• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 判定  同一・類似 属さない(申立不成立) C6
管理番号 1144849 
判定請求番号 判定2006-60006
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠判定公報 
発行日 2006-11-24 
種別 判定 
判定請求日 2006-02-10 
確定日 2006-09-25 
意匠に係る物品 給食用冷温蔵台車 
事件の表示 上記当事者間の登録第1201309号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号意匠である、製品カタログ及びその製品の写真に示す「温冷カート」の意匠は、登録第1201309号意匠に類似する意匠の範囲に属しない。
理由 第1.請求人の申立及び理由
1.請求の理由
請求人は、「イ号意匠は、登録第1201309号意匠(以下、「本件登録意匠」という。)に類似する意匠の範囲に属する、との判定を求める。」と申し立て、その理由を判定請求書の記載のとおり主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。その主張の要点は、以下のとおりである。
(1)本件登録意匠
本件登録意匠は、平成15年(2003年)9月26日に出願され、平成16年(2004年)2月20日に意匠権の設定の登録がなされた意匠登録第1201309号(意匠に係る物品「給食用冷温蔵台車」)意匠である。
(2)イ号意匠
イ号意匠は、甲第1号証の被請求人の製品カタログ「温冷カート」(2004年11月現在)および甲第2号証の写真の「温冷カート」の意匠である。
(3)本件登録意匠の要部
本件登録意匠は、庫内に温蔵機能と冷蔵機能を有する2つの部屋のみを有し、かつスペースを拡大する側台が側面側に配されている点が先行意匠にはない新規性の高い特徴部分であり、要部である。
(4)本件登録意匠の要旨とイ号意匠の要旨との対比
意匠に係る物品について、本件登録意匠は「給食用冷温蔵台車」とし、イ号意匠は「温冷カート」とし、両意匠は実質的に意匠に係る物品が一致する。
構成態様において、以下の共通点及び相違点が認められる。
<共通点>
1)基本的構成態様
(A)全体を略横長直方体状として、(B)温蔵庫と冷蔵庫を併設した筐体と、筐体下部に設けられた台車により構成され、(C)筐体上面を食器類置台とし、(D)温蔵庫は正面視右側略半分の大きさとし、(E)冷蔵庫は正面視左側上方略1/4の大きさとして、左側下方略1/4を機械室とし、(F)温蔵庫、冷蔵庫共に正面側に庫内を視認可能なガラス扉を配し、(G)筐体下部に台車を設け、(H)筐体側面に、食器類置台のスペースを拡大可能な側台を配している。
2)具体的構成態様
(I)ガラス扉内側の庫内には、盆両端水平受けレールが庫内左右側面に縦方向に複数配され、(J)盆両端水平受けレールはガラス扉を通して外側から視認可能であり、(K)筐体上方中央部の縦長長方形状のスペースには表示部及び操作部が配され、(L)温蔵庫のガラス扉の大きさを、正面視略1/2とし、(M)側台形状を、長方形状の板体として、不使用時には筐体側面に折り畳まれ、使用時には細フレーム状の側台支持脚により支持され、食器類置台のスペースが拡張され、(N)台車は、台板、キャスター、足踏式台車ストッパにより構成され、(O)台板を筐体より一回り大きな板体として、(P)台板の切欠きから、足踏式台車ストッパを使用可能としている。
<相違点>
(ア)横長直方体状の縦:横:奥行きの比率を、本件登録意匠は略7:10:6.5としているのに対し、イ号意匠は略9:10:7とし、(イ)食器類置台を本件登録意匠は平坦面としているのに対し、イ号意匠は僅かに凸状とした縁部を設け、(ウ)ガラス扉の形状について、本件登録意匠は温蔵庫、冷蔵庫ともに外周を縁取りした枠付きガラス扉であるのに対し、イ号意匠は温蔵庫に配された扉は、中央部にガラスが嵌められ、縦長凹部の取手部が設けられ、冷蔵庫に配された扉は、中央部上方のみにガラスが嵌められ、縦長凹部の取手部が設けられ、(エ)ガラス扉の大きさを、本件登録意匠は冷蔵庫の扉を正面視略1/4としているのに対し、イ号意匠は正面視略1/2とし、(オ)本件登録意匠は冷蔵庫下部の機械室正面、背面、左側面側に、多数の換気細孔が穿設されているのに対し、イ号意匠は背面、左側面側に、多数の換気細孔が穿設され、(カ)側台に配された側台について、本件登録意匠は左右側面に配されているのに対し、イ号意匠は一側面のみであり、(キ)取手について、本件登録意匠は筐体左側面上方に略コ字状取手が2つ配されているのに対し、イ号意匠は筐体上面右端に略コ字状取手が斜めに配され、(ク)台板について、本件登録意匠は左側面側中央を台形状に切欠いているのに対し、イ号意匠は右側面側中央を矩形状に切欠いている。
