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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1075028 |
審判番号 | 不服2001-9802 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-06-12 |
確定日 | 2003-03-10 |
意匠に係る物品 | 電気コネクタ |
事件の表示 | 意願2000- 13305「電気コネクタ」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成12年5月19日の意匠登録願の意匠であって、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品及びその形態を願書の記載及び願書に添付した図面のとおりとするものである。(別紙第1参照) 2.引用意匠 原審において拒絶の理由に示した引用意匠は、昭和62年12月9日発行の日本国特許庁意匠公報に記載された意匠登録第720996号の意匠であって、意匠に係る物品及びその形態を同公報に記載したとおりとするものである。(別紙第2参照) 3.本願意匠と引用意匠の対比 本願意匠と引用意匠の対比にあたり、両意匠の向きを同様にするため、引用意匠については背面側を正面側に向きなおして以下認定する。 (1)意匠に係る物品については、本願意匠及び引用意匠のいずれも「電気コネクタ」とするものであるから、両意匠の意匠に係る物品は共通する。 (2)両意匠の形態については、上面を開口した略直方体の筐体の背面から左右両側面にかけて突出壁(以下、「突出壁部」という。)を形成し、筐体の内側の前後方向に隔壁部を形成してコンタクト(電気接触子)収容部を複数横列状に設け、隔壁部および左右両側壁部の後端に接する突出壁部の上方を突出状に形成して電磁保持片部としたハウジング本体のコンタクト収容部に電気接触子を組み入れた態様が共通していると認められ、形態各部の具体的な態様については、主として、(イ)突出壁部の側面視態様について、本願意匠は、後端側から奥行きの中程であってその下端がハウジング本体底面よりも下方に突出した部分を略正方形とし、その前端からハウジング本体前端寄りに略横長矩形状の突出部分を形成して係止凸状部としているのに対し、引用意匠は、後端側を縦長矩形状とし、その前端略中央からハウジング本体中程寄りの突出部分を横長略矩形状とし、これらの突出壁部が倒T字形状に表れている点、(ロ)電磁保持片部の正面側の態様について、本願意匠は、中央に隔壁部と同幅の傾斜壁部を形成しているのに対し、引用意匠は、その略前面を垂直状としている点、(ハ)電磁保持片部相互の間隙に形成した電線収容のための凹状部の背面視態様について、本願意匠は、略U字状としているのに対し、引用意匠は、略逆台形状としている点、(ニ)ハウジング本体正面に設けた相手側コネクタのピンコンタクト挿入部の態様について、本願意匠は、下端の左右両側にそれぞれ角溝状に形成しているのに対し、引用意匠は、下方寄りの中央および左右両側にそれぞれ角孔状に形成している点に差異が認められる。 4.本願意匠と引用意匠の類否判断 前記共通点及び差異点を総合して検討し、意匠全体として両意匠の類否について判断すると、ハウジング本体についての前記共通点は、この種物品分野では、電気コネクタのハウジングを形成する骨格的な構成態様として、両意匠のほかにも多数見受けられる共通点であって、コンタクト収容部にコンタクトを組み入れることも一般的であり、また、いずれも両意匠にのみに新規に形成された態様のものではないから、これら共通点が類否判断に与える影響は微弱であり、それほど評価できないものである。 一方、前記差異点について考察すると、(イ)については、ハウジング本体の比較的目に付きやすい左右両側面に形成され、形態上の特徴を形成し、形態全体の基調に影響を与える要素であり、左右両側面に占める部分の大きさについても差異が認められるから、その差異が両意匠の類否判断に与える影響は極めて大きいと言える。(ロ)については、電磁保持片部は突出壁部の上方に突出状に形成している上、その正面側は、電線接触子と電線との接続状態に注意を払うコンタクト収容部にそれぞれ近接している部位に係るから、その差異は両意匠の類否判断に影響を与えるものである。(ハ)については、背面側の態様に形態上の特徴を形成する要素であり、電線の接続及び収容時に注意を払う部位に係る点も勘案すると、その差異は両意匠の類否判断に影響を与えるものである。(ニ)については、正面及び底面側の形態の特徴を形成する要素であり、相手側コネクタとの接続時に注意を払う部位である点も勘案すると、その差異が両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。そして、これら差異点を総合した意匠的な効果は、両意匠の形態全体に互いに異なる基調を形成しているとの印象を与えているから、両意匠の類否判断を左右するものである。 したがって、両意匠は、意匠に係る物品が共通しているが、形態については、前記の共通点があるにもかかわらず、差異点を総合した意匠的な効果が両意匠の類否判断を左右しているから、意匠全体として類似するものいうことはできない。 5.結び 以上のとおりであるから、原審の拒絶理由によって本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。また、本願については、他に拒絶理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2003-01-23 |
結審通知日 | 2003-01-31 |
審決日 | 2003-02-14 |
出願番号 | 意願2000-13305(D2000-13305) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 梅澤 修 |
特許庁審判長 |
秋間 哲子 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 伊勢 孝俊 |
登録日 | 2003-04-04 |
登録番号 | 意匠登録第1174772号(D1174772) |
代理人 | 高良 英通 |