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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H3
管理番号 1066113 
審判番号 不服2001-17608
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-03 
確定日 2002-09-13 
意匠に係る物品 携帯用無線電話機 
事件の表示 意願2000- 24048「携帯用無線電話機」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願意匠は、平成12年8月30日の意匠登録出願に係り、その意匠に係る物品が「携帯用無線電話機」、意匠に係る形態が願書の記載及び添付図面代用写真に示されるとおりのものである。(別紙第一参照)
これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、本願の出願前の平成11年8月4日に特許庁総合情報館が受け入れ所蔵する東京デジタルホン発行の内国カタログ「J-K01」の第1頁所載の製品番号J-K01の携帯電話機の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HN11007294号)である。(別紙第二参照)
本願意匠と引用意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、その形態について、主として以下の共通点と差異点があるものと認められる。
即ち、先ず共通点について、(1)全体が、正面視略縦長方形状のやや厚みのある板状の筐体を本体とし、その本体前面の上半部に画面表示部を配し、その下側の上下方向の略中央部位に稍大きな略円形状の中央選択ボタンを配置し、その左右に小さな選択ボタンを上下に各2個配設し、本体前面の下半部に選択ボタン及びテンキーを縦に5段、横3列に配設し、本体前面の上端寄り左右方向の中央に小孔状のスピーカー部を、本体前面の下端寄り左右方向の中央に小孔状のマイク部を設け、後面片側上端に略短円柱状のアンテナ部を突設した基本的な構成態様のものである点、が認められ、各部の具体的な態様において、
(2)本体の上半部前面を膨出面状とし、下半部の前面を略垂直平坦面状とし、上下左右の角部を隅丸状に丸め、全辺を角丸状に丸めた点、
(3)アンテナ部は、本体後面側に略円筒状のアンテナ収納部を後面に沿って設け、その上側に略短円柱状のアンテナキャップが突出している点、
(4)本体の前面の上半部には、画面表示部の周囲を囲む区画が設けられている点、
(5)中央選択ボタンの左右の選択ボタンにつき、中心に向かって傾斜状の変形楕円状である点、
(6)スピーカー孔配置部が各辺各角を丸めた逆二等辺三角形状の凹陥面状である点、が認められる。
次いで差異点について、(イ)本体の膨出面状の上半部につき、本願意匠は、その左右幅が、下半部の左右幅よりやや広く、すなわち本体の左右辺部は上半が緩やかな突弧状に左右外方に向かって膨出している態様であるのに対して、引用意匠は、上半部の左右幅が下半部の左右幅と略同幅である点、
(ロ)画面表示部につき、本願意匠は、やや大きな縦長方形状の1つの画面からなるのに対して、引用意匠は、大小二つの画面、すなわち上側のものが、大きい画面で略正方形の右下部分を台形状に欠いた態様、下側のものが小さい画面で方形の左上部分を逆台形状に欠いた態様からなる点、
(ハ)画面表示部を囲む区画につき、本願意匠は、画面表示部の周囲を極細幅の帯状で囲んだ額縁状の区画と、その更に外側を、上半は画面表示部の周囲を巡る方形状で、下半がやや尖った突円弧状を成している区画の2つの区画からなるのに対して、引用意匠は、内側の区画が、二つの画面からなる画面表示部を囲んでそれらを包含する暗調子で略俵形状の区画と、その更に外側を、上半は上方に長く延びスピーカー部までを包含して、その上辺及び角部を丸めた形状とし、下半が水平線状に近い緩やかな突円弧状をなしている区画の2つの区画からなる点、
(ニ)中央選択ボタンについて、本願意匠は、横長楕円状であるのに対して、引用意匠は、稍大きな円形状である点、
(ホ)テンキーにつき、本願意匠は、角丸矩形状であるのに対して、引用意匠は、長円状である点、
(ヘ)マイク孔につき、本願意匠は、縦長楕円形孔1個であるのに対して、引用意匠は、川の字状である点、
(ト)引用意匠は、本体側面の上半部に縦長紡錘状の区画が付設されているのに対して、本願意匠には、これが付設されていない点、
(チ)後面上方左右方向の中央部において、本願意匠は、略雫形の輪郭内に卵形を配した着信表示窓部が設けられているのに対して、引用意匠は、後面の態様が不明である点、
(リ)アンテナ収納部の取り付け位置が左右反対位置である点、が認められる。
そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否の判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
先ず共通点については、(1)全体の基本的な構成態様の共通点であって、全体形態の基調を決定付けているものであるが、この構成態様は、本願物品においては典型的類型に属する態様であって、両意匠を特徴付けるものとはいえない点を考慮すると、その影響は、小さいものである。
(2)の点は、筐体前面全体の態様の共通感をもたらすものではあるが、この構成態様も従前において既に極一般化した態様であることを考慮すると、その影響は、その影響は、小さいものである。
(3)の点は、本願物品としては特徴のない一般的な形状であることを考慮すると、その影響は、小さいものである。
(4)の点は、造形的任意性の強い部分の態様の共通点であるが、差異点(ハ)があることも考慮すると、その影響は、小さいものである。
(5)の点は、注視される部分の態様ではあるが、一般的な態様でもあって、その影響は、小さいものである。
(6)の点は、格別に特徴的ともいえないものであって、その影響は、小さいものである。
そうすると、上記共通点が全体の類否に及ぼす影響は、共通点全部が相まっても、やや小さいものである。
一方、差異点については、(イ)の点は、本体の形状に係るもので、画面表示部の全体に占める大きさの比率の差異と相俟って両意匠に別異観を強くもたらしており、類否判断に与える影響は非常に大きいものである。
(ロ)の点は、引用意匠の大小2つの画面からなる態様は、一般的な画面表示部の態様とまで言えない特徴のある態様であるのに対して、本願意匠の縦長方形状の画面表示部は、極一般的な態様であるが、本体前面に対してその画面表示部の占める大きさの比率が出願前一般的であったとまで言えない大きなものでもあって、差異点(イ)と相俟って両意匠に強い別異観をもたらしており、類否判断に与える影響は大きいものである。
(ハ)の点は、注視される画面表示部の周囲の態様として著しい差異であって、引用意匠が特徴的である一方、本願意匠のその態様が一般的であることを考慮しても、その影響は、大きいものである。
(ニ)の点は、本体前面の中心部にあって、注視される部分の態様の差異であるが共に略円形状である点で共通していることも考慮すると、その影響は、稍小さいものである。
(ホ)及び(ヘ)の点は、微細な態様の差異に過ぎず、その影響は、微弱である。(ト)の点は、板状の本体の側面における目につきにくい部分における差異であって、本願意匠はこれを有していない一般的な態様でもあって、その影響は、やや小さいものである。
(チ)の点は、本願意匠の特徴点であって、かなり目立つ態様であるものの、引用意匠がその点が不明である以上、その類否に及ぼす影響は、やや小さいものである。
(リ)の点は、差異点といえるものの造形的には殆ど評価できない点であり、その影響は、微弱にすぎない。
そうすると、上記差異点(イ)乃至(ハ)が相俟って全体として類否に及ぼす影響は、かなり大きいと評価されるものである。
以上のとおりであって、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しないものという他はない。
従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとはいえず、同条同項柱書の規定により本願意匠の登録を拒絶することはできないものである。
また他に拒絶理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2002-08-30 
出願番号 意願2000-24048(D2000-24048) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 藤井 麻理山崎 裕造 
特許庁審判長 秋間 哲子
特許庁審判官 西本 幸男
鍋田 和宣
登録日 2002-10-04 
登録番号 意匠登録第1158899号(D1158899) 
代理人 櫻木 信義 
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