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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1200335 
審判番号 不服2008-29446
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-19 
確定日 2009-07-06 
意匠に係る物品 デジタルオーディオプレーヤー付無線電話機 
事件の表示 意願2007- 21768「デジタルオーディオプレーヤー付無線電話機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとし,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとして2007年(平成19年) 8月 9日に出願されたものであり,その意匠は,願書および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「デジタルオーディオプレーヤー付無線電話機」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)」は,願書の記載および願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり,一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線であるとしたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)。(別紙第1参照)


第2 原審の引用意匠
原審において本願意匠が類似するものとして引用された意匠は,本願出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物である,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2005年10月20日に受け入れた外国雑誌「form Zeitschrift fur Gestaltang」第13頁所載 携帯電話機の相当する部分の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HB17011063号)であり,その形態は,同誌の写真に現されたとおりのものである(以下,引用された意匠について本願意匠に相当する部分の意匠を「引用意匠」という。)。(別紙第2参照)


第3 請求人の主張
請求人は,拒絶査定を不服として,請求の趣旨として「原査定を取り消す,本願は登録をすべきものであるとの審決を求める。」との審判を請求し,証拠方法として「請求の理由として,概略次のとおり主張した。

両意匠は,「デジタルオーディオプレーヤー付無線電話機」若しくは「携帯電話機」に関するもので,意匠に係る物品が共通し,上面部,側面部,底面部にかけて形成した帯状のフレーム部を備えるという点で共通するが,一方,両意匠は,構成態様について,本願意匠は,上面部,側面部,底面部にかけて形成した帯状のフレーム部と,このフレーム部の内側に接する操作ボタン部周囲の面からなるのに対し,引用意匠は,フレーム部は備えるがフレーム部の内側に接する部分に操作ボタン部周囲の面を形成していない。本願意匠においては,フレーム部の内側に接してすり鉢状に落ち込む形状の面は,例えば,側面から見た際に,上片部筐体と下片部筐体の間に,反対側や操作ボタンが見えるような隙間が表れないための構成であり,本願意匠において本質的で非常に重要な部分である。しかし,引用意匠はかかる面を備えておらず,開いた状態の正面視においてはフレーム部が細縁状に表れているのみであるから,その全体の形状として本願意匠とは明瞭に相違しているものであり,この相違点によって両意匠が需要者に与える印象は全く異なるものである。
また,本願意匠は,側面視でフレーム部の上部のみを背面側にカーブさせたものであるのに対し,引用意匠は,フレーム部の上部および下部を背面側に曲げて,フレーム部全体として背面側に緩やかにカーブさせた形状である。
さらに,正面視において,本願意匠はフレーム部の上部,下部,左右側部を直線状に形成した上で四隅を丸状としているが,引用意匠はフレーム部の上部全体および下部全体を弧状にカーブさせた形状であり,四隅を丸く形成したものではない。すなわち,両意匠のフレーム部全体を側面視や正面視のみではなく立体的に観察した場合,本願意匠は,直線状部を基調としつつ,側面視では上部のみ僅かに背面側にカーブさせ,正面視においても四隅のみを丸状にしたものであるのに対し,引用意匠は,正面視の上部全体および下部全体を弧状に形成し,側面視においても全体が背面側にカーブしており,曲線状部を基調としている。これにより,本願意匠のフレーム部は全体として整然として直線と丸みとが融和したイメージを醸し出しているが,引用意匠のフレーム部は全体として丸みが強く表れた変化に富んだイメージを醸し出しているものである。
これに加えて,本願意匠はフレーム部を幅広に形成しているのに対し,引用意匠は幅狭に形成しており(前記差異点D),両意匠のフレーム部が相違する印象を一層強めている。
したがって,両意匠を,意匠登録を受けようとする部分の全体として比較すると,本願意匠において本質的で非常に重要な部分であるフレーム部の内側の面を引用意匠が備えていないため,両意匠の形態は全く異なるものであり,さらに,フレーム部も上述のように異なるイメージを呈しているものであるため,両意匠は,全体として異なる美感を呈していると需要者に認識されるものである。よって,本願意匠と引用意匠とは非類似である。


第4 当審の判断
そこで検討するに,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,用途・機能および位置・大きさ・範囲もほぼ共通している。
一方,形態についてみると,両意匠は,いわゆるスライド式の携帯電話機の本体部背面側の摺り合わせ部分に係る帯状の縁部を形成しているというという点では概略共通しているといえるが,具体的に見ると,本願意匠は,平面視縦長隅丸長方形状をなし,四辺が直線的であるのに対して,引用意匠は平面視縦長略楕円形状をなし,特に上下の二辺は,円弧状をなしている点に差異があり,また,側面視した場合,本願意匠は,ほぼ直線的な細幅帯状をなし,上端部付近でやや背面方向に屈曲しているのに対して,引用意匠は,全体が前面側に緩やかに膨らんだ極細幅の略円弧状をなしている点に差異があり,また,本体前面部をスライドさせた場合に表れる数字キー周辺部の態様について,本願意匠は,外側から中央に向かって斜めに傾斜し,略すり鉢状に落ち込む形状の面が形成されているのに対して,引用意匠は,極細幅の縁部であって傾斜は見られない点に差異があるものであって,これらの差異点は,両意匠の基調および骨格をなすものであって,それぞれが表出する異なる印象は,両意匠の類否判断を決定付けているという他なく,両意匠は類似するということはできない。


第5 むすび
以上のとおりであって,原審の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとは言えず,同条同項柱書の規定によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2009-06-22 
出願番号 意願2007-21768(D2007-21768) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 藤原 宗久良北代 真一 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 淺野 雄一郎
杉山 太一
登録日 2009-07-17 
登録番号 意匠登録第1367339号(D1367339) 
代理人 野間 悠 
代理人 佐藤 英二 
代理人 黒川 朋也 
代理人 長谷川 芳樹 
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