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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 L3 |
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管理番号 | 1102939 |
審判番号 | 不服2002-24625 |
総通号数 | 58 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-12-20 |
確定日 | 2004-08-04 |
意匠に係る物品 | 天幕 |
事件の表示 | 意願2000- 26571「天幕」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本件審判請求に係る意匠登録願は、願書および願書に添付した図面の記載によれば、2000年9月22日の意匠法第4条第2項の適用を受けようとする出願であって、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「天幕」とし、その形態は別紙第1に示すとおりとしたものである。(別紙第1参照) 2.原審の拒絶理由 天幕の分野において、天幕の側壁に横幕を設けること(意匠1)、横に張り出すような庇を設けることは、本願出願前よりごく普通に行われているありふれた手法であり、この意匠登録出願の意匠は、その出願前に公然知られた日よけテントの意匠(意匠2)の両側部に、略長方形状の横幕を庇兼用として設けた程度に過ぎないものであり、容易に創作できたものと認められるから、意匠法第3条第2項の規定に該当し、拒絶すべきものとした。(意匠1および意匠2は別紙第2参照) 3.審判請求理由の要旨 屋根部の下部に屋根シートと一体に横幕を設けることは、本願意匠の属する分野では全く行われていない新規な手法であり、横幕の形態を本願意匠のようにすることが公然知られていたとすることはできず、本願意匠の横幕の形態を当業者が容易に創作できたとは言えない。 4.当審の判断 本願意匠は、意匠に係る物品を「天幕」とし、その形態は、全体が所謂方形造(ほうぎょうづくり)状であって、骨組の構成を、細い棒材により、四隅に支柱を立ててそれぞれ支柱の上端から上方中央の頂点に向かう支持部を設けて屋根部を支える態様とし、シート材により、屋根部の上面を略四角錐状に覆い、その四方下端の下側を支柱に沿って側面上端寄りまで覆って形成し、さらに、左右両側面の上端寄りから下方にそれぞれ横長四角形状に延長して横幕を設け、これら横幕の前記側面上端寄りから下方を外側に開くことを可能とした態様のものである。 そこで、原審が公然知られた形状として示した各意匠について検討すると、意匠1および意匠2は、いずれも全体が方形造り状のものであるが、意匠1については、左右両側面の上端寄りから下方約半分を解放し、その下方に屋根部のシート材とは分離した横幕を設けている。また、背面の略全面を横幕で覆っているものの、本願意匠のように側面上端寄りから下方を外側に開くことを可能とした態様か否かは不明である。そして、骨組の構成態様についても、引用意匠2のものは、4本の支柱の中央に支持部を設けて屋根の頂点を支えている点が認められるから、本願意匠とは具体的な構成態様が異なるものである。 そうしてみると、全体が方形造状であって、シート材により、屋根部の上面を略四角錐状に覆い、その四方下端の下側を支柱に沿って側面上端寄りまで覆って形成した態様については、すでに公然知られた形態と言えるが、本願意匠の側面上端寄りから下方の具体的な構成態様については、前記意匠1および意匠2に基づいて容易に創作できたとは言い難い。 したがって、本願意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとは言えない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願意匠は、意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであり、原審の拒絶査定は、違法になされたものと言わざるを得ず取り消しを免れない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2004-07-15 |
出願番号 | 意願2000-26571(D2000-26571) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(L3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小柳 崇、早川 治子 |
特許庁審判長 |
伊勢 孝俊 |
特許庁審判官 |
小林 裕和 鍋田 和宣 |
登録日 | 2004-09-10 |
登録番号 | 意匠登録第1220987号(D1220987) |
代理人 | 竹内 裕 |