• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 J2
管理番号 1200321 
審判番号 不服2008-17579
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-09 
確定日 2009-06-10 
意匠に係る物品 腕時計用ベゼル 
事件の表示 意願2007- 11030「腕時計用ベゼル」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由

1 本願意匠
本件審判の請求に係る意匠登録出願は、2006年10月31日のスイス国特許庁への出願に基づき、パリ条約による優先権等を主張して、2007年(平成19年)4月24日に日本国特許庁に出願したものであって、願書おび添付書類の記載によれば、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「腕時計用ベゼル」とし、形態を願書に添付した図面に記載したとおりとしたものである。(審決に添付した「図面第1」参照)

2 原審査の拒絶理由の要旨
本願出願前に、この種物品分野において、腕時計用ベゼルの上面に余地部を残して数字を整列配置することは、意匠1に示すとおりであり、本願意匠は、公然知られた意匠2のベゼルの表面を改変して、単にベゼル上面に余地部を残して数字を整列配置したものに過ぎず、当業者であれば容易に想到できたものであり、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるから、意匠法第3条第2項の規定に該当する。
意匠1:2005年10月13日に特許庁特許情報課が受け入れた、2005年9月30日発行の国際事務局意匠公報(CD-ROM番号:No.08/2005)に掲載された、登録番号DM/066491号の腕時計本体のベゼルの意匠
意匠2:1997年8月19日に特許庁総合情報館が受け入れた、1997年7月31日発行の国際事務局意匠公報第2518頁に掲載された、登録番号DM/040082の時計のガラスぶた(枠)のベゼルの意匠(意匠1および2は、審決に添付した「図面第2」参照。)

3 審判の請求理由の要旨
本願意匠と引用意匠では、ベゼルの上面に配列した数字部分について、配置間隔の差異、「0」と「10」との間の余地および数字「0」の有無、数字の態様(フォント)および配列順序の相違、分単位を示す短縦棒の有無、そして、ベゼルの外形および側面の装飾部品が相違するとおり、具体的な部分において相違し、それらを総合してなる全体的な印象も異なる。
本願が採用した、反時計回り(左周り)の数字配列、「0」を文字盤にを含むデザインを有する時計は未だかつて存在せず、本願意匠は、時計業界の常識を覆す画期的な創作性を備えた意匠であり、当業者が容易に創作できる範疇を凌駕したものである
4 当審判の判断
本願意匠が、公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものか否か、すなわち本願意匠の創作容易性について、以下考察する。
まず、ベゼル上面の数字の配列態様ついて、本願意匠は、ベゼル上面約4分の3周の範囲に、反時計回りに、数字「0」から「10」まで整数順に等間隔に突起して配列し、残り約4分の1周の余地部に、時間を表示する数字、記号等を一切配列していない構成態様が認められる。また、その余地部に、時間の表示を前記「0」から「10」の各間隔と同様に配列することが予定されているとは言えないものである。
これに対し、原審査の拒絶理由に引用した意匠1は、ベゼル上面1周を等間隔で12分割して数字「1」から「10」までを配列し、数字「11」および「12」のみを配列していない態様である(なお、数字部分は、突起しているか否か不明である。)すなわち、数字を配列していない部分は、ベゼルの内縁に沿って施した目盛りの示すとおり、1周を12分割した間隔と等しい間隔で時間が表示される部分であり、本願意匠のような余地部を残した態様とは異なるものである。
ちなみに、各数字間の配列間隔について円中心からの角度を実測すると、前記意匠1はすべて約30度間隔であるのに対して、本願意匠は、「0」から「10」までを約24度間隔とし、余地部の間隔を約120度としている。
そうすると、本願意匠と意匠1とは数字の配列間隔が異なるものであり、また、本願意匠の出願前に、この種物品分野において、ベゼル上面の数字を反時計回りに配列した態様のものは見受けられない。したがって、本願意匠は、意匠1に基づいて、ベゼル上面に数字を配列したものとは言えない。
次に、ベゼルの外側面の態様について、意匠1は、12角形状に面取りし、他方、同拒絶理由に引用した意匠2は、外側面全体に、上方を円弧状とした略方円形状の凹部を等間隔多数形成しているのに対し、本願意匠は、意匠1のような面取りをしない外側面全体に、略卵形状の凹部を等間隔多数形成している点が認められる。したがって、本願意匠は、意匠1および意匠2に基づいてベゼルの外側面を形成したものとは言えないから、拒絶の理由に示した、公然知られた意匠2のベゼルの表面を意匠1に示すような余地部を残して数字を整列配置したものに改変したとする認定には誤りがあると言わざるを得ない。
以上の点を総合すると、本願意匠は、意匠1に示す形状に基づいて公然知られた意匠2のベゼルの表面を改変し、単にベゼル上面に余地部を残して数字を整列配置したものに過ぎないと言うことができないから、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとは認められない。

5 結び
したがって、本願意匠は、意匠法第3条第2項の規定する意匠に該当しないものであり、同条同項により拒絶すべきものとすることはできない。
また、本願意匠について、他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。




別掲
審決日 2009-05-29 
出願番号 意願2007-11030(D2007-11030) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (J2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 川崎 芳孝本多 誠一 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 並木 文子
鍋田 和宣
登録日 2009-07-17 
登録番号 意匠登録第1367389号(D1367389) 
代理人 久野 琢也 
代理人 杉本 博司 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 山崎 利臣 
代理人 矢野 敏雄 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