中央を略縦長方形状に切り欠き、その切り欠き部の左右各上端側に凹部を設けて左右1対のハンドル挿入凹部を形成し、切り欠き部にやや長い略縦長方形板状の掛け金レバーを上下回動自在に枢着し、その前面下方には鍵部を設け、その内部にはスプリング機構を内蔵する本体部とし、基台部の上方略4分の1の面は薄板状のハンドル導入部とした基本的構成のものである点、及び各部の具体的な態様において、 (2)略倒縦長四角錐台形状の膨出部は、その頂面を前面に、その底面を後面に、前方に向かって窄まる位置方向に配し、その前面(頂面)は、垂直面状で、縦幅が横幅の略2倍、その奥行きを、前面の横幅よりやや短いものとし、その外周面は、上面側を正面視水平面状、その余の面(左右側面及び下面)をやや急な斜面状とし、後端側を極細の略垂直面状に面取りしている点、 (3)本体部の上方中央の略縦長方形状の切り欠き部は、その縦幅及び横幅を、本体部前面の縦幅及び横幅に対して各々略2分の1とし、その深さを本体部の奥行きと略同大とする点、 (4)本体部のハンドル挿入凹部は、側方視本体部上端後面側を方形状に切り欠いた態様である点、 (5)掛け金レバーは、その前面の縦幅はその横幅の略4倍の大きさで、その前面は垂直面状で、その上端面の後方側は後方に向かって下がる斜面状とし、上方後方側に側方視略矩形状の凹部を設けハンドル噛み部を形成し、上下略中央位置で本体部切り欠き面内周に枢着され、その前面は、本体部前面と面一致状に連続し、その上端は本体部上端より基台部上端位置まで、その全長の略5分の2が突出し、枢軸を支点として回動するもので、ハンドル噛み部と本体部のハンドル挿入凹部は、側方視方形状の貫通孔状に現れる点、 (6)基台部の背面側は、側方視垂直線状に現れる点、 (7)ハンドル導入部は、内方側より外周縁に向かって徐々に薄板状となる極緩やかな斜面状である点、 (8)鍵部は、本体部前面下方に、外周輪郭を小円形として取り付けられている点、が共通し、一方差異点は、認められないものである。 すなわち、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、形態においても、共通点が、両意匠の類否判断を左右する要素を構成しているものであるから、意匠全体として類似するものと云うほかない。 従って、本件類似登録意匠は、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し、同条の規定に違反して意匠登録されたものであり、同法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきものである。 (なお、類似登録意匠を受け得る意匠は、「自己の登録意匠にのみ類似する」なる要件に基づく特例(主体の同一、自己の登録意匠による新規性の喪失の特例、自己の登録意匠に係る先願に対する特例)を除き、その登録要件においても、他の一般の意匠と全く同様のものが要求されるべきことが明らかであって、本件類似登録意匠の出願日は、平成7年12月25日である。) 審判に関する費用については、意匠法第52条において準用する特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2001-09-13 |
結審通知日 | 2001-09-18 |
審決日 | 2001-10-03 |
出願番号 | 意願平7-38950 |
審決分類 |
D
1
11・
113-
Z
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤木 和雄 |
特許庁審判長 |
秋間 哲子 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 伊勢 孝俊 |
登録日 | 1996-12-18 |
登録番号 | 意匠登録第957117号の類似意匠登録第2号(D957117/2) |
代理人 | 増田 守 |
代理人 | 藤本 昇 |