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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 F5 |
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管理番号 | 1086582 |
審判番号 | 不服2002-19142 |
総通号数 | 48 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-12-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-10-02 |
確定日 | 2003-10-14 |
意匠に係る物品 | 視線誘導標用支柱材 |
事件の表示 | 意願2000- 20644「視線誘導標用支柱材」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願の意匠 本願は、平成12年7月27日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「視線誘導標用支柱材」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものである(別紙参照)。 すなわち、その形態は、構成各部を一体に形成して一定の断面形状で上下に連続する長尺のものであって、断面横直線状の広幅の基板正面側両端を内方に断面L字状に屈曲して、断面コの字状のパネル保持溝を一対形成すると共に、基板背面側中央に、断面L字状に突出し対向する一対のリブによるボルト係止溝を形成したものである。 2.原審の拒絶の理由 本願に対する原審の拒絶の理由は、要旨以下のとおりである。 本願の意匠は、板体の両端を略コの字状に形成したパネル保持具の背面にボルトを係止するためのリブを設けたものであるが、この種物品分野において、板体の両端を略コの字状に形成しパネルを保持させることは、本願出願前より極普通に行われているありふれた手法であり(例えば意匠1、2)、また、背面にボルトで係止するためのリブを設けることも、本願出願前より極普通に行われているところであって(例えば意匠3、4)、本願の意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当する。 3.請求人の主張 請求人の主張は、要旨以下のとおりである。 パネルを水平方向に調整自在にした意匠3及び意匠4から、本願の意匠の如き、高さ調整自在かつ適宜長さに切断して使用可能なように、突出溝をパネル保持溝と同じ方向とした形態を創作すること、及び、開口縁部について支持材に安定して支持させるために曲面状の傾斜面とした形態を創作することは、容易ではない。 したがって、本願の意匠は意匠法第3条第2項に該当することなく、意匠登録を受けることができるものである。 4.創作容易性の判断 そこで請求人の主張を踏まえ、本願の意匠の創作容易性について検討する。 原審は、拒絶の理由において、意匠3(実開昭59-58482号公報記載の意匠)及び意匠4(実開平7-3732号公報記載の意匠)のリブを例示して、背面にボルトで係止するためのリブを設けることはこの種物品分野において本願出願前より極普通に行われているところであると判断している。 しかしながら、本願の意匠は、願書に添付した使用状態を示す各図面によれば、反射体の保持枠材に係るものと認められるところ、意匠3及び意匠4は、本願の意匠とは異なる物品分野の「補強リブ材」に係り、リブによる係止手法自体の本願出願前における存在を示すに止まるものである。そして、本願の意匠に係る「反射体等の表示パネル保持枠材」の分野においては、本願の意匠のように、構成各部を一体に形成して一定の断面形状で上下に連続する長尺のものの基板背面側に、断面L字状に突出し対向する一対のリブによるボルト係止溝を形成した態様は広く知られたものあるいは公然知られたものとする他の証拠もない。してみると、本願の意匠のこの態様を創作容易なものとする理由がなく、本願の意匠は、この態様にさらにパネル保持溝の態様も組み合わせて全体のまとまりを形成したものであり、意匠全体として創作容易なものとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであって、本願の意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとはいえない。 したがって、本願の意匠は意匠法第3条第2項の規定に該当するとして本願を拒絶すべきものとした原査定は、当を得ないものであり、取消しを免れない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2003-09-18 |
出願番号 | 意願2000-20644(D2000-20644) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(F5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 井上 和之、永芳 太郎、温品 博康 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
渡邊 久美 伊藤 晴子 |
登録日 | 2003-11-14 |
登録番号 | 意匠登録第1194039号(D1194039) |