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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G1
管理番号 1141473 
審判番号 不服2005-17493
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2006-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-09-12 
確定日 2006-08-16 
意匠に係る物品 運搬用容器 
事件の表示 意願2004- 36809「運搬用容器」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1 本願意匠
本願意匠は、2004年(平成16年)12月2日の意匠登録願の意匠であって、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「運搬用容器」とし、その部分について意匠登録を受けようとするものであり、その形態は願書に添付した図面に示すとおりとしたものである。(この審決に添付した「図面第1」参照。)
2 引用意匠
原審において、本願意匠が類似するとして引用した意匠は、2001年(平成13年)10月9日に日本国特許庁が発行した意匠公報に記載された意匠登録1123173号の当該部分の意匠であって、同意匠公報の記載によれば、意匠係る物品を「運搬用容器」とし、その形態を同公報の図面に示すとおりとしたものである。(この審決に添付した「図面第2」参照。)
3 本願意匠と引用意匠の対比
本願意匠と引用意匠は、いずれも運搬用容器に係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、運搬容器の外側面の上方中央に把手として形成した部分に係るから、その構成部位および機能が共通している。
しかしながら、両意匠の形態については、以下のとおりの共通点および差異点が認められる。
先ず、共通点として、全体は、ごくわずかに斜め下向きの横長矩形状の外側面の横方向全幅に、薄い板体からなる差し出た部分の左右両方を屈曲し、中央部分を左右両方よりも上方に平行して数倍横長とし、左右対称状に形成している点、そして、左右両方を水平状とし、屈曲部の上下間をわずかに斜め下向きとして向かい合う態様としている点が認められる。
一方、その具体的な態様についての差異点として、(1)差し出た部分の中央部分について、本願意匠は、全体を水平状としているのに対し、引用意匠は、前方を水平状としその後端より上側を細幅の垂直状に形成している点、(2)屈曲部の上部の態様について、本願意匠は、わずかに角丸の山折り状に形成しているのに対し、引用意匠は、中央部分の水平状の部分よりもやや上側に延長して形成している点が認められる
4.本願意匠と引用意匠の類似性についての判断
以上の共通点および差異点を総合し、意匠全体として、本願意匠と引用意匠との類似否類似の関係すなわち類似性について考察すると、前記共通点に係る態様については、本願意匠の出願の前から、この種運搬用容器の外側面の横方向全幅に、手の指を差し入れて持ち運ぶための把手部分を薄い板体からなる差し出た部分に形成し、その中央部分を左右両方よりも上方に平行して数倍横長とし、左右対称状に形成したものおよび、左右両方を水平状とし、屈曲部の上下間をわずかに斜め下向きとして向かい合う態様としているもの(意匠登録第1054347号の意匠等参照。)は普通に見受けられ、両意匠のみに格別のものでもないから、両意匠の類似性についての判断を左右するほどの影響を与える要素としては評価できない。
一方、前記差異点について考察すると、差異点(1)については、左右両方よりも数倍長い中央部分の前方の構成態様についての差異であり、その差異が両意匠の類否判断に与える影響は大きいと言える。差異点(2)については、差し出た部分の骨格的な態様の差異と言えるものであり、また、本願意匠の出願以前に、この種運搬用容器の把手の差し出た部分の構成態様が本願意匠のものと共通しているものは見受けられないから、その差異が、両意匠の類否判断に与える影響は大きいと言える。そして、把手部分は、手の指を差し入れて確実に保持する必要から比較的注意を払う部分である点も考慮すると、差異点に係る態様が相まって生じる意匠の視覚的な効果は、両意匠の類似性についての判断を左右するほどの影響があると言える。
したがって、本願意匠と引用意匠は、意匠に係る物品が共通し、その構成部位および機能についても共通しているが、形態の共通点および差異点が両意匠の類似性についての判断に与える影響を考察すると、共通点よりも差異点のほうが支配的であると言えるから、両意匠は、意匠全体として互いに類似しないものと認められる。
5.結び
以上のとおりであるから、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に該当しないものであり、原審の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、本願意匠について、他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2006-07-21 
出願番号 意願2004-36809(D2004-36809) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 梅澤 修 
特許庁審判長 伊勢 孝俊
特許庁審判官 鍋田 和宣
上島 靖範
登録日 2006-09-01 
登録番号 意匠登録第1283884号(D1283884) 
代理人 伊藤 浩二 

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