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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 F2 |
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管理番号 | 1130912 |
審判番号 | 不服2005-9093 |
総通号数 | 75 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2006-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-05-13 |
確定日 | 2006-01-30 |
意匠に係る物品 | スタンプ |
事件の表示 | 意願2004- 2718「スタンプ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成16年2月3日の出願であって、その意匠は、願書及び願書添付の図面によれば、意匠に係る物品を「スタンプ」とし、その形状は同図面記載のとおりであって、一点鎖線で境界を表し、実線で記載した部分を、意匠登録を受けようとする部分としたものである。 そして、本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討すると、下記のとおり、その拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 記 (1)本願は原審において、「本願意匠は、回転レバー部の側面に矢印型の凹部を有するスタンプであり、当該矢印型の形状について、一点鎖線を境界に、物品の部分として意匠登録を受けようとする出願と認められますが、本願意匠のように、回転する部位の側面に回転方向を示す為の矢印を付すことは公然知られていますし(例えば、注の意匠参照)、矢印の形状も有り触れていますので、本願意匠は公然知られた形状に基づいて容易に創作をすることができたものと認められます。 注:特許庁総合情報館が1996年7月2日に受け入れた大韓民国意匠公報 1996年5月23日 第193頁所載、包装用瓶のふたの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH09021006号)」(別紙第2 注の意匠参照)として、意匠法第3条第2項の規定に該当するとの理由で、拒絶すべき旨の査定がなされたものである。 (2)本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、略円柱状のスタンプの、上端側部の位置における、略1/4円弧状の横長帯状部の大きさ・範囲のものであって、該部の形状は、正面視の縦横比率を約1:3とし、その略中央に、先端部を三角形とした横向き矢印形状の凹部を形成したもので、そのうち7本からなる縦縞状部分を、意匠登録を受けようとする部分から除いたものである(別紙第1参照)。 (3)そこで、原審の拒絶の理由と請求人の主張について検討すると、まず、原審の拒絶の理由は、本願意匠の矢印形状は回転レバー部側面に付されていると認定しており、請求人の主張のとおり、本願意匠の用途・機能の認定において錯誤がある。 しかしながら、(A)意匠登録を受けようとする部分のほぼ全体の形状である、略1/4円弧部分の、横長帯状を呈する弧状側面部の略中央に横向き矢印形状を設けた例としては、拒絶の理由で例示された注の意匠をあげることができるものである(別紙第2 注の意匠参照)。 そして、(B)矢印の先端部を三角形として、全体を凹部として表した矢印形状も、例えば、意匠登録第728672号意匠(別紙第2 参考意匠1参照)、内国雑誌「M&E」1996年10月1日発行 第68頁所載 リモコンの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA08021933号)(別紙第3 参考意匠2参照)、内国雑誌「トランジスタ技術」1990年4月1日発行 第118頁所載 ロータリーコードスイッチの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA02004642号)(別紙第3 参考意匠3参照)に明らかなとおり、本願の出願前に既に公然知られている。 さらに、(C)作動型の操作部を有するものにあって、矢印を作動部にではなく、相対する筺体部位に施すことは広く行われているところであるが、略円柱体の側面部位に操作方向を示す矢印形状を表したものも、内国カタログ「ビクターカーコンポーネント 総合カタログ2003」第32頁所載 リモコンの意匠(特許庁意匠課2003年12月12日受入、特許庁意匠課公知資料番号第HC15047311号)(別紙第3 参考意匠4参照)に明らかなとおり、本願の出願前に既に公然知られている。 ところで、請求人は、「この種物品において回転方向を示す意匠が、本願意匠出願前には存在しなかったことは明らか」と主張する。しかし、(D)回転スタンプの意匠にあって、回転方向を示すために、本願意匠と同種の矢印形状を表したものも、意匠登録第874496号意匠(別紙第4 参考意匠5参照)に明らかなとおり、本願の出願前に既に公然知られている。 以上を鑑みると、(A)略1/4円弧部分の、横長帯状を呈する弧状側面部の略中央に横向き矢印形状を設けた態様、また、(B)矢印の先端部を三角形として、全体を凹部として表した矢印形状、及び、(C)物品全体が略円柱状を呈し、その側面部に操作方向を示すための矢印を表した態様、そして、(D)回転スタンプの分野において、回転方向を示す矢印形状を表した態様は、本願の出願前にも存在していたことが明らかである。すなわち、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分の形状は、その各部の形状についてみると格別新規な態様とはいえないものであり、それらを組み合わせた形状も格別創作力を要したものとは認められない。 しかし、本願意匠の属する回転スタンプの分野だけでなく、一般的なスタンプの分野にあっても、略円柱体状スタンプの上端側部の位置に、略1/4円弧状の横長帯状部の大きさ・範囲において、その略中央に横向き矢印形状を表したものは、本願の出願前に見出すことができない。 してみれば、本願意匠は、意匠登録を受けようとする部分の位置・大きさ・範囲において創意工夫が認められ、矢印付与の上記(A)ないし(D)のような態様が本願の出願前に見られたとしても、当業者において容易に創作をすることができたものとは認められない。 |
別掲 |
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審決日 | 2006-01-06 |
出願番号 | 意願2004-2718(D2004-2718) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(F2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 正田 毅 |
特許庁審判長 |
梅澤 修 |
特許庁審判官 |
杉山 太一 樋田 敏恵 |
登録日 | 2006-02-17 |
登録番号 | 意匠登録第1266827号(D1266827) |
代理人 | 日高 一樹 |
代理人 | 渡邉 知子 |