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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H3
管理番号 1069088 
審判番号 不服2001-15513
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-08-31 
確定日 2002-11-20 
意匠に係る物品 屋外用マイクロ波アンテナ 
事件の表示 意願2000- 16472「屋外用マイクロ波アンテナ」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1、本願の意匠
本願意匠は、平成12年6月16日の意匠登録出願に係り、意匠に係る物品が「屋外用マイクロ波アンテナ」、意匠に係る形態が願書の記載及び添付図面代用写真に示されるとおりのものである。(別紙第一参照)
第2、拒絶の理由
原審の拒絶の理由は、以下のとおりである。
「 この意匠登録出願の意匠は、下記に示すように、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができたものと認められますので、意匠法第3条第2項の規定に該当します。
記 この意匠登録出願の意匠は、周知の形状である直方体を主体にして、公知の意匠である取り付け金具(例えば引例意匠に表されたもの)をこの種物品の通常の結合状態に単に結合して構成したにすぎないものと認められます。
特許庁総合情報館が1994年11月2日に受け入れた「ELECTRONICPARTSCATALOG 1994年10月4日」の第52-10頁所載のアンテナ取付け金具の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC06020723号)。」
第3、当審の判断
1、本願意匠
本願意匠は、アンテナ本体(受信部)とその背面側に設けた取り付け金具で構成され、取り付け金具は、パイプ桿部と基台部で構成されるもので、アンテナ本体を、略扁平横長直方体状とし、取り付け金具は、同径略同長の丸パイプ3本をコ字状に接合して、横長方形板状の基台部に直角状に立設した態様とし、その取り付け金具をアンテナ本体の背面中央部に、小さい金具2個を介して傾斜角度を調節可能の回動自在に、小さい半円形板状の回動誘導板と共に取り付けた態様のものである。
2、公知の意匠である取り付け金具として引例された意匠(別紙第二参照)
引例意匠の形態は、掲載の写真には現れていない別体のアンテナ本体側に設けられるパイプ状のアンテナの支柱が、掲載の取り付け金具の縦パイプに挿入固定されて壁面に支持固定するために用いられるアンテナ取り付け金具の形状であって、取り付け金具の形状は、やや太い丸パイプの外周面の上下端寄りに同長同径の細い丸パイプを水平に突設したコ字状のパイプ棹部を縦長方形状の基台部に直角状に立設したもので、太い丸パイプの上下端部が上下方向に突き出ており、その上面小口が開放状で、外側面の上下部位に締め付け用のボルト頭が2個突出しており、基台部は、縦長方形板の左右方向中央部が長手方向全長にわたって折り曲げられ、断面コ字状に盛り上がって丘状の段差面を形成し、段差面の左右の平坦面部に壁面取り付け用の小円孔6個と稍大きな鍵穴状孔4個が設けられ、パイプ桿部の後端部小口面が基台部の丘状段差面の上下端部寄り部位において直角状に取り付けられた態様のものである。
3、本願意匠の取り付け金具と引用例の取り付け金具の対比
(1)引例の取り付け金具は、本願意匠と同じくアンテナ取り付け金具ではあるが、引例の金具は、その縦の太い丸パイプの内側に別体のアンテナ本体側に取り付けられる支柱を挿入してアンテナ本体の支柱を垂直の壁面に対して平行に支持するための取り付け金具であって、本願意匠の縦の丸パイプの役割のように、丸パイプの回転性を利用して板状のアンテナ本体の受信角度を自在に調節するために小さい金具2個で回動自在にアンテナ本体の背面側に設ける丸パイプとはその用いられる目的が異なるものである(それ故に、引例の太い縦パイプの周面にはボルトが2個突出している)。
(2)本願意匠の取り付け金具の形状と、引例の意匠の形状とは、略長方形状板の基台に、丸パイプをコ字状に接合したパイプ棹部を直角状に取り付けた点が共通するものの、以下の差異点も存在する。
ア、基台部において、本願意匠は、平坦面状であるのに対して、引例は、丘状段差面を有する点、
イ、パイプ棹部の構成において、本願意匠は、同径のパイプ3本からなるのに対して、引例は、太いパイプ1本と細いパイプ2本からなる点、
ウ、パイプ棹部のコ字状の接合態様において、引例は、太いパイプの上下が突出しているのに対して、本願意匠は、突出していない点。
以上の差異点は、いずれも細部における差異ではあるが、本願意匠の取り付け金具の形状自体が、出願前公然知られた形状と同一性の範囲内のものであったとは認め得ない。
4、上記の認定に基づいて本願意匠の創作容易性について考察すると、
(1)先ずアンテナ本体(受信部)の態様については、アンテナの分野において、略扁平横長直方体形状のアンテナ本体は、例示するまでもなく出願前周知の態様である。
(2)次に、本願意匠の取り付け金具の形状については、3本の丸パイプをコ字状に形成して略長方形板状の基台に直角状に取り付けた態様が、引例のように、出願前公知であったことは認められるが、形状自体が出願前公然知られていた取り付け金具と同一の形状とまでは認められない。
(3)その上、上記のとおり、本願意匠の取り付け金具がアンテナ本体を傾斜角度が調節可能の回動自在に支持するために小さい金具を2個を介してアンテナ本体の背面側に取り付けた点、及び半円形状の回動誘導板をアンテナ本体側に配した点をも考慮すると容易に創作できたものであると断じることはできない。
(4)すなわち、アンテナ本体の背面側に取り付けた取り付け金具の形状自体が、アンテナ取り付け金具の分野において公知の形状ではあっても、それを本体に取り付ける手法、取り付け位置及び使用態様を異なるものとした本願意匠の取り付け金具の取り付けの態様は、引用例の取り付け金具の取り付け態様と大きく異なり、又一般的になされる転用の手法に基づくものでもないことから、「この種物品の通常の結合状態に単に結合したにすぎない」とまではいえないから、直ちに、本願意匠の態様を創作容易であるとすることができない。
従って、原審の拒絶理由を以て、本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するとはいえないものである。
また、他に拒絶理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2002-10-29 
出願番号 意願2000-16472(D2000-16472) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 奥家 勝治 
特許庁審判長 秋間 哲子
特許庁審判官 西本 幸男
鍋田 和宣
登録日 2002-12-06 
登録番号 意匠登録第1164403号(D1164403) 
代理人 中島 知子 
代理人 佐竹 弘 
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