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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H3 |
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管理番号 | 1066114 |
審判番号 | 不服2001-19215 |
総通号数 | 35 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2002-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-10-26 |
確定日 | 2002-09-13 |
意匠に係る物品 | 携帯用無線電話機 |
事件の表示 | 意願2001- 1852「携帯用無線電話機」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願意匠は、平成13年1月30日の部分意匠の意匠登録出願に係り、その意匠に係る物品が「携帯用無線電話機」、意匠に係る形態が願書の記載及び添付図面に示されるとおりのものであり、実線で表された部分が意匠登録を受けようとする部分である。(別紙第一参照) これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、本願の出願前の平成9年7月22日に発行された意匠公報に掲載された登録第985035号の意匠であって、意匠に係る物品が「携帯電話機」、意匠に係る形態が、意匠公報掲載の図面に示されるとおりのものである。(別紙第二参照) 本願意匠と引用意匠において、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、その形態について、本願意匠の実線で表された部分(正面図中央左寄りのカーソルボタンの部分)と引用意匠が対応する部分とを比較すると、主として以下の共通点と差異点が認められる。 即ち、両意匠は、携帯電話の正面の上下方向略中央位置である画面表示部の下方部に配置される稍大きなカーソルキーであるところ、先ず共通点について、(1)全体が、正面視略ドーナツ形状である円形リング部の周縁部四箇所に頂点を外方に向けて略小三角形状の外側キーを略十字状に配した全体構成のものである点、及び、各部の具体的な構成態様において、 (2)円形リング部につき、その内径を、外径の略3分の1とする点、 (3)外側キーにつき、正面視、頂点部を丸め、左右辺部を膨出弧状とし、底辺部を凹弧状とした略二等辺三角形である点、 (4)外側キーは、正面視円形リング部の中心から左右上下の略十字状の四方向に、その頂点を外方に向けて設けられ、側方視、外側キーが円形リング部より僅かに前方に突出している点、が認められる。 次いで差異点について、各部の具体的な態様において、 (イ)円形リング部の略ドーナツ形状につき、本願意匠は、外周が、正円状であるのに対して、引用意匠は、縦長略楕円状である点、 (ロ)円形リング部の前面(正面)の凹凸態様につき、本願意匠は、中心に向かってすり鉢状に凹んだ凹面状であるのに対して、引用意匠は、中心に向かって僅かに盛り上がった凸面状である点、 (ハ)本願意匠は、外側キーの中心側辺(底辺)を円形リング部の外周縁に一致させた態様で設けているのに対して、引用意匠は、外側キーの中心側辺(底辺)を円形リング部の外周縁より中央寄りに喰い込んだ態様で設けている点、 (ニ)外側キー部の略三角形状の中心側辺(底辺)の左右角部につき、本願意匠は、尖っているのに対して、引用意匠は、角丸状に丸められている点、が認められる。 そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否の判断に及ぼす影響について、以下に検討する。 先ず共通点について、(1)乃至(4)の点は、相俟って、両意匠の共通感をもたらすものであるが、近似の態様のものが既に広く知られていることを考慮すると、その影響は、稍大きいとまではいえないものである。 次いで差異点について、(イ)及び(ロ)の点は、注視され且つ広い面積を占める円形リング部の形状における著しい差異といえるものであり、両者が相まってその影響は、極めて大きいものである。 (ハ)の点は、明らかな配置構成の相違であって、強く差異感をもたらしており、その影響は、極めて大きいものである。 (ニ)の点は、微細な部分の差異に過ぎず、その影響は、微弱に止まるものである。 そうすると、上記差異点が纏まって全体の類否に及ぼす影響は、かなり大きい以上のものと評価されるものである。 以上のとおりであって、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しないものといわざるを得ない。 従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとはいえず、同条第1項柱書の規定により意匠登録を受けることができないものすることはできないものである。 また他に拒絶理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2002-08-30 |
出願番号 | 意願2001-1852(D2001-1852) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤井 麻理、山崎 裕造 |
特許庁審判長 |
秋間 哲子 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 西本 幸男 |
登録日 | 2002-10-04 |
登録番号 | 意匠登録第1158901号(D1158901) |
代理人 | 櫻木 信義 |