ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G1 |
---|---|
管理番号 | 1141480 |
審判番号 | 不服2005-14778 |
総通号数 | 81 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2006-09-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-08-03 |
確定日 | 2006-08-22 |
意匠に係る物品 | 荷受台昇降装置の荷受台 |
事件の表示 | 意願2004- 31773「荷受台昇降装置の荷受台」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願意匠 本願意匠は、2004年(平成16年)10月19日の意匠登録願の意匠であって、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、本意匠を意願2004-31775号と表示し、意匠に係る物品を「荷受台昇降装置の荷受台」とし、その部分について意匠登録を受けようとするものであり、その形態は願書に添付した図面に示すとおりとしたものである。(この審決に添付した「図面第1」参照。) 2 引用意匠 原審において、本願意匠が類似するとして引用した意匠は、1999年(平成11年)10月6日に特許庁意匠課が受け入れた極東開発工業株式会社発行のカタログ「パワーゲートCG1000」に、機種名を「パワーゲートCG1000」と表示して掲載した物品(文献番号HN11007970号)の部分の意匠であって、同カタログの記載によれば、意匠係る物品は、トラック用荷受台昇降装置の荷受台であり、その形態を同カタログの写真版に示すとおりとしたものである。(この審決に添付した「図面第2」参照。) 3 本願意匠と引用意匠の対比 本願意匠と引用意匠は、いずれも貨物用トラックの床下に格納する昇降装置の荷受台に係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、当該部分の使用目的、構成部位および機能が共通している。 なお、請求人主張のように、引用意匠の当該部分がバンパーとしての用途および機能がない点があるとしても、両意匠は、いずれも荷受台として使用し、上面が作業者の踏みつけ部として滑り止めの機能を果たす点において共通しているから、意匠に係る物品は共通していると言うことができる。 次に、両意匠の形態について対比すると、展開した状態の上面の平面視態様について、細長い矩形状の平坦面に小凸部を規則散点状に施している点が共通しているが、その具体的な態様については、主として以下のとおりの差異点が認められる。なお、両意匠のいずれも荷受台の昇降装置側を前方としてそれぞれの形態を認定する。 (1)背面および左右両側面の態様について、本願意匠は、上面に対し上下幅の短い背面をやや鋭角状に折り曲げ、左右両側面を側方視横長の略逆台形状に形成しているのに対し、引用意匠は、上面と背面とが直角状であって側方視やや縦長の略直角三角形状に形成している点。 (2)上面に滑り止めとして規則散点状に施した小凸部の態様について、本願意匠は、全体の長さ方向に平行の長円形状であってその上面の長さ方向に細溝を3本施したものを縦横を揃えて配列した態様であるのに対し、引用意匠は、長さ方向に対して斜め方向のものを略網代編み状に配列し、小凸部の上面の態様は不明である点。 4.本願意匠と引用意匠の類似性についての判断 以上の共通点および差異点を総合し、意匠全体として、本願意匠と引用意匠との類似否類似の関係すなわち類似性について考察すると、共通しているとした、細長い矩形状の平坦面に小凸部を規則散点状に施している点は、展開した状態の上面の平面視態様のみについての共通点にとどまり、また、この種物品分野においては、例を挙げるまでもなく多数見受けられるものであって、両意匠のみに共通している格別の態様とは言えないから、両意匠の類似性についての判断を左右するほどの要素として評価できない。 一方、前記各差異点を検討すると、差異点(1)については、荷受台を格納した状態および展開作動した状態のいずれにおいても観察される度合いの大きい背面および左右両側面の態様についての差異であるから、その差異が両意匠の類似性の判断に与える影響は大きいものである。差異点(2)については、この種物品に限らず、踏みつけ部に滑り止めとして小凸部を施すことは普通であるとしても、その態様は様々なものが見受けられ、両意匠には前記のとおりの差異が認められるから、作業者が比較的注意を払う部分の態様についての差異である点も考慮すると、両意匠の類似性の判断に影響を与えるものである。そして、これら差異点にかかる態様が相まって生じる視覚的な効果は、両意匠の類似性の判断を左右するほどの影響があると言うことができる。 したがって、本願意匠と引用意匠は、意匠に係る物品および当該部分の使用目的、構成部位および機能が共通しているが、形態の共通点および差異点が両意匠の類似性についての判断に与える影響を考察すると、共通点よりも差異点のほうが支配的であると言えるから、両意匠は、意匠全体として互いに類似しないものと認められる。 5.結び 以上のとおりであるから、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に該当しないものであり、原審の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願意匠について、他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審決日 | 2006-08-08 |
出願番号 | 意願2004-31773(D2004-31773) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G1)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 早川 治子 |
特許庁審判長 |
伊勢 孝俊 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 上島 靖範 |
登録日 | 2006-09-01 |
登録番号 | 意匠登録第1284061号(D1284061) |
代理人 | 角田 嘉宏 |