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審決分類 審判 判定  同一・類似 属する(申立成立) G2
管理番号 1137854 
判定請求番号 判定2005-60089
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠判定公報 
発行日 2006-07-28 
種別 判定 
判定請求日 2005-12-26 
確定日 2006-05-29 
意匠に係る物品 フォ―クリフトトラック用タイヤ 
事件の表示 上記当事者間の登録第0950798号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「フォ―クリフトトラック用タイヤ」の意匠は、登録第0950798号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属する。
理由 第1.請求の趣旨及び理由
請求人は、結論同旨の判定を求める、と申し立て、その理由として判定請求書に記載のとおりの主張をし、証拠方法として「イ号意匠が、被請求人の実施に係るものである、との証明に関するもの」として、甲第1号証(意匠登録第950798号の原簿謄本及びその意匠公報の写し)及び甲第2号証(イ号意匠とその説明書)の書証を提出したものである。
第2.被請求人の答弁の趣旨及びその理由
被請求人は、イ号説明書並びにその説明写真に示す意匠は、登録第950798号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属しない、との判定を求めると答弁し、その理由として答弁書に記載のとおりの反論をし、証拠方法として資料1(本件登録意匠の説明図)及び乙第1号証乃至乙第3号証(カタログの抜粋写し、意匠登録第1026131号、意匠登録第1026131の類似1号公報の写し)の書証を提出したものである。
第3.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、平成6年4月22日の意匠登録出願に係り、平成8年1月29日に登録の設定がなされたものであり、その願書の記載及び願書に添付された図面の記載によれば、意匠に係る物品を「フォークリフトトラック用タイヤ」とし、形態を願書の記載及び願書に添付された図面に表されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
2.イ号意匠
本件判定請求の対象とされるイ号意匠は、判定請求書によれば、意匠に係る物品が「フォークリフトトラック用タイヤ」(甲第2号証には「建設車両用タイヤ」)で、本件登録意匠と同様の物品であり、その形態はイ号写真版(製品記号「SC6」)に現されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
3.両意匠の対比
本件登録意匠とイ号意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品がともにフォークリフトトラック用のタイヤであって共通し、その形態については、主として以下の共通点と差異点が認められる。
すなわち、共通点として、両意匠ともに(1)スクウェアーショルダータイプのトレッド面に溝形状を、斜め扁平クランク状(波模様様)の太幅ラグ(横溝)をやや幅広間隔に周回させ、その波模様様ラグの左側ショルダー寄りの逆「へ」の字曲折部から斜め下方へ延長するようにラグとラグに囲まれたトレッドブロックを横断する浅溝を設けるとともに、右側ショルダー寄りの「へ」の字曲折部から斜め上方へ延長するように上部トレッドブロックを横断する浅溝を設けたもので、上下に隣接するラグとラグに囲まれたトレッドブロック形状を、トレッド中央を中心とする点対称にして表し、その点対称形状にしたトレッドブロック形状を交互に隣接周回させて表した基本的構成態様とした点が認められ、各部の具体的な態様については、(2)ラグ幅を両側曲折部の内側斜め直線状ラグ幅より曲折部から両外側への幅を徐々に太幅にした点、(3)両ショルダー部全周に僅かな段差を設け、その段差のサイドウォール凸段差面を斜面とした点、が認められる。
一方差異点は、(イ)本件登録意匠は、各ラグの中心部に垂直極細幅陸部を設けてラグの溝を遮断しているのに対して、イ号意匠にはそのような垂直極細幅陸部を設けていない点、(ロ)サイドウォール幅ほぼ中央円環上に本件登録意匠は細いリブ模様を施した細幅円環形状を表したのに対して、イ号意匠は仮想円環線上に等間隔に小円形状様のもの(写真版からは定かではない)を表した点、が認められる。
そこで上記の共通点と差異点につき、イ号意匠が本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属するか否かの判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
