• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J3
管理番号 1212861 
審判番号 不服2009-19547
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-13 
確定日 2010-02-16 
意匠に係る物品 デジタルカメラ 
事件の表示 意願2008- 20518「デジタルカメラ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
1 本願意匠
本件審判の請求に係る意匠登録出願の意匠(以下、「本願意匠」という。)は、2008年(平成20年)8月7日に出願したものであって、出願書類の記載によれば、意匠に係る物品を「デジタルカメラ」とし、その形態を願書の記載および添付図面に記載したとおりとしたものである。(この審決に添付した「図面第1」)

2 引用意匠
原審査において、本願意匠が類似するとして引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、2007年3月27日にインターネットを通じて公衆に利用可能となった、ソニー株式会社のホームページ(http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T20/style.html)の「SONY Cyber-shot DSC-T20 -各部名称」に掲載された「デジタルカメラ」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ18040884号)であって、その形態は、前記ホームページに写真により現されたとおりのものである。(この審決に添付した「図面第2」)

3 本願意匠と引用意匠の対比
本願意匠および引用意匠は、いずれも携帯用のデジタルカメラに係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、両意匠の形態については、主として、以下のとおりの共通点および差異点が認められる。
先ず、共通点として、デジタルカメラのボディ全体(以下、「カメラボディ部」という。)は、正面(撮影レンズ側)視横長略矩形のやや扁平であって背面周縁を略匙面状に面取りした筐体状であり、正面の右上隅寄りに略上下截切円状の撮影レンズ部を、その左側に横に細長いストロボ部をそれぞれ設け、正面の周縁を除いて上下一定幅にスライドする略横長矩形のパネルを撮影レンズを開閉するバリア(以下、「バリア部」という。)として装備し、そして、カメラボディ部背面に、左方を横長矩形の画像表示部とし、右方約3分の1スペースに各種操作部を設けた態様が認められる。
一方、差異点として(1)カメラボディ部正面の撮影レンズ部及びストロボ部の周囲の態様について、引用意匠は、バリア部の左右両端と略同幅の横長矩形状のパネル部を嵌め込み状に形成しているのに対し、本願意匠は、そのような部分を形成していない平滑無模様である点、(2)カメラボディ部背面右方の各種操作部及びその周囲の態様について、本願意匠は、縦長矩形状の区割りの内側に、上2段及び最下段をいずれも同形同大の略「コ」字形状とその左側に逆略「コ」字形状を向かい合わせた態様の操作部並びに、3段目にやや大きな略「X」字形状の操作部をそれぞれ設けた態様であるのに対し、引用意匠は、最上段の横に細長長円形の操作部を、下端寄りの略同心円状の操作部及びその上下両側の左端寄りにいずれも小円形の操作部をそれぞれ設け、これら操作部の周囲に区割りを施した態様を現していない点、そして、(3)カメラボディ部の背面側から見たカメラボディ部上端面の態様について、本願意匠は、共通点認定の前記略匙面状の面取りに沿って左右両側面に至る板状の突出部を形成し、その左方を細幅とし、右方を広幅としてその広幅部分の略中央にさらに長円形板状の突出部を形成し、その左方に電源スイッチを、右方に長円形状のシャッターボタンをそれぞれ設けているのに対し、引用意匠は、上端面の略中央横方向の左右両端寄りまでを細長い区割り状に囲み、その左端に区割りの前後より突出した大きさの円形状のシャッターボタンを設けているほかは具体的な態様が不明である。
4.本願意匠と引用意匠の類似性についての判断
以上の共通点および差異点を総合し、本願意匠と引用意匠が意匠全体として類似するか否か、すなわち両意匠の類似性について以下考察する。
先ず、カメラボディ部全体について共通しているとした態様並びに、カメラボディ部の正面及び背面についての共通しているとした態様は、引用意匠のほかにも多数見受けられ、この種扁平すなわち薄型のカメラボディ部の構成態様としてありふれたものであり、本願意匠と引用意匠のみに共通する点とは言えず、両意匠の類似性についての判断に与える影響も軽微なものにとどまるから、これら共通点を総合したとしても、直ちに両意匠の類似性についての判断を左右するものとは言えない。
一方、前記各差異点が、本願意匠と引用意匠の類似性についての判断に与える影響を考察すると、差異点(1)については、機能上、電源スイッチとバリア部が連動して開閉する部位の態様についての差異であり、また、撮影時には撮影レンズ部及びストロボ部に注意を払うため、これら部分の周囲の態様の差異についても、両意匠の類似性についての判断に影響を与えるものと言える。
差異点(2)については、本願意匠のカメラボディ部背面右方の各種操作部の構成態様は、この種カメラの操作部の形状として、本願意匠の出願前に見受けられない態様であって、本願意匠のカメラボディ部の背面を格別に特徴づけている意匠であり、写真撮影、画像の再生及び編集時等において常に注意を払う部位の態様についての差異である点も考慮すると、その差異は、両意匠の類似性についての判断に与える影響がきわめて大きいものと言える。
差異点(3)については、主要な操作部であるシャッターボタンの形状のみならず、その周囲の態様についても前記のとおりの差異が認められ、操作上、カメラボディ部の上面は注意を払う部位である点も考慮すると、その差異が両意匠の類似性についての判断に与える影響は大きいものと言える。
そうすると、差異点はいずれも両意匠の類似性についての判断に影響を与えるものであるところ、この種カメラの分野において、本願意匠の差異点(2)にかかる各種操作部の構成態様は、本願意匠のみに特異とも言うべき意匠的な効果を生じているものであり、この差異点のみによっても両意匠の類似性についての判断を左右するものと言える。
以上のとおり、本願意匠と引用意匠は、意匠に係る物品が共通しているが、形態については、共通点よりも差異点の方が両意匠の類似性についての判断に与える影響が支配的であるから、両意匠は、意匠全体として互いに類似しないものと認める。

5.結び
したがって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものであり、同条の規定により拒絶すべきものとすることはできない。
また、本願意匠について、他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。







別掲
審決日 2010-01-29 
出願番号 意願2008-20518(D2008-20518) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 伊藤 宏幸綿貫 浩一 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 樋田 敏恵
鍋田 和宣
登録日 2010-03-19 
登録番号 意匠登録第1385626号(D1385626) 
代理人 伊藤 進 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