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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1212878 |
審判番号 | 不服2009-19100 |
総通号数 | 124 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-04-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-07 |
確定日 | 2010-03-16 |
意匠に係る物品 | 人体検知センサー付スイッチ |
事件の表示 | 意願2008- 19037「人体検知センサー付スイッチ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は、意匠法第4条第2項の適用を受けようとする、平成20年7月24日の意匠登録出願であって、その意匠(以下、「本願意匠」という)は、意匠に係る物品が「人体検知センサー付スイッチ」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原審において、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして、拒絶の理由として引用された意匠は、特許庁発行の意匠公報掲載の意匠登録第1187759号「人体検知センサー付きスイッチ」の意匠であって、その形態は同意匠公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、いずれも「人体検知センサー付きスイッチ」に係るものであるから、意匠に係る物品が一致し、形態については主として、以下の共通点及び差異点が認められる。 (1)共通点 (A)全体は、略縦長直方体状の筐体の背面に扁平な略直方体状のベース部(以下、「ベース部」という)を下方に突出して設けた点、(B)筐体の底面中央に、略半球状に突出したセンサー部を設け、センサー部の周囲に側面全周を丸面状とした環状の突出部を台座部として設けた点、(C)ベース部は前後の二部材で構成し、背面側部材の中央に大型矩形状の孔部を設け、その上下に円形状及び楕円形状の小型の孔部を配した点、(D)全体の縦横及び奥行きの比率を約2.2:1.4:1とした点において共通する。 (2)差異点 (a)筐体の態様について、本願意匠は、直方体状で角張っているのに対して、引用意匠は、略倒角錐台状で上面と左右側面がベース部側に向かって拡がるように傾斜し、前面を囲む前方側上辺と左右の辺及び上面の左右の辺となる稜線部が丸面状であり、前面の上方左右角部は丸く、全体に丸みを帯びている点、(b)ベース部の四隅部分の正面視態様について、本願意匠は、直角状であるのに対して、引用意匠は、やや大きな角丸状である点、(c)ベース部の側面視の態様について、本願意匠は、前方ベースを筐体と同一面に形成し、前方部分に対し、後方部分の上下両端及び側面部分を段落ち状に形成し、前方部分を後方部分よりも広幅としているのに対して、引用意匠は、前方ベースを筐体底面の縁に連続する突出状フレーム部分と一体状に形成し、突出状フレーム付き前方ベースと後方ベースを筐体と同一面に形成し、後方部分を前方部分よりも広幅としている点、(d)センサー部後方のベース部の周囲の正面視態様について、本願意匠は、中央寄りに矩形状の区割り線を有しているのに対して、引用意匠は、センサー部の奥側に横長矩形状区割り線を有し、ベース部前方部分の縁全周に面取りを施して、その下端中央を逆「U」字状に形成し、その中に螺子孔を設けている点、(e)筐体の底面部について、本願意匠は、筐体前面部の縁が逆凹字状に視認できるのに対して、引用意匠は、フレーム部に沿って細い面取りを施し、中央に略逆「U」字状の区割り線を有している点に差異が認められる。 4.類否判断 そこで検討するに、共通点の態様は、この種の人体検知センサー付スイッチの分野において従来から多数見受けられる態様であって、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできない。 これに対し、下記考察のとおり、差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、看者の注意を強く惹くものであるから、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。 とりわけ、差異点(a)乃至(c)に係る態様は、筐体の態様及びベース部の態様についての差異が、両意匠の形態全体の骨格的な態様に係り、両意匠の前方からの印象を大きく決定付けるものといえ、看者の注意を強く惹くものもので、その差異は、両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。差異点(d)に係るセンサー部後方のベース部の正面視態様における差異は、看者の注意を惹きやすい部位にかかる差異であって、両意匠に互いに異なる形態上の特徴を生じているから、両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。差異点(e)に係る態様は、それのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、差異点(a)乃至(c)に係る態様と相俟って、両意匠の類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。 5.むすび したがって、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-03-01 |
出願番号 | 意願2008-19037(D2008-19037) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 原田 雅美、小林 裕和 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 鍋田 和宣 |
登録日 | 2010-03-26 |
登録番号 | 意匠登録第1386025号(D1386025) |