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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K1 |
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管理番号 | 1200341 |
審判番号 | 不服2008-32813 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-12-26 |
確定日 | 2009-07-08 |
意匠に係る物品 | 理美容はさみ |
事件の表示 | 意願2008- 4525「理美容はさみ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成20年2月28日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「理美容はさみ」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 これに対して,原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は,特許庁発行の意匠公報記載、意匠登録第1231195号(意匠に係る物品、はさみ)の意匠(の刀身部分)であって,その形態は,当該カタログに記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.請求人の主張 請求人は、審判を請求し、概ね次のとおりの主張をした。 本願意匠は、刃線に沿ってV字形の小さな溝が複数列設されており、溝内で刃体の厚みは開口端に向かって漸次薄くなり、鋭利な刃を形成している。すなわち、刃線に沿ってV字形の小さな刃(以下、「V字刃」と称する)が複数列設されている。そして、V字刃は、一対の刃体の一方(静刃)において、刃先から枢着軸部に向かって、刃体の約2/3の長さにわたって配されている。V字刃は上記範囲において略同一間隔で列設されており、隣接するV字刃とV字刃との間には、直線状の刃部が存在する。 一方、引用意匠の刃体は、ごく普通に見られる形態であり、具体的態様として本願意匠と対比すべき構成を何ら有していない点で、両意匠は形態上の差異を有する。 切断に伴う髪の動きを常に注視している理容師や美容師にとって、髪の逃げを抑止しつつ髪を滑らかに切断するV字刃は、髪の動きに伴って非常に注意を引きやすい部分である。すなわち、V字刃は、本願意匠に係る物品の特性からみて、需要者が関心を持って常に観察する部分であり、視覚的印象に大きな影響を及ぼす部分である。したがって、本願意匠は、本願意匠のV字刃と対比されるべき形態要素を何ら持たない引用意匠とは、明らかに非類似の意匠である。 4.当審の判断 そこで,本願の意匠と引用の意匠を比較すると,まず,両意匠は,意匠に係る物品が共通する。 次に,形態について,共通点と差異点について総合的に検討すると,共通点については,「はさみ」なる物品として成立する最小限の共通性であり、言い換えると、「はさみ」であるならば、すべてのはさみに共通する形態であって,この極めて一般的な点が共通することを以て,類似するといえるほど格別な特徴とはいえない。 一方,差異点であるV字刃の態様については,引用の意匠とは異なる本願の意匠の独特な特徴をよく表しているものであることから,僅かな相違とはいえないものであり,これらの類否判断に及ぼす影響は大きいということができる。 以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は共通するが,その形態については,両意匠の共通点および差異点の視覚的効果を総合的に判断すると,両意匠は類似しないものといわざるを得ない。 5.結び したがって,本願の意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-06-17 |
出願番号 | 意願2008-4525(D2008-4525) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(K1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大峰 勝士 |
特許庁審判長 |
関口 剛 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 樋田 敏恵 |
登録日 | 2009-07-24 |
登録番号 | 意匠登録第1367923号(D1367923) |
代理人 | 前田 勘次 |
代理人 | 大矢 正代 |