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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1127429 |
審判番号 | 不服2003-15518 |
総通号数 | 73 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2006-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-08-11 |
確定日 | 2005-11-21 |
意匠に係る物品 | 乗用自動車 |
事件の表示 | 意願2002-2368「乗用自動車」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1.本願意匠 本願は、平成14年(2002)2月1日の部分意匠に係る意匠登録出願であって、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「乗用自動車」とし、その形態は、願書の記載及び願書添付図面に表されたとおりであり、意匠登録を受けようとする部分を実線で表したものである。(本件審決に添付の別掲第1参照) 第2.引用意匠 原審において、拒絶の理由として引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、特許庁意匠課が2000年1月7日に受け入れたカタログ、「EVOLUTION TOTAL SYSTEM Y2K」第15頁所載の、写真版によって現された乗用自動車の当該部分の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC12009613号)であって、形態は、同カタログのとおりである。(本件審決に添付の別掲第2参照) 第3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、本願意匠の「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能、位置、大きさ、範囲と、引用意匠のその部分が共通し、形態については、全体の基本的構成態様が共通し、各部の具体的態様においても、一部共通している点があるが、一方、各部の具体的態様のうち、主として、 以下に示す差異点がある。 すなわち、両意匠は、(1)グリル部について、本願意匠は、その頂角を鋭く形成して略逆五角形状を呈するものとしているのに対し、引用意匠は、その頂角を緩く形成して略逆台形状を呈するものとしている点、(2)ヘッドランプ部について、本願意匠は、その上縁を外側斜め上方へ上昇状に形成して略平行四辺形状を呈するものとしているのに対し、引用意匠は、その上縁を外側斜め下方へ下降状に形成して略楔形状を呈するものとしている点、(3)エアーインテークについて、本願意匠は、その下縁を下方へ突弧状に形成すると共に、両端の小区画に横桟を設けているのに対し、引用意匠は、その下縁を水平状に形成すると共に、両端の小区画にフォグランプを設けている点、(4)ボンネットについて、本願意匠は、グリル部を一体に形成すると共に、バンパー上縁まで及ぶ屈曲板状のものとしているのに対し、引用意匠は、グリルと別体に形成すると共に、グリル上縁までの平板状のものとしている点、に差異がある。 第4.両意匠の類否判断 両意匠の共通点及び差異点を総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し判断する。 先ず、両意匠に共通するとした全体の基本的構成態様、並びに、両意匠に共通するとした各部の具体的態様の一部については、この種物品の属する分野において、他にも見受けられる態様であり、格別看者の注意を引くものとはいい難いから、類否判断に及ぼす影響は微弱にすぎず、さらに、それらの共通点を纏めても、格別の共通感を奏するとはいい難いものであって、類否判断に及ぼす影響がなお微弱の域を超えないといわざるを得ない。 次に、差異点とした(1)グリル部については、本願意匠が略逆五角形状を呈し、引用意匠が略逆台形状を呈している点、並びに、(2)ヘッドランプ部についても、本願意匠が略平行四辺形状を呈し、引用意匠が略楔形状を呈している点で、形態上の構成要素を成すところの主形状が異なるものであって、看者に別異の印象を与えるものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 (3)エアーインテークについては、本願意匠が下縁を突弧状に形成すると共に両端に横桟を設け、引用意匠が下縁を水平状に形成すると共に両端にフォグランプを設けている点で、形態上の構成要素を成すところの主形状、及び、その性質が異なるものであって、看者に別異の印象を与えるものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 (4)ボンネットについては、本願意匠がグリルを一体に形成すると共に、バンパー上縁まで及ぶ屈曲板状のものとし、引用意匠がグリルと別体に形成すると共に、グリル上縁までの平板状のものとしている点で、形態上の構成要素を成すところの主形状、及び、その造形が異なるものであって、看者に別異の印象を与えるものであるから、類否判断に影響を及ぼすといわざるを得ない。 そうすると、前記の各部の具体的態様の(1)ないし(4)の差異点は、何れも、両意匠に共通するとした態様を翻す程の印象を看者に与えるものであり、それらの差異点が相俟って、両意匠の醸し出す形態全体の印象を異にする程の差異感を奏するものであるから、類否判断に大きな影響を及ぼすといわざるを得ない。 したがって、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、並びに、本願意匠の「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能、位置、大きさ、範囲も、引用意匠のその部分と共通するが、形態においては、両意匠の差異感は共通感を凌駕するものであり、類否判断を左右するという外ないから、意匠全体として観察すると、本願意匠は、引用意匠に類似するとはいえない。 第5.むすび 本願は、原査定の拒絶理由によっては、拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願について拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2005-11-09 |
出願番号 | 意願2002-2368(D2002-2368) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 樫本 光司 |
特許庁審判長 |
伊勢 孝俊 |
特許庁審判官 |
小林 裕和 鍋田 和宣 |
登録日 | 2005-12-02 |
登録番号 | 意匠登録第1260814号(D1260814) |
代理人 | 植木 久一 |
代理人 | 小谷 悦司 |