• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2
管理番号 1111294 
審判番号 不服2003-11755
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2005-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-06-25 
確定日 2005-01-31 
意匠に係る物品 自動車用フロントバンパ- 
事件の表示 意願2001-36597「自動車用フロントバンパ-」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1.本願意匠
本願意匠は、平成13年12月12日の部分意匠の意匠登録出願に係り、意匠に係る物品が「自動車用フロントバンパー」、意匠に係る形態が願書添付図面の実線で表れた部分に示されるとおりのものである。(別紙第1参照)
第2.引用意匠
本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由(意匠法第3条第1項第3号)に引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、本願の出願前の平成13年11月12日に発行された意匠公報に記載された登録第1126061号意匠の本願意匠に対応する部分の意匠であり、意匠に係る物品が「自動車用フロントバンパー」、その形態が同公報に示されるとおりのものである。(別紙第2参照)
第3.本願意匠と引用意匠の比較
本願意匠と引用意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通のものであり、その形態については、主として、以下の共通点と差異点があるものと認められる。
先ず、共通点を摘示すると、(1)全体が、上方視前方膨らみの緩やかな弧を描く横長のパネルの左右端寄り部位を後方に強く屈曲させて本体部とし、その本体部正面下半部の左右方向中央部分に、略横長方形状の空気取り入れ口を設け、その中央の空気取り入れ口の左右に、ステーを介して略方形状の空気取り入れ口を設け、本体部の正面上端部に、対称状の2本の角状部から成るラジエータグリル設置部を突設した基本的な構成態様のものである点が認められる。
各部の具体的な態様については、(2)本体部の上方及び下方部分と下端沿い部分について、本体部の上端寄り部位を境に、その上方部分を後上方に向かう湾曲状とし、下方部分を僅かに後下方に下がる長い斜面状とし、下端沿い部分を前下がりの斜面状としている点、(3)ラジエータグリル設置部は、その2本の角状部が正面から見て斜上方外側に向かい、側方から見て斜め上後方に向かう斜面状であり、その角状部の内側の輪郭は、略扁平V字状の斜辺を中間部位で内側に折り曲げて、そのV字状の下端頂角部位を本体部に僅かに食い込んだものとした点、(4)本体部上端寄りの境部分に略全幅にわたって水平線状部が現れている点、(5)中央の空気取り入れ口について、左右辺を外側膨らみの弧状線とした略扁平角丸逆台形状である点、(6)左右の空気取り入れ口について、内側の斜辺を僅かに外側に倒し、外側の斜辺を大きく外側に倒した略角丸逆台形状とした点、(7)本体部の左右端部について、後上方に向かって曲がる凹弧状を成している点が認められる。
次いで、差異点を摘示すると、(イ)本願意匠は、ラジエータグリル設置部の角状部基部から外方に向かって稜線が現れているのに対して、引用意匠は、稜線は現れず曲面状である点、(ロ)本体部の水平線状部について、本願意匠は、僅かに上下幅のある溝状であるのに対して、引用意匠は、単なる線状であり、左右端寄り部において僅かに上下幅を持たせている点、(ハ)中央の空気取り入れ口と左右の空気取り入れ口について、本願意匠は、両者の上辺部が略水平な一線状であるのに対して、引用意匠は、中央の空気取り入れ口の上下幅が長いことによりその上辺部が高い位置にあり、左右の空気取り入れ口の上辺が一段低い位置にある点、(ニ)ステーについて、引用意匠は、本体部の正面と連続する面一状であるのに対して、本願意匠は、本体部正面とは面一ではなく、上下両部に段差を形成してその前面よりも奥まったものとし、そのステーの外側が内側より奥まるように正面に対して斜め状としている点、(ホ)本体部の下方部分と下端沿い部分の境の屈曲部について、引用意匠はステーを含めて全幅に掛けて明確に屈折線があらわれているのに対して、本願意匠は、緩やかな凹曲面状を成し、屈折線が現れていない点、(へ)引用意匠は、本体部左右端寄り上辺部に三角状の突出部があるが、本願意匠にはこれがない点、(ト)本願意匠は、本体部左右端に沿って二重の弧状線が現されているが、引用意匠にはこれがない点が認められる。
第4.共通点及び差異点が両意匠の類否に及ぼす影響の検討
両意匠の共通点及び差異点が、両意匠の類否に及ぼす影響について、以下に検討する。
先ず、共通点について、(1)の点は、全体の基本的な構成態様であって、両意匠に係る形態全体の基調の共通感をもたらすものであり、類否に及ぼす影響がないとはいえないが、この態様自体が自動車のフロントバンパーとして過去に多数の公知事例が見られる態様であることを考慮すると、この点が決定的な影響をもたらすとまではいえないものであり、(2)乃至(7)の点は、周知或いは公知の態様であって、それらを纏めても、ありふれた手法による態様の域を出ないもので、両意匠の特徴点といえるものではなく、その影響は小さいものである。
次いで、差異点について、(イ)の点については、本願意匠のその態様は、さほど大きな部分ではないが、本願意匠のシャープな感じを強調している点で、類否に影響をもたらしており、(ハ)及び(ニ)の点は、注視される部分の態様の大きな差異感をもたらすもので、本願意匠の特徴点を形成しており、その影響は大きく、(ホ)の点は、本体部の下半部分の面構成の大きな相違感を感得させるものであり、その影響は大きく、また、(ロ)の点は、僅かの違いに過ぎず、その影響は小さく、(へ)及び(ト)の点は、確かに差異点ではあるが、さほど注意を惹くものではなく、その影響は、小さいものである。
そうすると、共通点の(1)乃至(7)は、これらが纏まったとしても、その及ぼす影響は小さいものであるのに対して、差異点は、(イ)、(ハ)乃至(ホ)が纏まることによって大きな影響を及ぼすものであり、その余の(ロ)、(へ)及び(ト)の差異点と相俟って、全体の類否に及ぼす影響は、大きいものである。
第5.本願意匠と引用意匠の類否
両意匠は、意匠に係る物品が共通するが、意匠に係る形態については、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕するものであるから、意匠全体として観ると、両意匠は、類似するとはいえない。
第6.結び
本願は、原査定の拒絶理由によっては、拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2005-01-18 
出願番号 意願2001-36597(D2001-36597) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 富永 亘 
特許庁審判長 伊勢 孝俊
特許庁審判官 鍋田 和宣
小林 裕和
登録日 2005-02-10 
登録番号 意匠登録第1234446号(D1234446) 
代理人 植木 久一 
代理人 小谷 悦司 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