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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H4
管理番号 1096451 
審判番号 不服2003-22028
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-13 
確定日 2004-04-19 
意匠に係る物品 増幅器 
事件の表示 意願2002- 17107「増幅器」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願の意匠
本願は、平成14年(2002年)6月26日の意匠登録出願であって、その意匠(以下、「本願の意匠」という。)は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「増幅器」とし、その形態は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものである(別紙第一参照)。
第2 拒絶の理由
原審において、本願の意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当し、意匠登録を受けることができないものであるとして、次の理由を示して拒絶の理由を通知した。
すなわち、本願の意匠は、下記の引用文献1および2に見られるような前面パネルの形状に、引用文献3に見られるようなスイッチ部を単に組み合わせることにより、容易に創作できたものと認められる。
引用文献1(以下「引用意匠1」という。別紙第二参照)
特許庁意匠課が1995年6月30日に受け入れたカタログ「HMV HIS MASTER′S VOICE」(1995年1月31日発行)第14頁に所載の、写真版によって現されたハイファイ用アンプ(製品番号AX-V1-N)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HN07014821号)
引用文献2(以下「引用意匠2」という。別紙第二参照)
特許庁意匠課が2001年11月9日に受け入れたカタログ「Integra RESEARCH」第8頁に所載の、写真版によって現されたハイファイ用アンプ(製品番号RDA-7)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HN13022206号)
引用文献3(以下「引用意匠3」という。別紙第三参照)
許庁総合情報館が2000年6月9日に受け入れた内国図書「stereo」2000年6月1日発行の6号第6頁に所載の、写真版によって現されたハイファイ用アンプ(製品番号SM6100SA)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA12007001号)
第3 請求人の主張の要点
請求人は、本願の意匠が、意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないとして、要旨次のとおり主張した。
すなわち、本願の意匠は、操作者が操作する必要のある円形の電源ボタンについては、操作者が最も操作し易いフロントパネル部の最も前面側に突出した部分に配置し、かつ、操作者が操作する必要のない細長矩形状の透明部(インジケーター)については、操作者が操作し難いフロントパネル部の最も後面側に窪んだ部分に配置している。
この態様は、本願の意匠の要部に係るものであり、引用文献1および2に引用文献3を組み合わせたとしても得ることのできない態様であるので、公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて、容易に本願の意匠を創作することはできない。
第4 創作の容易性の判断
本願の意匠の創作容易性について検討すると、本願の意匠は、意匠に係る物品が増幅器であって、その形態は、以下のとおりのものである。
(1) 本願の意匠の形態
本願の意匠は、全体を、やや偏平な略直方体形状の筐体として、前面パネルについて、上下縁部をやや幅広な傾斜面状に面取りして、その余の中央部を側面視で弧状の凹曲面とし、前面パネルの中央に、インジケーターとボタンを配置した基本的な構成態様のものであり、各部の具体的な態様について、傾斜面の縦寸法を、下縁部は前面縦の略四分の一とし、上縁部は同略五分の一としており、上縁部より下縁部の方がやや幅広であって、インジケーターを細長矩形状として、凹曲面の略中央の奥まった位置に設け、ボタンを円形状として、インジケーターの下方であって下縁部の傾斜面と凹曲面とが形成する稜線部に設けたものとしている。
一方、引用の意匠の形態は、主として、本願の意匠と対比を要する部分についてみると、以下とおりのものである。
(2) 引用意匠1の形態
前面パネルについて、上下縁部を傾斜面状に面取りし、その余の中央を側面視弧状の凹曲面としているが、上下縁部の傾斜面は緩やかな弧状に膨出した曲面で形成し、上下が同幅で、それぞれ正面縦寸法の略五分の一としており、側面パネルについても、前面寄りの縁部を膨出曲面状に形成したものとしている。
(3) 引用意匠2の形態
前面パネルについて、上下縁部を傾斜面状に面取りし、その余の中央を側面視弧状の凹曲面としているが、上下縁部は、前面縦寸法の十分の一以下の幅の狭い傾斜面で、上縁部の方が下縁部よりやや幅が広いものとしており、中央の凹曲面は、5本の細い縦溝を等間隔に設け、左右側端の前面に、凹曲面状の板体を突設したものとしている。
(4) 引用意匠3の形態
平坦面状の前面パネルの左右中央に、小円形状のインジケーターと円形状ボタンを上下に設けている。
そうすると、まず、前面パネルの形状について、原審が前面パネルの形状として例示している引用意匠1及び2は、本願の意匠との対比において、形態について概念的な共通性はあるとしても、具体的な形態が相違している。すなわち、引用意匠1は、上下縁部の傾斜面の形状及び寸法構成比が本願の意匠と相違し、また、側面パネルの前面寄り縁部の膨出曲面の有無についても相違があり、引用意匠2は、上下縁部の寸法構成比、及び中央の凹曲面について細縦溝の有無、凹曲面状の板体の有無において本願の意匠と相違しており、この相違は、単に通常なされる変更の範囲内のものということはできない、具体的な形態の相違であって、引用意匠1及び2に基づいて、直ちに本願の意匠の前面パネルの形状を想到し得るとはいえず、容易に創作することができたものということはできない。また、当該物品分野において、本願の意匠の前面パネルの形状が、ありふれた形状、あるいは公知の形状であるとする他の例もない。
次に、インジケーターと円形ボタンの態様について、原審が例示した引用意匠3は、インジケーターとボタンを上下に配置しているものの、インジケータの形状が小円形状であって、本願の意匠と相違する。原審は、拒絶査定において、インジケーターの形状として細長矩形状のものを具体的に例示しつつ、広く知られたものであるとしているが、依然として、細長矩形状のインジケーターを円形ボタンと上下に組み合わせた態様、及び、円形ボタンを前面パネル内側の稜線部に設けた態様は認められず、また、この態様が、本願の出願前にありふれた態様、あるいは公知の態様であるとする他の例も見受けられないので、本願の意匠のインジケーターと円形ボタンの態様を容易に創作することができたものとすることはできない。
したがって、本願の意匠は、各部の具体的な態様、すなわち、前面パネルの形状、及び、インジケーターと円形ボタンの態様において、顕著な特徴を有するといわざるを得ないものであって、形態全体から観れば、引用意匠1ないし3に基づいて容易に創作することができたものとはいえない。
以上のとおりであって、本願の意匠は、本願の出願前に本願の意匠の属する分野における通常の知識を有する者が、日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて、容易に意匠の創作をすることができたものということはできない。
第5 むすび
本願の意匠は、意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないから、原査定の拒絶の理由によっては、拒絶すべきものとすることはできない。
また、本願の意匠について、他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2004-03-30 
出願番号 意願2002-17107(D2002-17107) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 川崎 芳孝奥家 勝治 
特許庁審判長 伊勢 孝俊
特許庁審判官 鍋田 和宣
永芳 太郎
登録日 2004-05-14 
登録番号 意匠登録第1209846号(D1209846) 
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