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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1214489 
審判番号 不服2009-20264
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-21 
確定日 2010-04-06 
意匠に係る物品 包装用容器の蓋 
事件の表示 意願2008- 6776「包装用容器の蓋」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成20年3月19日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器の蓋」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。

2.引用意匠
原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は, 特許庁発行の意匠公報記載,意匠登録第1199236号(意匠に係る物品,包装用容器の蓋)の意匠であって,その形態は,当該公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.請求人の主張
これに対して,請求人は,審判を請求し,概ね次のとおりの主張をした。
本願意匠と引用意匠には以下に記述する(イ)?(二)のような差異がある。
(イ)中央隆起部分天面壁
本願意匠の中央隆起部分天面壁は,平面視において輪郭が緩やかなカーブを有する四辺と大きなアールの四隅によって囲まれ,全体に丸みを帯びている。それに対し,引用意匠の中央隆起部分天面壁は,平面視において輪郭が直線の四辺に囲まれた略長方形である。
(ロ)中央隆起部分側壁
本願意匠の中央隆起部分側壁は,全体が曲面に形成されていて,上端部に狭幅の垂直壁が,四隅下方に小さな放物線状凹部が,左右側壁には大きな中央凹部が設けられている。それに対し,引用意匠の中央隆起部分側壁は,全体が傾斜した平坦面に形成されている。そして,側壁四隅の斜辺に設けられた溝状凹部が天面壁の周囲に設けられた溝状凹部と相俟って中央隆起部分全体におけるデザイン的統一感を表現している。
(ハ)周縁部分(参考資料3参照)
本願意匠の周縁部分は,四隅のアールが大きく,外側から内側に向かって第一周側壁-水平壁-第二周側壁-上面壁-溝状部と連続する階段状構造をしている。そして,右側面図から認められるように,下端が全周に亘って水平に形成されている。それに対し,引用意匠の周縁部分は,四隅のアールが極小さく,周側壁と上面壁とからのみ構成されている。そして,右側面図から認められるように,左右両側において中央が低い湾曲線状に形成されている。
(二)全体の印象
本願意匠は,四隅の大きなアール,中央隆起部分側壁の曲面,天面壁輪郭の曲線等により全体として丸みを帯びた柔らかい印象を醸し出している。また,中央隆起部分の周囲に溝状部が形成されている態様や周縁部分の複雑な階段状構造は本願意匠の重要な特徴である。さらに,本願意匠は,第一周側壁下端が全周に亘って水平に形成されているため,台上に載置した状態おける安定感がある。それに対し,引用意匠は四隅のアールが小さく直線部分が多いため全体として角張った印象が強い。直線が多い中で周縁部分の左右両側のみが湾曲し,台上に載置した状態において左右下端中央で点接触するため,引用意匠は正面及び背面の下端が宙に浮いた不安定な印象がある。
上記(イ)?(ハ)の差異は意匠全体の印象に大きく影響し,本願意匠においては全体が丸みを帯びた柔らかい印象を醸し出しているのに対し,引用意匠においては全体が角張ったシャープな印象を醸し出している。また,本願意匠の安定感のある印象と引用意匠の不安定さを感じさせる印象の差異は両意匠の顕著な差異として看者に受け止められるものであり,原審審査官が拒絶査定で述べている「中央隆起部分天面壁の態様,中央隆起部分側壁の態様,周縁部分の態様等において相違する点はありますが,それらは極く微細な部分に係るもの」には当たらない。

4.当審の判断
そこで,本願意匠と引用意匠を比較すると,まず,両意匠は,ともに包装用容器の蓋であるから意匠に係る物品が一致する。
次に,形態について,一致点と相違点について総合的に検討すると,一致点については,すなわち,全体が扁平な略四角錘台であり,中央上面に平坦面が形成された中央隆起部とこれを囲む周縁部からなり,周縁部分の上面壁に四隅が高くて四辺中央が低くなる下向きに湾曲したカーブ面を形成し,中央隆起部の側壁の四隅に凹部を形成した点については,下向きに湾曲したカーブ面以外は包装用容器の蓋として必要不可欠の形態といっても過言ではなく,また,下向きに湾曲したカーブ面については,この意匠の属する分野においては,普通にみられる形態であって,多種多様な包装用容器の蓋が制作されている中にあって,このような具体性を欠く概括的な形態が一致することを以て,両意匠が類似するということはできない。
一方,相違点については,すなわち,本願意匠の中央上面の四辺と四隅が丸みを帯びている点,中央隆起部の側壁下部に溝状部を形成し,この溝状部から立ち上がって形成される上面(請求人がいうところの上面壁)を下方向きの湾曲したカーブ面とし,その側壁から縁部に連続する部分に細幅の水平面(同水平壁)を形成し,その外側に周縁部を形成するなど,中央隆起部の側壁以下を階段状の構造とし,蓋全体の下端を水平状とした点,中央隆起部の側壁四隅下方に放物線状凹部が,短辺の側壁中央部に凹部矩形状を形成した点は,引用意匠とは異なる本願意匠の独特な特徴をよく表しているものであることから,僅かな相違とはいえないものであり,これらの類否判断に及ぼす影響は大きいということができる。
以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は一致するが,その形態については,両意匠の一致点および相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が意匠全体の美感に与える影響は大きく,両意匠は類似しないものといわざるを得ない。

5.結び
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-03-24 
出願番号 意願2008-6776(D2008-6776) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 樫本 光司 
特許庁審判長 関口 剛
特許庁審判官 樋田 敏恵
橘 崇生
登録日 2010-04-16 
登録番号 意匠登録第1387782号(D1387782) 
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