(5)被請求人の登録意匠
イ号意匠とは扉構成が異なる被請求人の登録意匠に、意匠登録第1215888号が存在するが、その登録の経緯を見れば、誤って登録された意匠であり、意匠登録第1215888号の存在のみにより本件登録意匠とイ号意匠を非類似と判断することはできない。
(6)意匠の類否判断
共通点は、本件登録意匠の要部に係り、類否判断に大きな影響を与える。特に、両意匠の物品は冷温蔵機能付きであり、キャスター及び取手付きであり、かつスペースを拡張するための側台が設けられている、これらの3つの要素を併せ持つ意匠であること。加えて形態についても、基本的構成態様の全てが共通し、かつ庫内に温蔵機能と冷蔵機能を有する2つの部屋のみを有し、更にスペースを拡大する側台が側面側に配されている意匠である、本件登録意匠の特徴部分が共通する。
一方、相違点は、いずれも類否判断に影響を与える観点とは成り得ない、意匠全体から見れば、微差にすぎない。
してみれば、相違点は両意匠の共通するとした態様に包摂される程度の部分的な相違に止まり、類否判断を左右する要素としては微弱なもので、共通点は相違点を凌駕し、看者に対し共通の印象を与え、両意匠は類似する。
第2.被請求人の答弁
被請求人は、イ号意匠は、「登録第1201309号意匠の範囲に属しない」と答弁し、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。その主張の要点は、以下のとおりである。
1.本件登録意匠の要部について
請求人が甲第6号証の1-12によって立証した先行意匠と対比しても本件登録意匠に固有の新規な基本的構成態様とその要部を確認できない。
乙第1号証に開示された先願登録意匠と比較して、本件登録意匠を検討してみると、本件登録意匠の要部は、「キャスター付き台車の右側上面に載置した温蔵庫の枠付ガラス扉と同台車の左側上面に載置した機械室の上に配置した冷蔵庫の枠付ガラス扉の形態」、「左右の枠付ガラス扉の間に設けた表示部の形態」及び「機械室の形態」にある。
2.意匠登録第1215888号の有効性について
意匠登録第1215888号は、先願登録意匠と比較して、「台車の右側上面に載置した温蔵庫の扉と同台車の左側上面に載置した機械室の上に配置した冷蔵庫の扉が共に縦長なガラス窓を有する形態」「左右の各扉の内側上部に縦長で上下両端に丸味をもつ取手を取付けた形態」「左右の扉の間に設けた縦長な操作パネルの形態」に顕著な特徴があるため登録されたものである。
3.意匠の類否判断について
本件登録意匠の要部は、上述したとおりであって、請求人が主張するような基本的構成形態それ自体に本件登録意匠に固有の特徴はない。
一方、イ号意匠は「キャスター付き台車の上に縦長なガラス窓を設けた左右の扉によって開閉される温蔵庫と冷蔵庫を載置した形態」を有するもので、「左側に設けたガラス窓が右側の扉に設けたガラス窓の略半分であって、各扉の内側上部に取手を取付けた形態」と「左右の扉の間に設けた縦長な操作パネルの形態」に顕著な特徴があり、請求人が主張する本件登録意匠の基本的構成態様とは異なるものである。
第3.答弁書に対する請求人の弁駁
請求人は、平成18年4月6日付け答弁書に対し、弁駁書の記載のとおり弁駁し、証拠方法として、甲第10号証を提出した。その弁駁の要点は、以下のとおりである。
1.被請求人の主張に対する反駁
(1)本件登録意匠の要部に関する主張
被請求人の主張する本件登録意匠の要部である(a)キャスター付き台車の右側上面に載置した温蔵庫の枠付ガラス扉と同台車の左側上面に載置した機械室の上に配置した冷蔵庫の枠付ガラス扉の形態は、左右に配されたガラス扉に関するものであるが、扉の形態に特段の特徴を有するものではない。本件登録意匠における扉の特徴を敢えて挙げるならば、温蔵庫側のガラス窓が冷蔵庫側の略2倍の大きさである。
