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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E3 |
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管理番号 | 1203719 |
審判番号 | 不服2008-30907 |
総通号数 | 118 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-12-05 |
確定日 | 2009-09-14 |
意匠に係る物品 | ゴルフクラブ用ヘッド |
事件の表示 | 意願2007-29754「ゴルフクラブ用ヘッド」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,2007年(平成19年)6月13日にアメリカ合衆国においてした出願に基づきパリ条約による優先権を主張する,2007年(平成19年)10月29日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ゴルフクラブ用ヘッド」とし,その「形状,模様,若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は願書の記載および願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,実線で表した部分が部分意匠として登録を受けようとする部分としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)。(別紙第1参照) 第2 引用意匠 原審で通知された拒絶の理由において,本願意匠に類似するとして引用された意匠は,本願出願前,日本国内または外国において頒布されたカタログであって,2006年(平成18年)8月31日に特許庁意匠課が受け入れた「EDWIN WATTS GOLF Late Summer 2006<Making the game more fun since 1968>」の第3頁に所載の「ゴルフクラブ用ヘッド」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HD18007207号)であって,その形態は,同カタログの図版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照) なお,上記の引用した意匠について,本願意匠に相当する部分の意匠を,以下,「引用意匠」という。 第3 当審の判断 1.両意匠の対比 (1)意匠に係る物品 両意匠の意匠に係る物品は,一致する。 (2)位置・大きさ・範囲および用途・機能 両意匠は,形態全体の中での位置・大きさ・範囲および用途・機能がほぼ共通する。 (3)形態上の主な共通点と差異点 形態については,バックフェース面の外郭形状とほぼ相似形の第1キャビティ部を形成している点と,その第1キャビティ部の中程の平坦部に略楕円形形状の第2キャビティ部を設けた構成態様が共通する。 他方,両意匠間には,(ア)本願意匠は第2キャビティ部が第1キャビティ部のほぼ中央に位置し,第1キャビティ周縁部と重なり合わないのに対して,引用意匠は第1キャビティ周縁のソール側の一部に凹みを設け,第2キャビティ部の一部がこの凹みに入り込んでいる点,(イ)本願意匠は第1キャビティ内トゥ側上部に一段肉厚とした凸部を設けているのに対して,引用意匠はほぼ同位置に厚みのない製品名等を表示する装飾部を設けているのみである点,(ウ)引用意匠にのみ第1キャビティ内ヒール側に一段肉厚とした凸部を設けている点,において構成態様上の主な差異がある。 2.両意匠の類否判断 以上の一致点,共通点および差異点が両意匠の類否判断に与える影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討すると,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠全体の骨格を成し,一定の共通する基調を形成するものではあるが,しかしながら,それは従前のこの種意匠に照らすところ普通にみられる類型的態様であって,両意匠のみの特徴を形成するものとはいえず,よって,この共通点が類否判断に及ぼす影響力を大きいということはできない。 これに対して,前記各差異点については,(ア)の第1キャビティ周縁部と第2キャビティ部の位置関係の差異は,直接ヘッドの重心の移動に係り,需要者が格別注意を払うところにおいて大きく異なるところであり,この差異点の影響力は相当に大きいものというべきである。 そして,差異点(イ)の第1キャビティ内のトウ側上部と,(ウ)の第1キャビティ内ヒール側の凸部の有無の各態様が,(ア)に係る上記差異をいっそう際立たせるから,これら3つの差異点を合わせれば,もはや差異点が前記の影響力の大きくない共通点を優に圧しているといえ,それら差異点の相まった態様は,類否判断を左右するものである。 以上のとおりであり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,形態全体の中での位置・大きさ・範囲および用途・機能がほぼ共通しているが,形態において差異点が共通点を凌駕し,本願意匠は,引用意匠に類似しない。 第4 むすび したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないから,同条同項柱書の規定によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-08-24 |
出願番号 | 意願2007-29754(D2007-29754) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(E3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 遠藤 行久 |
特許庁審判長 |
瓜本 忠夫 |
特許庁審判官 |
淺野 雄一郎 杉山 太一 |
登録日 | 2009-10-02 |
登録番号 | 意匠登録第1372392号(D1372392) |
代理人 | 特許業務法人快友国際特許事務所 |