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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D6
管理番号 1200330 
審判番号 不服2008-28976
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-13 
確定日 2009-06-22 
意匠に係る物品 ハンガーネット用掛け具 
事件の表示 意願2007- 25631「ハンガーネット用掛け具」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願意匠は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成19年(2007年)9月21日の意匠登録出願に係り、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「ハンガーネット用掛け具」とし、その形態は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、実線で表した部分を部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とし、細線を部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分の境界のみを示す線としたものである(別紙第1参照)。
一方、原審の拒絶理由において、本願意匠が類似するとした引用意匠は、本願意匠の出願前に日本国内において頒布された刊行物である、日本国特許庁特許情報課が平成14年(2002年)12月12日に受け入れた、2002年(平成14年)10月22日発行の米国特許商標公報(DVD-ROM番号:USP2002W43)に記載された「意匠特許第US D464,560S号」の天井用吊り下げ具の意匠中、本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分に対応する部分の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH14684232号)であって、その形態は、当該公報に記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
そこで、両意匠の類否を検討すると、両意匠の意匠に係る物品については、本願意匠は、上部を、ハンガーネットに取り付け、下部には、小物の日用品、台所用品や商品などを掛けるものであり、引用意匠が、天井用として取り付けられ、下部に引っ掛け部分を備えるものであって、取り付けられる場所や取付け方法等に違いはあるが、ともに、上部にハンガーネットや天井板等の支持具に取り付けて固定するための取り付け部と、下部に商品などを吊り下げるようにするための引っ掛け部を備えたものであり、掛け具の特徴を示す主要な構成部分を具備し、用途及び機能に強い共通性を有することから、両意匠の意匠に係る物品は類似する。
さらに、両意匠の用途及び機能並びに位置、大きさ、範囲については、ともに、引っ掛け部を除く、上部の取り付け部と上部から下部の引っ掛け部へと続く連結部の部分であって、ほぼ一致する。
次に、両意匠の形態についてみると(両意匠を対比する場合には、本願意匠の「正面図」に、引用意匠の「FIG.4」を対応させながら、他の図も適宜それに合わせて認定することとする。)、主な共通点として、(A)全体は、細丸棒状線材によって、上半部を横方向に数回螺旋状に巻き込んだ取り付け部と、その一方の端部を下方に向けて垂れ下げた連結部とで構成した点が認められる。
一方、主な相違点として、(ア)取り付け部を、本願意匠は、側面視縦長楕円形状とし、正面視隣接する線材間にほぼ線材の太さ分の隙間を形成したのに対して、引用意匠は、側面視真円状とし、正面視線材同士が接して隙間を形成しない点、(イ)連結部について、(イ-1)取り付け部から連結部への繋ぎの態様を、本願意匠は、右側面視、取り付け部の前方のほぼ中央位置から接線方向に、下方に従い鉛直線方向に対して僅かに後方へ傾斜させて延伸し、正面視、取り付け部の螺旋状から、下方に従い鉛直線方向に対して僅かに右方向へ傾斜させて延伸したのに対して、引用意匠は、右側面視(FIG.5)、取り付け部の下部のやや後方寄りから、下方に向けて角部を隅丸として、下方に従い鉛直線方向に対して後方へやや大きく傾斜させて屈曲し、正面視(FIG.4)、螺旋状から下方に向けて鉛直線方向に延伸し、(イ-2)連結部の垂れ下がりの態様を、本願意匠は、右側面視、取り付け部から下方に従い鉛直線方向に対して僅かに後方へ傾斜させた直線状とし、正面視、取り付け部から下方に従い鉛直線方向に対して僅かに右方向へ傾斜させながら、連結部の高さ方向のほぼ中央位置で、角部を緩やかな弧状として反対方向へ略縦長「く」の字状に屈曲させ、さらに、下端よりやや上の位置で、角部を緩やかな弧状として鉛直線方向に屈曲させたのに対して、引用意匠は、右側面視(FIG.5)、取り付け部との角部の隅丸から、下方に従い鉛直線方向に対して後方へやや大きく傾斜させた直線状とし、正面視(FIG.4)、鉛直線方向に延伸させた屈曲の無い直線状とした点が認められる。
