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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1083287 |
審判番号 | 不服2002-8375 |
総通号数 | 46 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-10-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-05-13 |
確定日 | 2003-08-16 |
意匠に係る物品 | 自動二輪車用レバー |
事件の表示 | 意願2001-11717「自動二輪車用レバー」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1.本願意匠 本願は、平成13(2001)年4月23日の部分意匠に係る意匠登録出願であって、その意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「自動二輪車用レバー」とし、その形態は、願書の記載及び願書に添付された写真に現されたとおりであり、意匠登録を受けようとする部分を、暗調子で現した部分以外の部分としたものである(本件審決書に添付の別紙第1参照)。 第2.引用意匠 原審において、拒絶の理由として引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、日本国特許庁が平成13(2001)年2月5日に発行した意匠公報に所載の、意匠登録第1099800号の意匠の実線で描かれた把持部部分の意匠であって、同公報の記載によれば、意匠に係る物品を「バーハンドル車両用操作レバー」とし、形態は、同公報の記載のとおりとしたものである(本件審決書に添付の別紙第2参照)。 第3.両意匠の対比検討 両意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、本願意匠の「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能、位置、大きさ、範囲も、その部分に相当する引用意匠と共通し、形態については、以下に示す共通点及び差異点がある。 すなわち、両意匠は、全体の基本的構成態様が共通し、また、各部の具体的態様においては一部共通している点もあるが、一方、各部の具体的態様のうち、主に、(1)平面部について、本願意匠は、厚さを極厚めのものとし、グリップ部を略直線状に形成して、連接部から基幹部までの前端部を緩い凸弧状に形成しているのに対し、引用意匠は、厚さを稍薄めのものとし、グリップ部を緩い凹弧状に形成して、連接部から基幹部までの前端部をグリップ部と繋がる凹弧状に形成している点、(2)前面部について、本願意匠は、基幹部をグリップ部との連接部へ漸次先細り状に形成して、連接部に括れ部を設けているのに対し、引用意匠は、基幹部を平板状に形成して、連接部には括れ部を設けていない点に差異がある。 そこで、両意匠の共通点及び差異点を総合して、両意匠を全体として検討する。 先ず、両意匠に共通するとした全体の基本的構成態様については、従来より既に一般化している構成態様にすぎず、また、両意匠に共通するとした各部の具体的態様についても、本願意匠の出願前、この種物品の属する分野において、他にも見受けられる態様であり、格別看者の注意を引くものとはいい難いから、共に類否判断に及ぼす影響は微弱にすぎず、さらに、それらの共通点を纏めても、格別の共通感を奏するとはいい難いものであって、類否判断に及ぼす影響がなお微弱の域を超えないといわざるを得ない。 次に、差異点とした各部の具体的態様のうち、(1)の平面部については、本願意匠がグリップ部を略直線状に形成し、引用意匠がグリップ部を緩い凹弧状に形成している点で、基本的な形状が異なるものであり、この種物品の一際目立つ部分における形態上の基調が異なるものであって、その厚さ及び連接部から基幹部までの前端部の差異も勘案すると、看者の注意を際立って引くものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 (2)の前面部については、本願意匠が連接部に括れ部を設け、引用意匠が連接部には括れ部を設けていない点で、括れ部の有無において異なるものであり、この種物品の比較的目立つ部分における形態上の構成要素が異なるものであって、その基幹部の差異も勘案すると、看者の注意を十分に引くものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 そうすると、前記の(1)及び(2)の差異点は、何れも、両意匠に共通するとした態様を翻す程の印象を看者に与えるものであり、その余の差異点と相俟って、両意匠の醸し出す形態全体の印象を異にする程の差異感を奏するものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 したがって、本願意匠は、引用意匠と意匠に係る物品は共通するが、形態において、差異点は両意匠に著しい差異感を生じて類否判断を左右するという外ないから、両意匠は意匠全体として観察すると、類似する意匠とはいえない。 第4.むすび 本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては、拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願意匠について、他に拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2003-07-24 |
出願番号 | 意願2001-11717(D2001-11717) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富永 亘 |
特許庁審判長 |
伊勢 孝俊 |
特許庁審判官 |
永芳 太郎 鍋田 和宣 |
登録日 | 2003-09-05 |
登録番号 | 意匠登録第1188342号(D1188342) |
代理人 | 斎藤 暸二 |