(2)意匠登録第1215888号(甲第7号証)の有効性に関する主張
甲第7号証の意匠は出願後、早期審査を申請しており、その際被請求人は、緊急性を要する状況の説明として、ニチワ電機株式会社が製造、販売している「配膳車」の意匠(以下、「ニチワ意匠」という。)が、甲第7号証の意匠と類似すると判断する旨の記載があり、当該判断に基づけば、イ号意匠が本件登録意匠に類似することは明らかである。
2.物品の共通性
本件登録意匠、イ号意匠、甲第7号証、及びニチワ意匠は、本件登録意匠出願前に公知であったこの種の温蔵又は冷蔵の機能を有する配膳車とは異なるカテゴリーに属するものである。
従って、これらの中で最も早期に開発された本件登録意匠は、非常に新規性の高い意匠である。この点を踏まえれば、本件登録意匠とイ号意匠には複数の相違点が認められるものの、共通点を凌駕するほどの相違とは認められず、あくまで微差に過ぎない。よって意匠全体として総合して判断すれば、イ号意匠は本件登録意匠に類似するものと判断される。
3.むすび
以上のように、本件登録意匠とイ号意匠は類似することから、イ号意匠は、登録第1201309号意匠に類似する意匠の範囲に属する。
第4.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、平成15年(2003年)9月26日の意匠登録出願に係り、平成16年(2004年)2月20日に意匠権の設定の登録がなされた意匠登録第1201309号の意匠であって、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「給食用冷温蔵台車」とし、その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
2.イ号意匠
イ号意匠は、甲第1号証のホシザキ電機の製品カタログ「温冷カート」(2004年11月現在)に記載され、甲第2号証の写真(請求人が提出した被請求人の製品である「温冷カート」の写真)に現された「温冷カート」の意匠であって、その形態を同カタログ及び同写真に現されたとおりとしたものである(別紙第2、別紙第3参照)。
3.両意匠の対比
本件登録意匠とイ号意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品について、本件登録意匠が「給食用冷温蔵台車」で、イ号意匠が「温冷カート」とするが、共に食品等を収めて運搬するための冷蔵・温蔵機能を備えた配膳車であって、一致し、形態について、以下に示すように、共通点及び相違点がある。
<共通点>
1)基本的構成態様
(A)全体を略横長直方体とし、(B)正面視、右に温蔵庫、左に冷蔵庫を併設した筐体と、筐体下部に設けられた台車により構成され、(C)筐体につき、上部に天板を形成し、温蔵庫と冷蔵庫は正面視横幅を同一とし、その間の中央部に、上方に操作表示部を配した細幅帯状体を形成し、(D)温蔵庫は、正面視右側略半分を庫内スペースとし、その前面に、縦長長方形状透明ガラスを嵌め込んだ縦長長方形状の片開き扉を設け、(E)冷蔵庫は、正面視左側略上半部を庫内スペースとし、その前面に、長方形状透明ガラスを嵌め込んだ長方形状の片開き扉を設け、庫内スペース下を機械室とし、(F)筐体左側面に、不使用時に、側面上半部に沿って垂下し、使用時に、側面上辺部を基軸に水平状に跳ね上がる、略横長長方形薄板の側台を設け、側台下の支持脚金具で支え、(G)台車は、足踏み式台車ストッパ付き厚板板体状台板とキャスターにより構成した点。
2)具体的構成態様
(H)温蔵庫と冷蔵庫内に、縦断面コ字状の盆両端水平受けレールを、庫内左右側面に縦方向に複数配し、(I)機械室の左側面側と背面側に、略横長長方形状換気細孔を縦に密集させた縦列細孔を、複数列ずつ穿設した換気口部を設け、(J)台板の大きさを、筐体部の平面視縦横幅より一回り大きくした点。
<相違点>
1)基本的構成態様
