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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200335132 審決 意匠

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審決分類 審判 無効  2項容易に創作 無効とする D2
管理番号 1099789 
審判番号 無効2003-35133
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2004-08-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-04-10 
確定日 2004-06-16 
意匠に係る物品 収納ケース 
事件の表示 上記当事者間の登録第1087236号「収納ケース」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1087236号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1.請求人の申立及び理由
請求人は、登録第1087236号意匠(以下、「本件登録意匠」という。)の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める、と申し立て、その理由として、要旨以下のとおり主張し、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
本件登録意匠は、甲第1号証の1、甲第2号証の1、甲第3号証の1、甲第3号証の2、甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証及び甲第7号証に所載の公知意匠に基づいて当業者が容易に創作することができたものであり、意匠法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであり、意匠法第48条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
第2.被請求人の答弁及び理由
被請求人は、本件請求を棄却する、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、要旨以下のとおり主張した。
請求人の主張は、本件登録意匠の要部認定をせず、抽象的な共通性に基づくものであって、ことごとく根拠を欠く不当な主張である。各証拠に示された先行意匠と本件登録意匠を比較すると、類似とも創作容易ともいうべき理由は存在しない。したがって、本件登録意匠は無効事由を有さないものであり、本件審判請求は棄却されなければならない。
第3.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、意匠登録原簿、願書及び願書に添付の図面の記載によれば、平成11年2月2に意匠登録出願をし、平成12年8月4日に意匠権の設定の登録がなされた登録第1087236号意匠であり、意匠に係る物品を「収納ケース」とし、その形態を、願書及び願書に添付の図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。
2.当審の無効理由通知
本件について、当審は、要旨以下のとおりの無効理由を請求人及び被請求人に通知し、期間を指定して意見を申し立てる機会を与えた。
本件登録意匠は、「収納ケース」に係るものであり、その形態は、(1)ケース本体は、左右側面板、下面板及び後面板からなる、前面及び上面が開口した、正面視若干縦長長方形状で奥行きの深い四角枠状のケース本体単位体を3個積み重ね、最上段のケース本体単位体の上部に、四角板状の蓋をはめ込み、前面開口で3段構成の直方体状箱体として、各ケース本体単位体の前面開口周りにやや太幅の帯状縁を表したものとし、(2)ケース本体単位体前面開口と略同大の前面で上面開口の略直方体状箱体とした引き出しを、各ケース本体単位体に出し入れ自在に収納して、ケース本体単位体前面の帯状縁を引き出し前面周りに額縁状に表し、(3)ケース本体の左右側面及び後面を、蓋及び各ケース本体単位体が面一に嵌合した垂直面状とし、(4)ケース本体の上面を平坦面状とし、(5)ケース本体の稜部を、ほとんど直角状に表れるものとし、(6)各引き出し前面を、下部全幅に亘り引き手部を形成したものとし、引き手部は、前面パネル下方を全幅に亘り凹入させると共に、前面パネル下端裏側(凹入部上部)に全幅に亘り指掛け用の凹溝を形成して、正面視上下幅がやや太幅の帯状に凹入部が表れるものとし、前面パネルを、周縁を突条の縁取り状に残して内方全面を若干前傾斜面状の浅い凹陥面状に表したものである。
