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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H3
管理番号 1070635 
審判番号 不服2001-17607
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-03 
確定日 2003-01-10 
意匠に係る物品 携帯用無線電話機 
事件の表示 意願2000- 24049「携帯用無線電話機」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願意匠は、平成12年8月30日の関連意匠の意匠登録出願(本意匠意匠登録第1158899号)に係り、その意匠に係る物品が「携帯用無線電話機」、意匠に係る形態が願書の記載及び願書に添付の図面代用写真に示されるとおりのものである。(別紙第一参照)
これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、本願の出願前の平成11年2月16日に特許庁総合情報館が受け入れ所蔵するDDIセルラーグループ発行の内国カタログ「CD-10PbyPanasonic」の第2頁所載の製品番号CD-10Pの携帯電話機の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HN11000894号)である。(別紙第二参照)
本願意匠と引用意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、その形態について、主として以下の共通点と差異点があるものと認められる。
即ち、先ず共通点について、(1)全体が、正面視略縦長方形状のやや厚みのある板状の筐体を本体とし、その本体前面の上半部に画面表示部を配し、その下側の上下方向の略中央部位に稍大きな中央選択ボタンを配置し、その左右に小さな選択ボタンを上下に各2個配設し、本体前面の下半部に選択ボタン及びテンキーを縦に5段、横3列に配設し、本体前面の上端寄り左右方向の中央にスピーカー部を設け、後面片側上端に略短円柱状のアンテナ部を突設した基本的な構成態様のものである点、が認められ、各部の具体的な態様において、
(2)本体の上半部前面を膨出面状とし、下半部の前面を略垂直平坦面状とし、上下左右の角部を隅丸状に丸め、全辺を角丸状に丸めた点、
(3)アンテナ部は、本体後面側に略円筒状のアンテナ収納部を後面に沿って設け、その上側に略短円柱状のアンテナキャップが突出している点、
(4)画面表示部の周囲を囲む、その輪郭が略方形状で、その上下辺が僅かに弧状に外方に膨出する区画が設けられている点、が認められる。
次いで差異点について、(イ)本体の膨出面状の上半部につき、本願意匠は、その左右幅が、下半部の左右幅よりやや広く、すなわち本体の左右辺部は上半が緩やかな突弧状に左右外方に向かって膨出している態様であるのに対して、引用意匠は、上半部の左右幅が下半部の左右幅と略同幅である点、
(ロ)本体の前面に、引用意匠は、外周縁側に狭い余地を残して、輪郭が角丸縦長方形の上方を窄めた形状で、暗調子の前面パネルを面一致にはめ込んでいる構成であるのに対して、本願意匠は、前面パネルを有しない一体状である点、
(ハ)画面表示部につき、本願意匠は、やや大きな縦長方形状であるのに対して、引用意匠は、やや小さい横長方形状である点、
(ニ)本体の背面につき、本願意匠は、略垂直面状であるのに対して、引用意匠は、上半部が前方に向かって側方視傾斜面状に削がれていて、段差部を有している点、
(ホ)中央選択ボタンについて、本願意匠は、横長二重楕円状であるのに対して、引用意匠は、隅丸菱形形状である点、
(ヘ)中央選択ボタンの左右の選択ボタンにつき、本願意匠は、内側に向かって斜め下方に向いた楕円形状であるのに対して、引用意匠は、上側のものが円形状であり、下側のものが角丸台形状である点、
(ト)スピーカー部につき、本願意匠は、略隅丸逆二等辺三角形状の凹陥面状であるのに対して、引用意匠は、隅丸横長方形状の凹陥面状である点、
(チ)後面上方左右方向の中央部において、本願意匠は、略雫形の輪郭内に卵形を配した着信表示窓部が設けられているのに対して、引用意匠は、後面の態様が不明である点、が認められる。
そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否の判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
先ず共通点については、(1)の点は、両意匠の全体形態の基調を決定付けるものではあるが、共に典型的類型に属する態様であって、両意匠を特徴付けるものとはいえない点を考慮すると、その影響は、小さいものである。
(2)の点は、本体の筐体の前面全体の態様の共通感をもたらすものではあるが、この構成態様も従前において既に極一般化した態様であることを考慮すると、その影響は、小さいものである。
(3)の点は、特徴のない一般的な形状であることを考慮すると、その影響は、小さいものである。
(4)の点は、造形的任意性の強い部分の態様の共通点であるが、差異点(ハ)があることも考慮すると、その影響は、小さいものである。
そうすると、上記共通点が全体の類否に及ぼす影響は、共通点全部が相まっても、小さいものである。
一方、差異点については、(イ)乃至(ハ)の点は、本体の前面側の形状に係るもので、相俟って、各々の意匠の全体の基調を形成し特徴を表出する部位における大きな差異であって、両意匠に別異観を強くもたらしており、類否判断に与える影響は非常に大きいものである。
(ニ)の点は、前面側に比較すると各々の意匠の基調を決定づける部位における差異ではないものの、差異点(チ)と相俟って両意匠に強い別異観をもたらしており、類否判断に与える影響は大きいものである。
(ホ)及び(ヘ)の点は、本体前面の中心部にあって、注視される部分の態様の差異であり、配列は同じであるが、個々のボタンの形状の差異が目立ち、相俟って異なる印象を表出しており、その影響は、やや大きいものである。
(ト)の点は、目につく部位における差異であって、その影響は、大きい。
そうすると、上記差異点(イ)乃至(ト)が相俟って全体として類否に及ぼす影響は、かなり大きいと評価されるものである。
以上のとおりであって、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しないものという他はない。
従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとはいえず、本願意匠の登録を拒絶することはできない。
また他に拒絶理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2002-12-26 
出願番号 意願2000-24049(D2000-24049) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 藤井 麻理山崎 裕造 
特許庁審判長 秋間 哲子
特許庁審判官 鍋田 和宣
西本 幸男
登録日 2003-01-24 
登録番号 意匠登録第1168173号(D1168173) 
代理人 櫻木 信義 
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