(ア)扉形状につき、(ア-1)本件登録意匠は、冷蔵庫扉を、庫内スペースのみを覆う、縦幅を温蔵庫扉縦幅の約1/2として、温冷蔵庫扉を、左右非対称の扉構成としたのに対して、イ号意匠は、冷蔵庫扉が冷蔵庫下の機械室の前面をも覆う、縦幅を温蔵庫扉縦幅と同一とし、温冷蔵庫扉を、左右対称状の扉構成とし、(ア-2)本件登録意匠は、温冷蔵庫扉とも、四周に同一細幅の枠体を設け、その枠体内に透明ガラスを嵌め込んだのに対して、イ号意匠は、温冷蔵庫扉とも、内部を切り欠くように、温蔵庫扉は、中央位置に、冷蔵庫扉は、上方位置に、窓部を形成し、透明ガラスを嵌め込み、(イ)温蔵庫と冷蔵庫間の細幅帯状体の長さを、本件登録意匠は、冷蔵庫扉縦幅と同一とし、その細幅帯状体下に、冷蔵庫下の機械室を拡張しているのに対して、イ号意匠は、温冷蔵庫扉の縦幅とほぼ同一とし、(ウ)側台を、本件登録意匠は、左側面と対称的に右側面にも設けたのに対して、イ号意匠は、左側面のみで、右側面に設けず、(エ)押し手の位置及び形状につき、本件登録意匠は、略コ字状押し手を、筐体左側面上方の、側台脇の、左右2箇所に、垂直状に設けたのに対して、イ号意匠は、長さが天板縦幅よりやや短い略コ字状押し手を、筐体天板上面の右辺寄りの1箇所に、左右の支柱を外方向に傾けて設けた点。
2)具体的構成態様
(オ)台車を含め筐体天板までの全体の略横長直方体の高さ:横:奥行きの比率を、本件登録意匠は約8:10:6.5としたのに対して、イ号意匠は、約9:10:7とし、(カ)天板上面を、本件登録意匠は、全面を平坦面としたのに対して、イ号意匠は、平坦面の前後端に、僅かに凸状とした縁部を設け、(キ)扉形状につき、本件登録意匠は、扉開閉用取手を設けていないのに対して、イ号意匠は、温冷蔵庫各扉の、中央部側の上方に、縦長細幅略長楕円凹状の取手を設け、(ク)操作表示部につき、本件登録意匠は、小横長長方形状表示部を2個縦にやや離し、各表示部下に小凸状操作部を配したのに対して、イ号意匠は、細幅帯状体の上部の、操作パネル上に、上方に小縦長長方形状操作部を2個横並びに配し、その下に、小横長横長長方形状表示部を2個縦にやや離し、各表示部下に小略円形状操作部を3個横並びに配し、(ケ)側台の横幅を、本件登録意匠は、左側面側側台を、筐体側面横幅の約3/4とし、右側面側側台を、左側面側側台よりやや幅広としたのに対して、イ号意匠は、左側面側側台を、筐体側面横幅と同幅とし、(コ)機械室の換気口部につき、本件登録意匠は、正面側にも、4列の縦列細孔換気口部を設け、左側面側に縦列細孔を8列、背面側に6列並列したのに対して、イ号意匠は、正面側に換気口部を設けず、左側面側に縦列細孔を2列、背面側に4列並列し、(サ)台板形状を、本件登録意匠は、左辺側の中央部に、ストッパ用の略台形状の切欠き部を形成したのに対して、イ号意匠は、右辺側の中央部に、ストッパ用の略コ字状の切欠き部を形成した点。
4.両意匠の類否判断
両意匠は、共に食品等を収めて運搬するための冷蔵・温蔵機能を備えた配膳車であって、その使用の目的、使用の状態等を考慮すれば、食品を出し入れする扉等が設けられる正面側を中心としながら、両側面側及び平面側も含めて、斜視状態から観察される構成態様の視覚的な効果が、類否判断にあたって、重視されるものと認められる。
そこで、共通点及び相違点を総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討してみると、相違点の相まって奏する視覚的な効果は、共通点を凌駕し、両意匠に異なる美感を起こさせ、両意匠は類似しないものである。
すなわち、両意匠は、基本的構成態様の多くの点で相違する。特に、中心となる正面側の構成態様を観ると、相違点(ア)扉形状につき、(ア-1)における、本件登録意匠の構成態様は、冷蔵庫扉の縦幅を温蔵庫扉縦幅の約1/2とし、温冷蔵庫扉を左右非対称とするものであり、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、あまり見られない態様で、特徴的なもので、さらに、相違点(イ)の細幅帯状体の長さにおいて、本件登録意匠は、冷蔵庫扉縦幅と同一とし、冷蔵庫扉と隣接して一体性を持たせたものであり、温冷蔵庫扉の左右非対称を強調すると同時に、扉と細幅帯状体とが相まって、特徴的な左右アンバランスな構成を形成するものである。対して、イ号意匠は、(ア-1)温冷蔵庫扉の縦幅を同一とし、(イ)細幅帯状体も温冷蔵庫扉の縦幅とほぼ同一とし、正面部全体として左右バランスのとれた構成とするものである。したがって、両意匠の基本的構成態様は明らかに異なり、全体として異なる視覚的効果を与え、加えて、(ア-2)窓部の構成態様の相違は、正面の見やすい部位に係り、看者に異なる視覚的な効果を与え、相違感を増幅させるものであり、その他の相違点の相まって奏する視覚的な効果を勘案すると、両意匠は、意匠全体として異なる美感を起こさせるものである。