しかしながら、(1)ないし(3)のケース本体と引き出しの組み合わせ態様は、例えば、意匠登録第969631号公報に記載の「収納ケース」の意匠(以下、「引用の意匠1」という。)に見られるように、この種物品分野において本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる、ケース本体単位体を2個積み重ねた2段構成の態様を、単にケース本体単位体を1個増やして3段構成の態様としたものであって、ケース本体を3段構成の態様とすることは、この種物品分野においてありふれたことであり(意匠登録第969631号の類似第2号公報、甲第5号証等参照)、そして、(4)のケース本体の上面を平坦面状とすることは、物品分野を限らず四角箱状ケースの上面の造形処理の常套手段であって、この種物品分野においても例示するまでもなく従前から採用されているありふれた造形処理であり、(5)のケース本体の稜部をほとんど直角状に表れるものとすることも、物品分野を限らず四角箱状ケースの稜部の造形処理の常套手段であって、この種物品分野においても従前から採用されているありふれた造形処理であり(甲第3号証の1、甲第3号証の2等参照)、(6)の各引き出し前面の態様は、例えば、意匠登録第763951号公報に記載の「衣服整理箱」の意匠(以下、「引用の意匠2」という。)に見られるように、この種物品分野において本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる態様である。
以上の点を総合して判断すると、本件登録意匠は、収納ケースの形態につき、本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる、ケース本体単位体の具体的な個数を除き(1)ないし(3)のケース本体と引き出しの組み合わせ態様を備えた引用の意匠1の収納ケースの形態に対して、単にありふれた3段構成の態様に改変し、各引き出しにつき、前面の態様を、単に本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる引用の意匠2の引き出し前面の態様と同様の態様に改変し、その他に、ケース本体につき、単にありふれた造形処理により改変して、上面の態様を平坦面状とすると共に、稜部の態様をほとんど直角状に表れるものとした程度に過ぎないものであって、当業者であってみれば、これらの態様を組み合わせることについて格別の創意を要さず、容易に想到できるものである。
したがって、本件登録意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり、意匠法第3条第2項の規定に該当し、本件意匠登録は、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるので同法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきである。
3.当審の無効理由通知に対する請求人及び被請求人の主張
当審の無効理由通知に対し、請求人は、意見書を提出し、本件無効理由通知書に記載の無効認定は極めて正当である旨主張し、一方、被請求人は、意見書を提出し、要旨以下のとおり主張し、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(A)意匠法第3条第2項の審査基準を参照すると、全体の造形を変更することが「創作容易」であるとはされていない。「置き換え」「寄せ集め」に過ぎないものとして例示されている事例は、いずれも全体の造形として渾然一体となった部分ではなく、「部位」としての独立性が極めて高いもののみである。具体的には、審査基準の置き換えの意匠における事例1ないし事例4は、置き換える部分は、独立した部品であって、かつ意匠としてもその部分のみが独立して観察されるものであり、審査基準の寄せ集めの意匠における事例1も同様であり、事例3も寄せ集める部分は別の物品(部品)であってその独立性は高い。
本件登録意匠における「引き出しの態様」「上面の態様」「稜部の態様」はいずれも全体の態様と渾然一体となったものであり、独立性の希薄な部位である。上記のとおり、審査基準で例示されている事例はいずれも独立性の高い部位の態様の置き換え、組み合わせに係るものであり、本件登録意匠に適用されるものではない。審査基準に照らせば、本件登録意匠は3条2項に該当しないものである。
意匠の創作は、デザインコンセプトを決定した後、このデザインコンセプトをいかに造形として顕現化するかという作業に移ることになる。このとき、公知の意匠を参照することはあるとしても、それを策定されたコンセプトに基づいて意匠全体としてまとまりをもったものとするために再構築する。けっしてそのまま移植することはないし、そのまま移植することは不可能である。審査基準は、このことをよく理解して作成されている。独立性の高い部分、すなわち「全体としてのまとまりに影響が少ない部分」の置き換えなどのみを「創作容易」としている。無効理由通知における本件登録意匠と公知意匠との関係のように、全体の態様と渾然一体となった各部分を抜き出して個別に公知意匠と対比する手法は、審査基準の考えるところではない。
引用の意匠1に引用の意匠2の引き出しをはめ込んだらどうか。審査基準が示しているのは高々ここまでである。しかし、本件登録意匠にはならない。上面の縁部のR処理は残る。そして、R処理か直角処理かにより印象は全く異なるのである。無効理由に示された見解は、審査基準を逸脱したものであり、意匠の創作を理解しないものというほかない。
(B)さらに、無効理由において「常套手段」と認定されている、上面を平坦とした点、左右側面を垂直とし、稜部を直角状とした点は、以下の理由により、「この種物品に係る常套手段」ではない。
本件登録意匠は、合成樹脂成形品であり、この種物品分野、すなわち合成樹脂成形品としてデザインされるこの種のケース(「合成樹脂成形ケース」)においては、以下の理由から上面を平坦とすることは避けられていた。
