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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1211322 |
審判番号 | 不服2009-18376 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-09-29 |
確定日 | 2010-01-05 |
意匠に係る物品 | フロースイッチ |
事件の表示 | 意願2008- 10016「フロースイッチ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成19年4月18日に意匠登録出願されたものであって、意匠に係る物品が「フロースイッチ」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原審において、拒絶の理由として引用された意匠は、特許庁意匠課が1997年10月21日に受け入れたCKD株式会社発行のカタログ「第18油圧空気圧国際見本市IFPEX’97」第32頁に掲載された「流量センサー」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC09024954号)であって、その形態は写真版に現わされたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、いずれも流量を検出するフロースイッチに係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、形態については主として、以下の共通点及び差異点が認められる。 (1)共通点 (A)全体は、下方中央の略直方体状のボディ部(以下、「中央ボディ部」という)の左右両端に、側面を略角柱状とした筒状部を、圧力流体導入ポート部及び圧力流体排出ポート部として、それぞれ取り付け、中央ボディ部の上端に略直方体状のインターフェイス部を設けている点、(B)インターフェイス部は、やや扁平であって、中央ボディ部と互いに前後両面を同一面状としている点、(C)圧力流体導入ポート部及び圧力流体排出ポート部の開口部をいずれも円形状としている点、(D)インターフェイス部の上面四隅に螺子部を設けている点において共通する。 (2)差異点 (a)圧力流体導入ポート部、中央ボディ部、圧力流体排出ポート部の長手方向の長さに対する比について、本願意匠は、約1:1:1であるのに対し、引用意匠は、約1:4:1である点、(b)圧力流体導入ポート部及び圧力流体排出ポート部の側面視の形状について、本願意匠は、略正方形状であるのに対し、引用意匠は、上下両辺を互いに平行とし、左右を互いに外側へ弧状としている点、(c)インターフェイス部の外形状について、本願意匠は、四方を丸面状とした扁平直方体状であるのに対して、引用意匠は、上方がやや窄めた略横長角錐台状である点、(d)底部について、本願意匠は、略隅丸矩形状のアタッチメントを4つ配しているのに対して、引用意匠は、アタッチメントを設けていない点に差異が認められる。 4.類否判断 そこで検討するに、共通点の態様は、この種のフロースイッチの分野において従来から多数見受けられる態様であって、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできないから、両意匠の類否判断を左右するものとはなり得ない。 これに対し、差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、看者の注意を強く惹くもので、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。 とりわけ、差異点(a)に係る態様は、中央ボディ部、圧力流体導入ポート及び圧力流体排出ポート部の形態全体の骨格的な態様に係り、圧力流体導入ポート部、中央ボディ部、圧力流体排出ポート部の長手方向の長さに対する比における差異は、正面における印象の違いを大きく左右するものといえ、看者の注意を強く惹くもので、その差異は両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。また、差異点(b)及び(c)に係る態様は、圧力流体導入ポート及び圧力流体排出ポート部の形状についての差異、インターフェイス部の外形状についての差異であって、互いに相俟って、左右の側方視態様において、本願意匠は、角張った印象を、引用意匠は、丸みを帯びた印象を与えているものであるから、その差異は、両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。差異点(d)に係る態様は、それのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、差異点(a)乃至(c)に係る態様と相俟って、類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。 5.むすび したがって、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-12-16 |
出願番号 | 意願2008-10016(D2008-10016) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 裕和、原田 雅美 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
鍋田 和宣 並木 文子 |
登録日 | 2010-02-19 |
登録番号 | 意匠登録第1382885号(D1382885) |
代理人 | 大内 秀治 |
代理人 | 宮寺 利幸 |
代理人 | 千葉 剛宏 |