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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1218164 
審判番号 不服2009-18968
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-06 
確定日 2010-06-21 
意匠に係る物品 無線電話機用装着パネル 
事件の表示 意願2008- 9187「無線電話機用装着パネル」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意願2008-9186を本意匠とする関連意匠の意匠登録を受けようとして,2008年(平成20年) 4月10日に出願されたものであり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「無線電話機用装着パネル」とし,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)」を願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,本願意匠に対して引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,2005年(平成17年) 6月 6日特許庁発行の意匠公報記載,意匠登録第1241652号(意匠に係る物品,カメラ付き携帯電話機)の意匠の表示部を有す側の筐体の外側に設けられたパネルの意匠であり,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,願書及び図面の記載を総合すると,携帯電話機の交換可能な外装用の部品であって,引用意匠の意匠に係る物品は,当該意匠公報の記載を総合すると,携帯電話機の外装を構成する部品の一つと認められ,両者は,共通する。

(2)本願意匠と引用意匠の形態
本願意匠と引用意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
基本的構成態様として,
(ア)全体は,略縦長矩形状薄板体の「正面本体部」に,正面視左右両側部のそれぞれから背面方向に,左右対称形状に側面視略細幅帯状の「側面部」を延設したものである点,
(イ)正面本体部の上部中央に,横長で扁平な「孔部」を形成している点。

(なお,側面部は,両意匠ともに左右対称形であるので,以下,片側のみを記述する。)

(ii)相違点
(A)側面部の具体的構成態様について,本願意匠は,厚みが均一で長い平面視「L」字状の側面部が正面本体部に繋がった構成であって,側面部の外周面も内周面も平面視直角状の角部を2箇所有する態様であるのに対して,引用意匠は,正面本体部との角部は,平面視,外周面も内周面も四半円弧状であるが,その余の部分は,内周面は,背面方向へ直線状に延設されている態様であり,外周面は,端部側で凹面状に緩やかな弧状をなし,この部分のみの厚みが薄くなっている態様である点,
(B)上下端部の態様について,本願意匠は,上端部が,正面本体部は,正面視水平状であるが,側面部は,側面視,背面方向に「S」字状の緩やかな弧状をなして下方へ傾斜しており,下端部は,全体として正面視略水平状であるが,正面本体部と側面部の板厚を全体に薄くした上に,正面本体部下端中央に「爪状部」を僅かに突設したのに対して,引用意匠は,上下端部ともに全体が水平状である点,
(C)正面本体部の孔部の具体的な態様について,本願意匠は,横長な「陸上競技用トラック状」をなしているのに対して,引用意匠は,扁平な横長矩形状であり,その幅が正面本体部の幅に占める割合も本願意匠より大きいものである点,
(D)全体の構成比率について,正面視した態様で,高さ,幅及び奥行の比が,本願意匠は,略14:8:1であるのに対して,引用意匠は,略8:4:1である点。


2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

(1)共通点の評価
両意匠の基本的構成態様における共通点は,両意匠の形態を概括的に捉えたものであるとともに,先行意匠に照らすところ,ありふれた態様であって,両意匠にのみ特徴的な構成態様ということはできないから,これらの共通点が両意匠の類否判断を決定付けているものということはできず,両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。

(2)相違点の評価
これに対して,両意匠の相違点としてあげた具体的構成態様は,両意匠の類否判断に及ぼす影響が以下のとおり認められ,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕して,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきである。
すなわち,相違点(A)については,この相違点に係る両意匠の態様は,比較的単純な両意匠の形態の中でも,それぞれの特徴をなすものであり,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度あるというべきである。また,相違点(B)も,本願意匠の上端部が携帯電話機のヒンジ部に沿うように形成された態様が先行意匠に見られるとしても,下端部が携帯電話機の該部に嵌め込まれて見えなくなる態様も併せて考慮すれば,引用意匠の上下両端部が外装の一部として表れている態様との相違は大きく,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響も一定程度あるといわざるを得ない。そして,相違点(B)と相違点(A)が相まった視覚的効果を考慮すると,前記共通点の微弱な影響を凌駕して,両意匠に別異の印象を生じさせているという他ない。更に,相違点(C)及び同(D)もそれぞれだけでは両意匠の類否判断に及ぼす影響はそれほど大きくはないが,相違点全体として見れば,前記印象を更に強めているということができる。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品は,共通するが,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響が微弱であるのに対して,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2010-06-09 
出願番号 意願2008-9187(D2008-9187) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 藤原 宗久良 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 杉山 太一
太田 茂雄
登録日 2010-07-02 
登録番号 意匠登録第1393947号(D1393947) 
代理人 佐藤 英二 
代理人 黒川 朋也 
代理人 長谷川 芳樹 
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