ところで、この種の掛け具は、使用者が引っ掛け部に商品などを掛けたり、直接掛け具を持って支持具に取り付けたりするものであり、使用者は使用の状態、使用の方法等に十分注意を払うものであり、その具体的な態様に使用者の注意が注がれるものである。
そこで、共通点についてみると、共通点(A)の態様は、両意匠の取り付け部と連結部との概略的な構成を抽出しただけであって、かつ、取り付け部を螺旋状に巻き込む態様をみても、この種の掛け具の分野において、例えば、実開昭49-31540号(考案の名称「ハンガー」)(日本国特許庁昭和49年3月19日公開)記載、第1図及び第2図の符号4「らせん状掛け具」に示すように、古くから見られるものであって、本願意匠と引用意匠のみに限っての特徴的な態様とは言えないことから、この共通点は、使用者の格別の注意を引く程のものではない。
それに対して、相違点は、いずれも掛け具を構成する各部の具体的な態様として、相違点(ア)取り付け部の態様の相違について、取り付け部は、掛け具の特徴を示す主要な構成部分で、意匠登録を受けようとする部分の上半部を占めるものであって、本願意匠の態様、すなわち、側面視縦長楕円形状として、正面視隣接する線材間にほぼ線材の太さ分の隙間を形成した態様は、引用意匠の態様である、側面視真円状とし、正面視線材同士が接して隙間を形成しない態様とは明確に識別できるものであり、かつ、本願意匠の態様は、この種掛け具の分野において従来見られない特徴的なものであり、加えて、本願意匠の線材間に隙間を形成することが、ハンガーネットに容易に取り外し可能とするもので、引用意匠には無い機能を有することを考慮すれば、両意匠の取り付け部の態様を、単に螺旋状に巻き込む態様と一概に括れるものではなく、この相違は、意匠全体として両意匠に異なる印象を与えるというべきであり、意匠全体として両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものである。
また、相違点(イ)連結部の、(イ-1)取り付け部から連結部への繋ぎ態様及び(イ-2)連結部の垂れ下がり態様の相違について、連結部は、意匠登録を受けようとする部分の下半部を占めて、視覚的に目立つものであり、(イ-1)の繋ぎ態様の相違については、とりわけ、本願意匠は、右側面視、取り付け部の接線方向に、下方に従い鉛直線方向に対して僅かに後方へ傾斜させて延伸するものであって、引用意匠の、右側面視(FIG.5)、取り付け部の下部のやや後方寄りから、下方に向けて角部を隅丸として、下方に従い鉛直線方向に対して後方へやや大きく傾斜させて屈曲したものとでは、明らかに繋ぎの構成態様が異なるものであり、また、(イ-2)の垂れ下がり態様の相違については、とりわけ、本願意匠が、正面視、連結部の高さ方向のほぼ中央位置で、角部を緩やかな弧状として反対方向へ略縦長「く」の字状に屈曲させ、さらに、下端よりやや上の位置で、角部を緩やかな弧状として鉛直線方向に屈曲させたものであって、引用意匠の、正面視(FIG.4)、鉛直線方向に延伸させた屈曲の無い直線状としたものとでは、両意匠に視覚的に明らかに異なる印象を与えることになることから、これらの相違は、いずれも、意匠全体として両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものである。
そして、共通点及び相違点を総合すれば、共通点は、使用者の格別の注意を引く程のものではないのに対して、相違点は、いずれも意匠全体として両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものであり、これら相違点の相まって奏する視覚的なまとまりは、両意匠の類似判断を決定付けて、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものというべきである。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が類似し、用途及び機能並びに位置、大きさ、範囲も、ほぼ一致するが、形態において相違点が共通点を凌駕し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。
以上のとおりであり、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2009-05-29 
出願番号 意願2007-25631(D2007-25631) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 松尾 鷹久加藤 真珠 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 杉山 太一
市村 節子
登録日 2009-07-24 
登録番号 意匠登録第1367747号(D1367747) 
代理人 水野 桂 
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