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審決分類 審判    F4
管理番号 1113156 
審判番号 無効2004-88021
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2005-04-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-08-31 
確定日 2005-02-28 
意匠に係る物品 包装用瓶 
事件の表示 上記当事者間の登録第1200200号「包装用瓶」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1200200号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1.請求人の申立及び理由
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由として、要旨以下の主張をし、立証として、甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
登録第1200200号意匠(以下、「本件登録意匠」という。)は、その出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったウェブページである甲第1号証の1および甲第1号証の2に記載された意匠に類似し、意匠法第3条第1項第3号に該当する。またこの形状等に基づいて、いわゆる当業者が容易に意匠の創作をすることができたものであり、意匠法第3条第2項の規定に該当する。
従ってその登録は、意匠法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきである。

第2.被請求人の答弁
当審では、請求書の副本を被請求人に送達し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人からの答弁書の提出はなされなかった。

第3.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、平成13年3月13日に意匠登録出願をし、平成16年2月6日に意匠権の設定の登録がなされたものであり、意匠に係る物品を「包装用瓶」とし、形態を、願書に添付した図面に記載されたとおりとするものである(別紙第一参照)。
2.甲号意匠
請求人が提出した甲第1号証の1は、キッコーマン株式会社ホームページの「ニュースリリース」ページの「1999年7月 News Release No.99025」とするページの写しと認められるもので、当該ページに、「おでんつゆ」、「よせ鍋つゆ」と表示された2つの包装用瓶が掲載されていたことが認められるものである。
そしてこの2つの包装用瓶は、少なくとも本件登録意匠の出願前である1999年(平成11年)7月頃には、電気通信回線を通じて公開され、公衆に利用可能となった意匠と認められるので、当審ではこの包装用瓶(蓋、及びフィルムを除く)を甲号意匠として、以下検討する(別紙第二参照)。
3.本件登録意匠と甲号意匠の対比
本件登録意匠と甲号意匠とを対比するに、両意匠は意匠に係る物品が共通し、形態について、以下の共通点と差異点が認められる。
まず共通点として、(1)全体が上から口部、肩部、及び胴部からなる、上面視が真円状と認められる縦長の瓶体であって、肩部を丸面状とし、胴部について、その中央やや上寄りを中心として広い範囲にわたり、緩やかな括れ(くびれ)が形成されたものである点、各部の具体的な態様について、(2)口部は、ねじ山を有する短円筒状のもので、下端に短い首状部を設け、首状部の下端を小さな凹弧状としている点、(3)肩部は、首状部下端の凹弧がそのまま自然に反転して、全体が大きな丸面状をなすものである点、(4)胴部は、瓶全体の高さの下寄り大略2/3を占めるもので、肩部の丸面をそのまま自然に下方に延ばす態様で漸次縮径し、中央やや上位置を括れの最細部分として、その下方で再度漸次拡径して、その先を僅かに凸弧状に反転させて胴部下寄りの周面と自然に連続させたもので、括れの全体を浅い凹湾曲状とし、肩部の径と胴部下寄りの径を同径とし、胴部下端を小さな丸面状に窄めている点、が共通する。
一方両意匠には差異点として、(イ)括れの下方の拡径部分に関する態様について、甲号意匠は、括れが胴部の上寄り略2/3のあたりで止まり、その下方の胴部周面は、ほぼ鉛直面状(下端を除く)であるのに対し、本件登録意匠は、括れの下端がこれより低く、胴部の下端近くまで僅かずつ拡径している点、(ロ)口径に対する胴部径につき、本件登録意匠は径比が約2.5倍であるのに対し甲号意匠は約3倍で、甲号意匠の胴部が相対的に太いものである点、が主として認められる。
そこで両意匠の共通点と差異点を全体として検討するに、両意匠の共通点は形態全体に及ぶところを構成し、その特徴をよく表すところである。とりわけ、肩部を大きな丸面状とし、その直下から、胴部中央やや上寄りを中心とする広い範囲にわたり、浅く緩やかな凹湾弧状の括れを形成し、括れの下方で緩やかに反転させて胴部下寄りの周面と自然に連続する態様で表した点は、両意匠の特徴をよく表すところであり、両意匠の共通点は一体となって、両意匠の全体の基調を形成している。従ってこれら共通点は、両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものである。
一方差異点につき、(イ)の点は、甲号意匠が本件登録意匠に対し、やや腰高の印象を与えるものであるが、本件登録意匠についても、甲号意匠の鉛直面状部分に相当する胴部下寄り略1/3の部分の拡径の度合は僅かで、また該部が、括れの凹湾弧状に対し、僅かに凸弧状に反転して胴部の下寄りの周面と自然に連続している点では共通しており、両意匠とも括れが浅いものであることも関連してその差がさほど目立たず、全体としては、肩部直下から胴部の広い範囲にわたり、緩やかな括れを形成した共通性の中でみられる差異というべきで、全体としては微弱な差異に止まる。また(ロ)の点についても、その比率差がさほど大きなものでなく、類否判断に及ぼす影響は微弱である。
そうして両意匠の差異の相関連する効果を考慮しても、両意匠の差異は、両意匠に共通する全体の基調を覆し、別異の意匠を形成するまでには至っておらず、両意匠は全体として類似するものである。
4.むすび
以上のとおりであって、本件登録意匠は甲号意匠に類似し、そして甲号意匠は本件登録意匠の出願前に電気通信回線を通じて利用可能となった意匠と認められるから、本件登録意匠は、意匠法第3条第1項第3号の意匠に該当するにもかかわらず意匠登録を受けたものであって、その登録を無効とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審理終結日 2004-12-22 
結審通知日 2005-01-04 
審決日 2005-01-18 
出願番号 意願2001-6431(D2001-6431) 
審決分類 D 1 113・ 113- Z (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 本田 憲一永芳 太郎 
特許庁審判長 森 則雄
特許庁審判官 市村 節子
伊藤 敦
登録日 2004-02-06 
登録番号 意匠登録第1200200号(D1200200) 
代理人 川端 佳代子 
代理人 神戸 真 
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