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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1098203 |
審判番号 | 不服2002-9448 |
総通号数 | 55 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-05-24 |
確定日 | 2004-05-19 |
意匠に係る物品 | コンデンサ |
事件の表示 | 意願2001- 26138「コンデンサ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願の意匠 本願の意匠は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成13年9月5日の意匠登録出願に係り、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「コンデンサ」とし、その形態を願書に添付した図面の記載のとおり、意匠登録を受けようとする部分を実線及び一点鎖線で表したものである(別紙第1参照)。 2.引用の意匠 原審において拒絶の理由として引用した意匠は、本願出願前の平成11年8月20日付けで特許庁が発行した意匠公報記載の意匠登録第1047115号の、意匠に係る物品を「コンデンサー」とする意匠における本願の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分であって、その形態は、当該公報に記載のとおりとしたものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の比較検討 (1)意匠に係る物品については、両意匠は、いずれも「コンデンサ」であるから、一致するものである。 (2)次に、本願の部分意匠に相当する部分が引用の意匠に認められ、本願の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分の機能、位置、大きさ及び範囲が引用の意匠と共通している。 両意匠の形態について、全体が略扁平長円柱体で上面に封口板、電極端子及び安全弁を設けたコンデンサの、下方より一回り大きい上方のかしめ部の約上半分部分で、封口板に設けた電極端子及び安全弁を除く部分において、同部分の形態は、両端部の平面視半円弧状部を除く相対する直線部分の細幅縁部上面側を、本願の意匠は、各々下方へ緩やかな弧状に窪ませているのに対し、引用の意匠は、水平状としている点の差異を除いてその余はほぼ共通している。 (3)そこで、前記差異点について検討すると、この差異は、相対する長辺の直線部分上面側の態様の差異であるが、当該部位は、上面側で最も看者の注意を引くところであり、本願の登録を受けようとする部分意匠の形態にあっては、大きな部分を占めているものであること、また、本願の意匠のような態様は、本願出願前にはみられない新規な態様で、本願の意匠の特徴といえるものであることから、看者にとって引用の意匠とは別異の印象を与えるものであり、両意匠の類否判断を左右する要素と認められる。 これに対し、その余の共通する態様、すなわち、平面視略扁平長円形で周縁に細幅の縁部を形成し、その内側の一段低い位置に封口板を設けた態様は、この種物品分野の意匠においては、例を挙げるまでもなく既に普通に見られるありふれた態様であるから、両意匠を特徴付けるところとはなり得ず、この共通する態様は、両意匠の類否を決定付けるものとすることができない。 以上のとおりであって、両意匠は、意匠に係る物品は一致しているが、その形態について、両意匠における共通点は、類否判断を決定付けるに至るものではなく、差異点は、両意匠の類否判断を左右する要素であるから、両意匠は、類似するものとは認めることができない。 4.むすび したがって、本願の意匠は、引用の意匠に類似するものではなく、意匠法第3条第1項第3号に該当しないものであるから、原査定の拒絶の理由によっては、本願の意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2004-04-22 |
出願番号 | 意願2001-26138(D2001-26138) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 奥家 勝治 |
特許庁審判長 |
藤 正明 |
特許庁審判官 |
内藤 弘樹 西本 幸男 |
登録日 | 2004-06-04 |
登録番号 | 意匠登録第1212086号(D1212086) |
代理人 | 日高 一樹 |
代理人 | 渡邉 知子 |