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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2
管理番号 1187420 
審判番号 不服2007-26949
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-10-02 
確定日 2008-10-14 
意匠に係る物品 自動二輪車用タイヤ 
事件の表示 意願2006- 11832「自動二輪車用タイヤ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。  
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成18年(2006年)5月10日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「自動二輪車用タイヤ」とし,「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)」を願書の記載および願書に添付した図面に記載したとおりとするものである。(別紙第1参照)


2.引用意匠
これに対して,原審において拒絶の理由として引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前に特許庁が発行・頒布した意匠公報所載,意匠登録第965943号の意匠であって,同公報の記載によれば,意匠に係る物品を「自動二輪車用タイヤ」とし,形態は,同公報に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)


3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
意匠に係る物品については,一致する。

(2)形態の共通点
形態については,両意匠は,基本的構成態様において,(A)全体を輪形のドーナツ状体とし,そのトレッド面を丸面状に形成し,トレッド面全体に,複数本の溝の集合によって構成する1単位の「溝模様」を,繰り返し配列することによって構成する連続模様を施した点,そして,その連続模様の1単位の模様は,トレッド面のほぼ左右全幅に略「スキーのジャンプ台」状の長傾斜溝とその片側に略直角状に3本の短い傾斜溝を形成してなる点,さらに,3本の短い傾斜溝は,その3本溝側のトレッド面の拡がりに比例して,長さを最短のものから逐次長い溝に形成している点が共通する。
また,両意匠は,具体的構成態様において,(B)上記1単位の溝模様を傾斜させるとともに,その傾斜方向を左右入れ替えて形成する左右対称状の溝模様(表模様と裏模様)を交互かつ点対称状に配列した点が主に共通する。

(3)形態の差異点
他方,両意匠間には,溝模様の態様において以下の差異がある。
(ア)正面視における1単位の溝模様を,本願意匠は,カタカナの「ヒ」の字形の溝模様の上・下横溝の間にそれらとおよそ平行に2本の横溝を縦溝から少し離して配列し,計4本の横溝の長さを上から下に順次短く形成しているのに対して,引用意匠は,縦溝を含まず,4本の横溝のみをおよそ平行に配列し,4本の横溝の長さを上から下に順次短く形成している点。
(イ)本願意匠は,トレッド面の正面視における上下幅内に約5単位強の溝模様が収まる程度の密度に全体の連続模様を構成しているのに対して,引用意匠は,約3単位強の密度に構成している点。


4.両意匠の類否判断
以上の一致点,共通点および差異点を総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。
(1)共通点の評価
まず,両意匠において共通する前記基本的構成態様の(A)については,それは両意匠の形態全体の骨格を成すものであり,それが同じく共通する前記具体的構成態様の(B)と相まって,形態上のあるまとまりを形成しているから,このまとまりは両意匠のある基調を形成しているものと認められる。
しかしながら,この基調は,この種自動二輪車用タイヤの意匠においては漠然とした基調に過ぎないものであるとともに,それは従前よりこの種意匠において極く普通にみられることから既にありふれたものとなっており,両意匠のみの特徴を形成するとはいえないものである。
したがって,意匠全体として,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きいということはできない。

(2)差異点の評価
これに対して,前記各差異点については,類否判断に一定の影響を及ぼすものというべきである。
すなわち,差異点(ア)の1単位の溝模様における態様差については,前記の本願意匠は,カタカナの「ヒ」の字形の溝模様の上・下横溝の間にそれらとおよそ平行に2本の横溝を縦溝から少し離して配列して構成しているのに対して,引用意匠は,縦溝を含まず,4本の横溝のみをおよそ平行に配列して構成している点の差異は,1単位の溝模様構成上の基礎に関わる差異であり,各々の態様によって両意匠は初めて自らの明確な基調が決定づけられているとともに,両基調は明確に異なるものであるから,この差異が類否判断に及ぼす影響は非常に大きいといわなければならない。

(もっとも,本願意匠の1単位の溝模様の上横溝を縦溝から少し離したと仮定して,それを含めた3本の横溝とその一段上の別の1単位の溝模様(裏模様)の縦溝との4本を集合させたまとまりとしてみる場合においては,引用意匠の「4本横溝模様」との共通性が生まれ,原審もそのように認定したものと窺えるところである。しかしながら,それはあくまでも仮定上のみかたであり,この種溝模様の単位については,溝同士の交わり部分の牽引力が強いから,交わり部分を含むまとまりに優先的に着目して1単位を把握するのが自然であり,そうすべきである。)

次に,差異点(イ)の全体の連続模様の密度差については,この程度の態様差のみが独立して大きな影響を及ぼすほどのものということはできないが,これが差異点(ア)と相まって,(ア)の態様差を増幅し際立たせるところの影響力を持つものといえる。
そうすると,上記の非常に大きな影響力を持つ差異点(ア)と,ある程度の影響力を持つ(イ)とを総合すれば,もはや両意匠の類否判断を左右するに至っているものと判断される。

(3)総合判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,形態において,共通する基本的構成態様と具体的構成態様が相まって形成するまとまりが両意匠の共通するある基調を形成しているが,その基調は漠然としありふれたものであって両意匠のみの特徴を形成しないのに対して,各差異点を総合すると類否を左右するに至っているものと判断され,差異点が共通点を凌駕して類否判断を支配するというべきものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しない。


5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,また,他に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2008-09-25 
出願番号 意願2006-11832(D2006-11832) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 橘 崇生 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 杉山 太一
鍋田 和宣
登録日 2008-11-07 
登録番号 意匠登録第1346121号(D1346121) 
代理人 野田 久登 
代理人 竹内 耕三 
代理人 仲村 義平 
代理人 森田 俊雄 
代理人 深見 久郎 
代理人 荒川 伸夫 
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