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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H4
管理番号 1070640 
審判番号 不服2002-4662
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-03-18 
確定日 2003-01-14 
意匠に係る物品 テレビ電話機 
事件の表示 平成11年意匠登録願第 12520号「テレビ電話機」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願意匠は、平成11年5月13日の意匠登録出願に係り、意匠に係る物品が「テレビ電話機」、意匠に係る形態が願書の記載及び願書に添付の図面に示されるとおりのものである。(別紙第一参照)
これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、本願の出願前の平成10年6月10日に特許庁総合情報館が受け入れ所蔵する日本電信電話株式会社が発行したカタログ「Phoenix mini[フェニックスミニ]」(日刊工業新聞9.9.12、P.10)の第4頁所載の写真版及び関連記事によって表された「テレビ電話機」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HN1000786300号)であって、その形態が同写真版に示されるとおりのものである。(別紙第二参照)
本願意匠と引用意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通のものであり、その形態について、主として以下の共通点と差異点が認められる。
即ち、先ず共通点について、(1)全体が、本体部と受話器置き台部と受話器からなり、本体部は、平面視略方形の盤体状で、その上面後方寄りにテレビ画面部を回動可能に立設し、手前側に操作部を配し、その左側面に受話器置き台部を延設状に設けた基本的な構成態様のものである点、各部の具体的な構成態様においては、
(2)本体部は、前後に稍長い略方形状の上面の前側略3分の2が後方に向かって上がる傾斜面状の隆起面状である点、
(3)テレビ画面部は、厚みのある方形板状で、正面視上端寄りを僅かに弧状に窄め、正面部に四周に余地を設けて方形状の画面部を設け、その上側余地部の中央に小円形状のレンズ部を設けている点、
(4)テレビ画面部の正面部の四周の余地部のうち、上方の余地部が他の余地部よりかなり広い点、
(5)本体部のテレビ画面部の立設基部前側に略横長方形状の区画を設けている点、
(6)操作部は、本体部の上面のテレビ画面部立設部位の前方側に多数の操作ボタンを間隔を設けて配列している点、
(7)受話器置き台は、上方視細幅縦長方形状で上面が前下がり斜面状である点、(8)受話器は、その全体が前後方向に湾曲させた略縦長扁平角丸直方体状である点、が認められる。
次いで差異点として、
(イ)本体の前端部において、本願意匠は前方に向かって緩やかに膨出する上面視緩やかな弧状であるのに対して、引用意匠は、直線状である点、
(ロ)本体の上面の左右端部及び前端部において、引用意匠は、稍広幅帯状の削ぎ面状に面取りがされているのに対して、本願意匠は面取りがなされていない点、
(ハ)本体の上面のテレビ画面部の立設部位の後方側において、本願意匠は、その左右端部に細幅壁状の余地を残してその余を、本体部の前半部に対して大きく下方に段落ちした凹陥面を形成し、その凹陥面の左右端寄りに輪郭縦長方形状の多数の平行線状の透孔を設けているのに対して、引用意匠は、テレビ画面部の後方側基部を背面視横長台形状を呈する背の低い壁面で囲い、その壁面に背面視横長水平の透孔を数段設け、本体部の壁面部後方側の上面を後ろ下がり斜面状としている点、
(ニ)本体部のテレビ画面部の立設基部前側の略横長方形状の区画において、本願意匠は、本体の斜面状に対して僅かに段落ちした傾斜面状であるのに対して、引用意匠は、後方部が僅かに上方に向かう傾斜面状の隆起面である点、