まず、両意匠において共通する基本的構成態様の(1)については、両意匠の全体の骨格を成し、(2)及び(3)の各具体的態様と一体となって全体の基調を形成している。とりわけ両意匠の差異点を除く全体及び具体的な構成態様の酷似性は、両意匠の共通感を看者に強く印象づけており、意匠全体として、これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は極めて大きいといわなければならない。
これに対して前記差異点、(イ)のラグの溝を垂直極細幅陸部を設けて遮断しているか否かの差異は、各トレッドブロックの大きさも大きく、そのトレッドブロックを囲む溝幅も全体に太い構成態様の中にあって、そのような極細幅陸部の細さ、長さも短いことからすれば、この程度の極細幅陸部形状の有無は、ほんの僅かな微細な差異にすぎないものであって、凝視してみなければ気がつきにくい程の差異にすぎず、また、(ロ)のサイドウォールに細幅リブ模様円環形状としたか、写真版上では定かでないものの小円形状様のもの、これを被請求人は有底小円孔形状と主張するのでそのような形状を等間隔に円環上に配列したかの差異については、まず、本件登録意匠の細幅リブ模様円環形状については、このような形状を施すことはこの種物品の分野において従来より通常見られる態様であることから、本件登録意匠のみの格別特徴を有しているものとはいえない。では、イ号意匠の有底小円孔を配列した点については、被請求人が主張するようにそのような有底小円孔形状を設けることがクッション性、タイヤの熱の放熱性に効果があるとしても、イ号意匠が掲載された甲2号意匠の同頁にはイ号意匠のみならず、トレッドパターンの異なる製品番号「SC1」及び「SC2」のタイヤのサイドウォールにも同様な有底小円孔を配列していることが明らかであり、それも、同頁に掲載の5種類のタイヤのうち3種類にも同様に施されていること、さらに、乙第2号証にも同様に設けられていることから、従前よりそのような有底小円孔形状を円環上に配列して設けることは既に広く知られていたところであり、イ号意匠のみに表された格別特徴を有するものともいえない。そうすると、サイドウォールに設けたそれぞれの形状には格別特徴がないものであれば、どちらかに特に特徴があり、形態の特徴として強く主張することもできず、両意匠の類否判断に与える影響は微弱で、上記両意匠が共通する構成態様のなかでの微差に止まる。また、仮に、これらの差異点が相俟って表出する効果を勘案したとしても、各共通点から惹起される両意匠の共通感を凌ぐ効果を到底認めることができない。
上記のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、形態において共通する態様は相俟って両意匠全体に共通する基調を形成しており、これに対して差異点は、いずれも類否判断に及ぼす影響が微弱なものであってこの基調を覆すに至らず、全体として共通点が差異点を凌駕して類否判断を支配するというべきものであるから、イ号意匠は、本件登録意匠に類似するといわざるを得ない。
なお、「被請求人は、イ号物件の販売を行っておらず、将来も販売する意思がないので、本件登録意匠との間で侵害問題が生じることがなく、請求人には、判定請求の必要性が認められない。」と主張するが、甲第2号証商品カタログの写しによれば、製品記号SC6と記されたイ号意匠の形態、そして次の頁のタイヤ価格表には同製品記号とサイズ等とともに定価が掲載されていることから被請求人には販売の意思がないとする信憑性がなく、被請求人の主張は失当である。
また、被請求人は、乙第1号証を提出してタイヤのトレッドパターンの構成態様がほぼ同一のものが本件登録意匠出願前に既に公知であったと主張するが、その主張する両意匠は、被請求人が添付した資料1の「本件登録意匠の説明図」記載の「ブロックパターンの両端の角度変更3」「ブロックパターン1」において相違しており、かつ、被請求人が本件登録意匠とイ号意匠との相違点として上げている「連結部7」の有無の相違も認められ、被請求人がほぼ同一とする主張は採用することができない。
さらに、被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証を提出してこれら公報に掲載の意匠がタイヤ側面の周方向に孔が設けられているだけで本件登録意匠と非類似と判断され独立に意匠登録が認められた例とするが、孔形状の有無のみを見て非類似としたものとはいえず、意匠全体を観察して登録されたものであって、事案を異にするものであり、被請求人の主張は採用することができない。
以上のとおりであって、被請求人の主張は採用することができず、両意匠は類似するというべきである。
従って、イ号意匠は、本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属する。
よって、結論の通り判定する。
別掲
判定日 2006-05-23 
出願番号 意願平6-11710 
審決分類 D 1 2・ 1- YA (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 橘 崇生 
特許庁審判長 日比野 香
特許庁審判官 山崎 裕造
岩井 芳紀
登録日 1996-01-29 
登録番号 意匠登録第950798号(D950798) 
代理人 柳野 隆生 
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