第1に、本体ケースの剛性を高める必要から、ケースの上面には凹凸を形成して剛性を得るのが通常である。しかるに、本件登録意匠は、裏面に複数の凸条を形成することにより係る課題を解決しており、そして、この種の意匠において「表面を平坦とし、裏面に凸条を設けた」造形は存在しない。
第2に、ケースの上面は、ケースを複数段積み重ねたときの安定性を確保する必要から、上面に溝を設け、この溝に床板の凸部が嵌るようにするのが通常の造形である。しかるに、本件登録意匠は、最上段のものにのみ蓋を嵌めるという手法を採用することにより、スタッキング目的の溝を不要としたものである。
また、左右側面を垂直とし、稜部を直角状とした点については、本件登録意匠のような合成樹脂成形品のデザインにおいては、型との関係が重視され、金型が製作しやすく、成形性がよくなければならない。その点からは、稜部のRが大きい方が、金型の製作が容易であり、また、原料樹脂の流れもよく、成形が容易である。この観点からは、本件登録意匠のように「稜部を直角とし、側面を上下に亘り垂直とする」ことは従来の常識に反するものであり、「シンプルな形状に仕上げる」という積極的かつ強固な意志が必要であり、「常套手段」で造形できるものではない。
このような事情を前提とするならば、「物品の分野を問わず常套手段である」という認定は、本件物品については当てはまらないものというべきである。
以上の次第であるから、たとえ無効理由に示された公知意匠が存在するとしても、本件登録意匠は当該公知意匠とは異なるコンセプトに基づいて造形されたものであり、公知意匠を組み合わせれば本件登録意匠が造形できるということはできない。
よって、本件登録意匠は登録を維持されるべきものである。
4.被請求人の主張に対する検討
(A)の主張について
被請求人は、意匠法第3条第2項の審査基準における「置き換え」「寄せ集め」に過ぎないものとして例示されている事例は、いずれも全体の造形として渾然一体となった部分ではなく、「部位」としての独立性が極めて高いもののみであり、無効理由通知における本件登録意匠と公知意匠との関係のように、全体の態様と渾然一体となった各部分を抜き出して個別に公知意匠と対比する手法は、意匠審査基準の考えるところではなく、意匠審査基準に照らせば、本件登録意匠は意匠法第3条第2項に該当しないものであり、無効理由に示された見解は、意匠審査基準を逸脱したものである旨主張する。
確かに、意匠審査基準における意匠法第3条第2項についての「置き換え」「寄せ集め」に過ぎないものの具体的な事例の大半において、置き換える部分あるいは寄せ集める部分は独立した部品であり、一方で、無効理由通知において「本件登録意匠は、収納ケースの形態につき、本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる、ケース本体単位体の具体的な個数を除き(1)ないし(3)のケース本体と引き出しの組み合わせ態様を備えた引用の意匠1の収納ケースの形態に対して、単にありふれた3段構成の態様に改変し、各引き出しにつき、前面の態様を、単に本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる引用の意匠2の引き出し前面の態様と同様の態様に改変し、その他に、ケース本体につき、単にありふれた造形処理により改変して、上面の態様を平坦面状とすると共に、稜部の態様をほとんど直角状に表れるものとした程度に過ぎないものであって、当業者であってみれば、これらの態様を組み合わせることについて格別の創意を要さず、容易に想到できるものである。」と判断し、改変の対象とした部分は、「引き出しの前面部」、「ケース本体の上面部」、及び、「ケース本体の稜部」であり、これらの部分は、いずれも独立した部品ではなく、全体形態の一部分である。そして、この点と被請求人の主張によれば、被請求人は、置き換える部分あるいは寄せ集める部分が独立した部品であるときは、その部分を独立性の高い部位であると考え、改変する部分が独立した部品ではなく、全体形態の一部分であるときは、その部分を全体の態様と渾然一体となったものであり、独立性の希薄な部位であると考えているものと解される。
しかしながら、意匠審査基準で示す具体的な事例は代表的な参考事例であって、全ての事例を示すものではなく、意匠審査基準の「置き換え」「寄せ集め」に過ぎないものの具体的な事例の大半において、置き換える部分あるいは寄せ集める部分は独立した部品であるからといって、そのことから直ちに、置き換える部分あるいは寄せ集める部分は独立した部品(独立性の高い部位)であらねばならないと意匠審査基準は定めている、とまではいえない。
そして、そもそも、意匠審査基準は、特許庁における意匠登録出願審査事務の便宜と統一のために定められた内規に過ぎず、法規としての効力を有するものではないのみならず、意匠法第3条第2項に定める創作容易性の判断において、置き換える部分あるいは寄せ集める部分は意匠審査基準の事例に示されたもののように独立した部品(独立性の高い部位)であることが前提となると解すべき根拠はないから、上記被請求人の主張は採用することができない。
また、無効理由通知において改変の対象とした、「引き出しの前面部」、「ケース本体の上面部」、及び、「ケース本体の稜部」は、独立した部品ではないものの、全体形態を構成する他の構成部位とは区別して把握可能な構成部位(単位)であり、全体形態の創作に際しては、これらの各部位にも着目して、ときには公然知られた態様(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)等を参考にする中で、各部位の具体的な態様を個別に検討しつつ、全体形態を具現化していくものであり、このような意匠の創作過程において、公然知られた意匠に対して、構成部位が単に公然知られた態様に改変されたもの、あるいは、単にありふれた造形処理により改変されたものであって、当業者がこれらの態様を組み合わせることについて格別の創意を要さず、容易に想到できるものであれば、その意匠は、容易に創作できたものといえ、意匠法第3条第2項の規定に該当する。
