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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1201899 
審判番号 不服2008-7916
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-02 
確定日 2009-08-04 
意匠に係る物品 カメラ付き携帯電話機 
事件の表示 意願2007- 14836「カメラ付き携帯電話機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2007年(平成19年) 6月 5日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は「カメラ付き携帯電話機」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は,願書の記載および願書に添付した図面に表されたとおりのものである。(別紙第1参照)


第2 原審の引用意匠
原審において,拒絶の理由として引用された意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前に日本国特許庁が発行した意匠公報記載の意匠登録第1221769号(意匠に係る物品,カメラ付き携帯電話機)の意匠(発行日:2004年(平成16年)11月 2日)であって,その形態は,同公報の図面に表されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 当審の判断
1.両意匠の対比
本願意匠と引用意匠を比較すると,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,その形態については,主な共通点と差異点が以下のとおり認められる。
(共通点)
(A)基本的構成態様として,筐体全体は,携帯電話機において,ストレートタイプと呼ばれるものであって,略縦長矩形薄板状に形成されており,正面部の態様について,上からスピーカー部,液晶表示部,操作部およびテンキー部を設け,背面部の態様について,上部にカメラ部を設けた点。
(B)具体的な構成態様として,スピーカー部の態様について,表示部上方の余白中央部に横長筋状の放音孔を設けた点,液晶表示部の態様について,略長方形の表示画面を縦長に正面部の上側に設けた点,操作部の態様について,中央に配された大円形状のカーソルキーを配し,その左右に対称形でかつ上下2段の横長帯状の操作キーを配した点,テンキー部の態様について,縦方向に四段の略横筋状に構成されており,その1段は3個のキーを均等に配した点。

(差異点)
基本的構成態様として,
(ア)筐体全体の側面視した形状は,本願意匠は,薄手の略縦長平行四辺形をなしているのに対して,引用意匠は,厚手で略縦長台形状をなしている点。
具体的構成態様として,
(イ)筐体の構成態様について,本願意匠は,スピーカー部,液晶表示部および操作部が配設される「前面パネル」,テンキー部が配設される「前部筐体」ならびにカメラ部と蓋部が配設される「後部筐体」の3ピース構成になっており,前部筐体は,前面上方から後部筐体にかぶさるように側面視において帯状に逆「L」字状に形成され背面側にまで回り込んでいるのに対して,引用意匠は,スピーカー部,液晶表示部,操作部およびテンキー部が配設される「前面パネル」ならびにカメラ部および蓋部が配設される「筐体本体」の2ピース構成になっており,前面パネルは,左右から筐体本体に挟み込まれるように形成され,筐体本体上端部および同下端部において,前面パネルがそれぞれ中ほどまで回り込んでおり,筐体本体上端部および同下端部が略丸面状をなしている点。
(ウ)左右側面部の態様について,本願意匠は,後部筐体の上端にカメラカバーが表れているのに対して,引用意匠は,筐体本体の右側面に円形状のカメラのシャッターボタンが,左側面に縦長トラック状の模様が,下半部の背面側に蓋部が表れている点。
(エ)液晶表示部の態様について,本願意匠は,透明な前面パネルに内設した縁取りのないものであるのに対して,引用意匠では,まわりに細幅で外周が隅丸略長方形状の縁取りがある点。
(オ)操作部の態様について,本願意匠は,中央に配された大円形状のカーソルキーと左右の上下2段の横長帯状の操作キーがひとまとまりに構成されているのに対して,引用意匠は,中央に配された大円形状のカーソルキーと左右2つの上下2段の横長帯状の操作キーがそれぞれ独立して配置されている点。
(カ)カメラ部の態様について,本願意匠は,背面部の上端付近の透明な横長帯状のカメラカバーの中央に小円形状のカメラレンズ部が配されているのに対して,引用意匠は,背面部の蓋部のすぐ上に形成された横向き鍵穴状の飾りパネル内の左側に小円形状のミラー部と右側に大円形状のカメラレンズ部が配されている点。
(キ)テンキー部の態様について,本願意匠は,その下側と左右両側に一定幅の余白が設けられているのに対して,引用意匠は,その下側に細幅の余白部が設けられており,左右両側は前面パネルの両幅と一致している点。
(ク)透明部の態様について,本願意匠は,操作部を除く前面パネルおよび背面の上端付近の横長帯状の区画が透明であるのに対して,引用意匠は,液晶表示部とその周辺の縁取りされた部分のみが透明である点。

2.両意匠の類否判断
以上の共通点および差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

共通点(A)の態様は,単なる液晶表示部,操作部,テンキー等の配置を示すに過ぎず,概括的な共通性であって,この共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は極めて微弱であるという他ない。また,共通点(B)の態様も携帯電話機の意匠においては,いずれの態様もそれぞれよく見られる態様であり,この共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響も限定的なもので,微弱であるといわざるを得ない。
これに対して,基本的構成態様に係る差異点(ア)は,形態の基調をなすものであり,また,筐体の構成態様に係る差異点(イ)は,この種の携帯電話機という手にとって比較的間近で使用する物品では,見る者の注意を惹く筐体全体にわたる具体的構成態様に係るものであって,かつ,本願意匠については先行意匠にはあまり見られない本願意匠のみに係る特徴というべき態様であり,これらの差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は極めて大きいものである。さらに,その他の差異点のうち,特に,操作部の態様に係る差異点(オ)およびテンキー部の態様に係る差異点(キ)は,同様に見る者の注意を惹く前面部分の具体的態様に係るものであるから,これらが前記の差異点(ア)および同(イ)と相まって奏する意匠的効果は,前記の共通点が及ぼす影響を凌駕して,両意匠の類否判断を決定付けており,両意匠をして別異の感を生じせしめているといい得るものである。

3.小括
以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は一致するが,この一致点は,両意匠の類否判断の前提となるに過ぎないものであり,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響が微弱であるのに対して,差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,差異点が共通点を凌駕しており,両意匠は,意匠全体として観察した場合には,類似するということはできない。


第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原審の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願は,同条同項柱書き柱書の規定により拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審においてさらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論の通り審決する。
別掲
審決日 2009-07-21 
出願番号 意願2007-14836(D2007-14836) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 北代 真一 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 淺野 雄一郎
杉山 太一
登録日 2009-08-28 
登録番号 意匠登録第1370402号(D1370402) 
代理人 田畑 昌男 
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