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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1084989 |
審判番号 | 不服2002-7511 |
総通号数 | 47 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-11-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-04-30 |
確定日 | 2003-09-17 |
意匠に係る物品 | 自動車用タイヤ |
事件の表示 | 意願2000- 9507「自動車用タイヤ」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成12年4月12日の意匠登録出願に係り、願書の記載及び願書添付の図面の記載によれば,意匠に係る物品が「自動車用タイヤ」であり、その形態が添付図面に示されるとおりのものである。(別紙第一参照) 2.引用意匠 これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠は、本願の出願前の平成11年8月3日発行の「意匠公報」に掲載された登録第1045554号意匠であり、意匠に係る物品が「自動車用タイヤ」であり、意匠に係る形態が同公報の掲載図面に示されるとおりのものである。(別紙第二参照) 3.対比 本願意匠と引用意匠とを比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が同一のものであり、その形態については、主として以下の共通点と差異点があるものと認められる。 [共通点] 先ず共通点について、(1)トレッド中央部に3本の中央縦溝と2本の縦リブを周回させ、中央縦溝の外側のショルダ部寄りに1本の縦溝を周回させ、中央縦溝とショルダ部寄りの縦溝との間に幅狭の略平行四辺形状ブロック(中央ブロック)を縦一列に周回させ、該縦溝からトレッド左右端に掛けて幅広の略平行四辺形状ブロック(ショルダブロック)を縦一列に周回させた基本的な態様、(2)2本の縦リブの態様について、同幅とし、多数のサイプが形成されている点、(3)中央ブロック及びショルダブロックの態様について、相対する左右のブロックを周方向にずらして配列し、中央ブロックとショルダブロックを互いに逆方向に傾斜させ、ブロック内にサイプが形成されている点、が認められる。 [差異点] 次いで差異点について、各部の具体的な態様において、(イ)3本の中央縦溝及び2本の縦リブの態様について、本願意匠は、同幅の縦溝とし、縦リブのサイプが傾斜しているのに対し、引用意匠は、中央縦溝の左右が細幅で中央はそれよりやや幅広とし、縦リブのサイプは平行である点、(ロ)中央ブロックの態様について、本願意匠は、4辺がほぼ同幅の右上がりの略平行四辺形で、上下辺が折れ線状を呈し、折れ線状のサイプが設けられているのに対して、引用意匠は、横長で右下がりの略平行四辺形で、略直線状のサイプが形成されている点、(ハ)ショルダブロックの態様について、本願意匠は、その上下辺が折れ線状を呈し、折れ線状サイプが形成され、その外側縁部はサイド部に連続しているのに対し、引用意匠は、中央側の上端又は下端がわずかに切除され、直線状及び鉤状のサイプが形成され、外側縦辺部に複数の縦溝が形成されている点、(ニ)サイド部の態様について、本願意匠は、周縁部に溝が放射状に形成されているのに対し、引用意匠は、撚りを加えたように形成されている点、が認められる。 4.当審の判断 そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響について、以下に検討すると、共通点(1)については、形態全体に係わる態様ではあるが、それはいまだ概念的な形態の共通性に止まっており、両意匠の特徴を表すものとまではいえないから、この点が類否に及ぼす影響は小さいものである。共通点(2)及び(3)は、概念的であり、また、それ自体も特徴あるものでもないから、類否に及ぼす影響は微弱である。そして、これらが総合された効果を検討しても、下記に述べる差異点に優越するほどのものとは認められない。 次いで差異点について、差異点(イ)は、特に特徴のあるものではないが、トレッド中央部の視覚的に目に付く部位の差異であることから、類否判断上一定の影響を及ぼすものと認められる。差異点(ロ)は、中央部の目に付きやすい部分の差異であり、加えて、本願意匠の態様も特徴的なものであることから、引用意匠との差異を際立たせており、類否判断における影響は大きいものと認められる。差異点(ハ)は、ショルダ部のやや大きい面積を占める部分の差異であり、本願意匠の態様も他に類のない特徴的なものであることから、差異点(ロ)と相まって引用意匠との差異を大きく印象づけているものと認められる。共通点(ニ)は、トレッド部に比べれば注目度低い部位の差異であるから、類否に及ぼす影響は微弱である。 そうすると、差異点(ロ)及び(ハ)は類否判断上大きな影響を及ぼす要素であり、これに差異点(イ)が加重されることにより、本願意匠と引用意匠とは別異の意匠であるとの印象を生じさせていると認められる。 5.まとめ 以上のとおりであって、両意匠は意匠に係る物品が一致するが、形態において、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しないといわざるを得ない。 従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとすることはできない。また、他に拒絶理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2003-08-12 |
出願番号 | 意願2000-9507(D2000-9507) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 前畑 さおり |
特許庁審判長 |
藤木 和雄 |
特許庁審判官 |
岩井 芳紀 江塚 尚弘 |
登録日 | 2003-10-10 |
登録番号 | 意匠登録第1191205号(D1191205) |
代理人 | 野口 賢照 |
代理人 | 斎下 和彦 |
代理人 | 小川 信一 |