一方、共通する構成態様は、いずれも、格別特徴的な態様ではなく、看者の注意を惹くものではない。すなわち、(A)全体構成は、例示するまでもなく、この種配膳車の分野において、ありふれた態様であり、(B)筐体と台車の構成につき、筐体と筐体下部の台車により構成すること、温蔵庫と冷蔵庫を併設した筐体とすることは、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、既に広く知られた態様であり(例えば、意匠登録第940305号、意匠登録第940830号、意匠登録第997271号等参照。)、(C)筐体構成につき、筐体に天板を形成すること、温冷蔵庫の横幅を同一とすること及び細幅帯状体を形成することは、例示するまでもなく、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、既に広く知られた態様で、操作表示部も、上方の狭い範囲に配され、局所的な箇所であり、(D)(E)の温冷蔵庫につき、扉形状は、例示するまでもなく、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、既に広く知られた形状で、機械室も、温冷蔵機能を働かせるための内部の機構に過ぎないものであり、(F)側台形状は、側台を設けることが、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、あまり見られない形状としても、従来より側台は、置台スペースを拡張するために、各種分野において、付加的に設けられており、配膳車と同種の運搬機能を持つワゴンテーブル、サービスワゴン等の分野においても、例示するまでもなく、既に広く知られた形状で、かつ、側台の略横長長方形薄板も、ありふれた形状であり、(G)(J)の台車形状は、いずれも、例示するまでもなく、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、既に広く知られた形状であり、(H)受けレール形状は、庫内の盆を受けるための機能的な構造に過ぎず、かつ、縦断面コ字状の水平受けレールを庫内左右側面に縦方向に複数配する形状も、本件登録意匠の出願前に、意匠登録第943335号に示されるように、既に公然知られた形状であり、(I)の換気口部形状は、換気口部形状が、機械室の放熱のための機能的な構造を表したまでに過ぎず、かつ、縦列細孔を複数列穿設する形状も、例示するまでもなく、本件登録意匠の出願前に、この種配膳車の分野において、既に広く知られた形状であることから、結局、共通する構成態様(A)ないし(J)は、いずれも、格別特徴的な態様ではなく、看者の注意を惹くものではない。
以上のとおり、相違点の相まって奏する視覚的な効果は、共通点を凌駕し、両意匠に全体として異なる美感を起こさせ、両意匠は類似しないものである。
なお、意匠登録第121588号(甲第7号証)の意匠に係る判断は、本件判定とは別個のものであって、本件判定の結論に影響するものではない。
5.むすび
したがって、イ号意匠は、本件登録意匠に類似する意匠の範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
別掲
判定日 2006-09-13 
出願番号 意願2003-28034(D2003-28034) 
審決分類 D 1 2・ 1- ZB (C6)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 下村 圭子 
特許庁審判長 梅澤 修
特許庁審判官 樋田 敏恵
杉山 太一
登録日 2004-02-20 
登録番号 意匠登録第1201309号(D1201309) 
代理人 渡邉 知子 
代理人 渡邉 知子 
代理人 長谷 照一 
代理人 日高 一樹 
代理人 日高 一樹 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