(ホ)操作ボタンにおいて、本願意匠は、テレビ画面部の立設基部前側の略横長方形状の区画内には、やや大きな楕円形状のボタンを中央に、左右に小円形のボタン、その更に左右に小楕円形状のボタンを並べ、区画前方の広い面には、中央にやや大きな楕円形状のボタンを3列4段配してテンキー部とし、その左右側に小さい楕円形状のボタン1列4個を配しているのに対して、引用意匠は、テレビ画面部の立設基部前側の略横長方形状の区画内には、極小の円形ボタンを4個並べ、区画前方の面にやや大きな円形ボタンを3列4段配してテンキー部とし、その左側に、やや小さい楕円形状のボタン2個と小円形状のボタン3個を縦1列に配し、その右側上方に、4個の三角形ボタンを十字状に配設し、その前側に3個の小円形状及び1個のやや大きい円形状のボタンを配設している点、
(ヘ)受話器置台部において、本願意匠は、その上面が本体部上面と殆ど段差がなく、上方視前端部が本体部の前端部とほぼ面一状であり、載置孔の周部に壁部がなく、放音孔部が縦横格子状に小円孔を配列した態様であるのに対して、引用意匠は、その上面が本体部に対して段差面状であり、上方視前端部が本体部の前端部より一段奥まった位置にあり、載置孔の周部に低い壁が立設されており、放音孔が平行筋状透孔である点、
(ト)受話器について、本願意匠は、上方視下窄まり状であり、受話器部分が送話器部分に比して大きな塊状を成しているのに対して、引用意匠は、上方視下窄まり状でなく、上下辺部が半円状に丸められており、受話器部分と送話器部分が略同大の塊状である点、が認められる。
そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否の判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
先ず共通点について、(1)の点は、テレビ電話として出願前公然知られた基本的な構成態様であって、その影響は、稍大きい程度に止まるものである。(2)乃至(8)の点は、全体の共通感を強めるものであるが、いずれも本願意匠のみの特徴でもなく、その影響は、軽微に止まるもので、共通点が纏まって全体の類否に及ぼす影響も、格別大きいものではない。
次いで差異点について、
(イ)及び(ロ)の点は、注視される本体部上面の前側の操作部の周部の態様の差異でもあって、受話器受け台部の形状の差異(ヘ)と相俟って、本願意匠は、本体上面前側が後方に向かって高くなる傾斜面状の曲面からなる印象を強く感得させるのに対して、引用意匠は、受話器受け台部とは別体の塊である印象を強く感得させ、別異観を強くもたらすもので、その影響は、かなり大きいものである。
(ハ)の点は、背面側のテレビ画面部に隠れて目につきにくい部位ではあるが、かなり大きな部分の態様の差異であって、テレビ画面部の傾斜角度を本願意匠は後方側に引用意匠より深く傾斜することができ大きな機能上の効果をもたらしているものであって、テレビ画面部の傾斜使用時に両意匠の別異観を強くもたらしており、その全体の類否に及ぼす影響は、かなり大きいものである。
(ニ)の点は、精緻に比較すると確かに感得される差異ではあるが、全体からみれば僅かの差異に止まっており、その影響は、軽微に止まるものである。
(ホ)の点は、テンキー部のボタンの形状が楕円形状か円形状かの差異と、テンキー部の右側の上方のボタンの態様の差異が、注意を惹き、その影響は、稍大きいものである。
(ヘ)の点は、段差の差異及び置き台部先端部の位置の差異が別異感をもたらしており、その影響は、稍大きいものである。
(ト)の点は、受話器のみを比較すると、かなり大きな差異と感得されるものの、電話機全体からみれば、部分的な差異に止まっており、その影響は、軽微に止まるものである。
そうすると、上記差異点が纏まって全体の類否に及ぼす影響は、かなり大きいものである。
以上のとおりであって、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しない。
従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとすることはできない。
また、他に拒絶理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2002-12-26 
出願番号 意願平11-12520 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 瓜本 忠夫 
特許庁審判長 秋間 哲子
特許庁審判官 西本 幸男
鍋田 和宣
登録日 2003-01-24 
登録番号 意匠登録第1168026号(D1168026) 
代理人 宮田 金雄 
代理人 宮田 金雄 
代理人 宮田 金雄 
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