(B)の主張について
被請求人は、本件登録意匠は合成樹脂成形品であり、この種物品分野、すなわち「合成樹脂成形ケース」において、ケース本体の上面を平坦とした点、ケース本体の稜部を直角状とした点は、「この種物品に係る常套手段」ではなく、「物品分野を問わず常套手段である」という認定は本件物品については当てはまらない旨主張する。
しかしながら、本件登録意匠は、「収納ケース」に係るものであって、ケース本体を直方体状箱体としたものであるところ、四角箱状ケースはこの種収納ケースの分野に限らず広く採用されているものであることを考慮すると、本件登録意匠の創作容易性の判断において、この種収納ケースの分野に限らず四角箱状ケースにおける造形処理の手法を参酌することは当然である。
そして、ケース本体の上面を平坦面状とすることは、四角箱状ケースの上面の造形処理の常套手段であるところ、この種収納ケースの分野においても例示するまでもなく従前から採用されているありふれた造形処理であり(例えば、合成樹脂成形のものについても、意匠登録第896711号類似第4号公報参照)、この造形処理の手法を「合成樹脂成形ケース」の形態創作において採用することに格別の創作性があり創作困難であるとはいい難く、被請求人が主張するように、剛性、積み重ねたときの安定性等の確保の要請に応えて「合成樹脂成形ケース」の上面には凹凸を形成するのが通常であるとしても、形態創作の場において上面に凹凸を形成するか否かは適宜選択可能な中でのことであり、このことが上面を平坦面状とする意匠の創作を困難にしているとまではいえない。結局、本件登録意匠は、ケース本体の上面につき、引用の意匠1(別紙第2参照)におけるケース本体の上面の態様、すなわち、上面四周に四角枠状の凸条を形成し、内方全面を平坦面状とした態様を、単にありふれた造形処理により改変して、上面全面を平坦面状とした程度のものであり、その改変は、いうならば上面四周に四角枠状の凸条を形成するか否かという域を出ない僅かなものであって、該上面の態様に評価すべき格別の創作性を認めることはできない。
また、ケース本体の稜部をほとんど直角状に表れるものとすることも、四角箱状ケースの稜部の造形処理の常套手段であるところ、この種収納ケースの分野においても従前から採用されているありふれた造形処理であり(無効理由通知において例示した甲第3号証のものは合成樹脂成形のものである。)、この造形処理の手法を「合成樹脂成形ケース」の形態創作において採用することに格別の創作性があり創作困難であるとはいい難く、被請求人が主張するように、「合成樹脂成形ケース」の稜部のRは成形性等に関係するとしても、本件登録意匠は、ケース本体の稜部につき、引用の意匠1におけるケース本体の稜部の態様、すなわち、Rを形成した態様を、単にありふれた造形処理により改変して、Rの程度を極小さくし、ほとんど直角状に表れるものとした程度のものであって、その改変は、適宜Rの大きさを種々変化させるという域を出ない僅かなものであって、該稜部の態様に格別の創作性は認められない。
以上のとおり、被請求人の主張を検討するに、本件登録意匠の創作を困難とする理由がなく、本件登録意匠は、本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる引用の意匠1に見られる骨格形態をそのまま踏襲して、単にありふれた3段構成の態様に改変し、各引き出しにつき、前面の態様を、単に本件登録意匠の出願前に公然知られたものと認められる引用の意匠2(別紙第3参照)の引き出し前面の態様と同様の態様に改変し、その他に、ケース本体につき、単にありふれた造形処理により改変して、上面の態様を平坦面状とすると共に、稜部の態様をほとんど直角状に表れるものとした程度に過ぎないものであって、当業者であってみれば、これらの態様を組み合わせることについて格別の創意を要さず、容易に想到できるものとせざるを得ない。
5.結び
以上のとおりであって、無効理由通知で通知した理由のとおり、本件登録意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり、意匠法第3条第2項の規定に該当し、本件意匠登録は、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるので同法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2003-10-20 
結審通知日 2003-10-23 
審決日 2003-11-06 
出願番号 意願平11-2436 
審決分類 D 1 11・ 121- Z (D2)
最終処分 成立  
特許庁審判長 遠藤 京子
特許庁審判官 伊藤 晴子
渡邊 久美
登録日 2000-08-04 
登録番号 意匠登録第1087236号(D1087236) 
代理人 峯 唯夫 
代理人 黒田 勇治 
代理人 石川 悌二 

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