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審決分類 |
審判 無効 2項容易に創作 無効とする E3 |
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管理番号 | 1063005 |
審判番号 | 無効2001-35379 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2002-09-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2001-08-27 |
確定日 | 2002-08-05 |
意匠に係る物品 | 野球用バット |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1078379号「野球用バット」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第1078379号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 請求人の申し立て及び理由 請求人は、結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由として審判請求書を提出し、以下に要点として摘記するように主張し、立証として甲第1号証a乃至dを提出した。 1.意匠登録無効の理由の要点 登録第1078379号意匠(以下、「本件意匠」という。)は、その出願前に日本国内に頒布された甲第1号証の各刊行物に記載された意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に該当し、登録適格を有さないものである。 従って、同法第48条第1項第1号により、無効とすべきものである。 2.本件意匠 本件意匠は、意匠に係る物品を野球バットとし、平成10年11月24日付で意匠出願し、平成12年4月28日付で登録されたもので、添付の公報に示すとおりのものである。すなわち、本件意匠は、図面代用写真から、明らかに「金属バット」であり、バットの打撃部分(先端から下方へ約2分の1の領域)に、長手方向に沿って縦状の磨き線を有し、係る縦状の磨き線の領域より下方のグリップ部分に至る領域には艶面加工を施し、さらに係る艶面加工領域から下端部分までを黒色のグリップで構成されているものである。 3.甲第1号証について (1)甲第1号証aは、発明の名称を野球用金属バットとした特許出願に係り、平成8年7月2日に公開された特開平8-168542に示すとおりのものである。 (2)甲第1号証bは、考案の名称を金属製野球用バットとした実用新案登録出願に係り、平成2年7月2日に公開された実開平2-114073に示すとおりのものである。 (3)甲第1号証cは、考案の名称を野球用バットとした実用新案登録出願に係り、昭和49年1月26日に公開された実開昭49-9367に示すとおりのものである。 (4)甲第1号証dは、考案の名称をアルミニュ-ウム製野球用バットとした実用新案登録出願に係り、昭和47年12月22日に公開された実開昭47-36565に示すとおりのものである。 4.本件意匠と甲第1号証の対比 本件意匠と甲第1号証を対比すると、甲第1号証は特許・実用新案に関するものであるものの、本件意匠とは、その物品において金属製バットであることを同じくし、本件意匠の特徴である、バットの打撃部分に「縦状溝」または「縦状の磨き線」を有するという点で、共通するものである。殊に、甲第1号証aの実施例中には、「・・・前記磨き線状痕2は、サンドペ-パ-等の種々の磨き用材をもって、手動或いは電動の各動作による諸手段により付けられる。・・・」とある等、金属バットへの加工のあらゆる方法が開示され、本件意匠の「縦状の磨き線」は、甲第1号証の特許・実用新案から極めて容易に想到されるといえる。 従って、本件意匠と甲第1号証に開示された図面とは類似するものと確信する。 5.結語 本件意匠と甲第1号証は類似するというべきであることは多言をまたず、かつ甲第1号証は本件意匠の出願前に頒布されたものであるから、意匠法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたというべきである。 第2 被請求人の対応 被請求人は、請求人の申し立てに対して何ら答弁していない。 第3 当審の判断 1.本件登録意匠 本件登録意匠は、平成10年(1998)11月24日の意匠登録出願に係り、同12年4月28日に設定の登録がなされた意匠登録第1078379号の意匠であって、願書の記載及び願書に添付した図面代用写真によれば、意匠に係る物品を「野球用バット」とし、その形態を同添付の図面代用写真のとおりとしたものである。(別紙第一参照) 2.無効理由通知書 (1)請求人が、本件登録意匠が類似するものとして提出した甲第1号証は、本件登録意匠の出願前に日本国内に頒布された甲第1号証a乃至dの各刊行物に記載された4つの異なる意匠から成るものであって、いずれの意匠も本件登録意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に該当しないものと認められるものである。 (2)そこで、当審において、改めて、平成14年2月8日付けで以下の無効理由を通知した。 すなわち、その理由は、「本件登録意匠は、この種野球用金属バットにおいて、従来より公知の、上方打撃面に極細縦線を施しその下方に余白面を介してグリップ部を設けたバットの形状〔請求人提出の甲第1号証のb(実開平2-114073、別紙第二参照)、及び、同号証のc(実開昭49-9367、別紙第三参照)〕の、その打撃面に、これも従来より公知の縦状磨き線〔請求人提出の甲第1号証のa(特開平8-168542、別紙第四参照)〕を施して表したまでに過ぎないものであるから、この意匠の属する分野における通常の知識を有する者(当業者)においては、容易に創作することができたものと認められ、意匠法第3条第2項の意匠に該当しますので、同条同項の規定に違反して登録された意匠に該当します。」としたものである。 (3)この無効理由通知書を期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人及び被請求人からは何ら応答もない。 3.結び そして、上記の無効理由通知書は妥当なものと認められるので、本件登録意匠は、意匠法第3条第2項の規定に該当する意匠であるにも拘わらず、これに違反して登録されたものであるから、同法第48条第1項第1号の規定により、その登録は無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2002-06-05 |
結審通知日 | 2002-06-10 |
審決日 | 2002-06-24 |
出願番号 | 意願平10-33861 |
審決分類 |
D
1
11・
121-
Z
(E3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 敦 |
特許庁審判長 |
吉田 親司 |
特許庁審判官 |
伊藤 晴子 木村 恭子 |
登録日 | 2000-04-28 |
登録番号 | 意匠登録第1078379号(D1078379) |