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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7 |
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管理番号 | 1218165 |
審判番号 | 不服2009-23199 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-11-26 |
確定日 | 2010-06-16 |
意匠に係る物品 | チャイルドシート本体 |
事件の表示 | 意願2008- 28979「チャイルドシート本体」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成20年(2008年)11月12日(パリ条約による優先権主張 2008年10月1日(US)アメリカ合衆国)の意匠登録出願であって,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「チャイルドシート本体」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は,インターネット上で,2008年5月12日に公知となった「チャイルドシート」の意匠の内,背当て,シートベルト及び座当てを除いたチャイルドシートの意匠 (受入日:特許庁意匠課受入2008年5月16日,掲載者:Amazon.com,表題:Image:Graco Nautilus 3-in1 Car Seat,掲載ページのアドレス:http://www.amazon.com/gp/product/images/B0011URFRE/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=165796011&s=baby-productsに掲載された〔特許庁意匠課公知資料番号第HJ20003711号〕)であって,その形態は,当該インターネット上に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.請求人の主張 これに対して,請求人は,審判を請求し,概ね次のとおりの主張をした。 本願意匠のヘッドレスト部は,斜視図等から明らかなように,左右二枚の独立した側翼とヘッドレスト本体部からなります。ヘッドレスト本体部と各々の側翼の接続部において上側に設けられたプッシュボタン(平面図,斜視図等)により,側翼を動かして自由に角度を調節することができます。側翼は同角度で外側に両開きにした状態から,両翼間を狭めるように内側に回転させることができ,このような使用状態にすると使用者の頭部を安全かつ十分に支えることができます。また,使用者の寝ている姿勢に合わせて両翼をそれぞれ異なる方向に回転させ,角度調節することも可能です。本願意匠のヘッドレスト部が本体部と側翼部からなるという形態上の特徴は需要者の注意を引くものと考えられるため,当該部分が意匠全体の美感に及ぼす影響は大きいと思料致します。一方,引用意匠については,ヘッドレスト部の形態を完全に把握するのは難しく,動いて他の態様をとり得るのかは不明です。一体的に構成されているように見えるため,全く動かないと仮定した場合,需要者にはチャイルドシートの当該部分としてはややありふれた形態と認識されると考えられます。両意匠のヘッドレスト部分の形態における差異点は,需要者に十分認識されるものであり,両意匠全体の美感の違いに影響を与えるものと思料いたします。したがって,両意匠は異なる美感を有する非類似の意匠と評価されるべきものと考えます。 4.当審の判断 そこで,本願意匠と引用意匠を比較する。まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,チャイルドシートから,背当て,シートベルトおよび座当てを除いたチャイルドシート本体であり,引用意匠は,チャイルドシートであって,前者がチャイルドシートの部品であるのに対して,後者はチャイルドシートの完成品である点で異なる物品であるが,前者と後者の相違はカバーの有無のみであり,前者が部品とはいえシートベルトさえ装着すれば,そのままチャイルドシートとして使用可能といえるほど完成品に極めて近い物品であることから,両者は類似物品ということができる。 次に,形態について,総合的に検討すると,引用意匠には背もたれ部,ヘッドレスト部,座面部にカバーが装着されており,これらを取り除いた場合,本願意匠が属する分野における通常の知識を有する者であるならば,本願意匠に近似するものとなると一応推測することが可能ではあるが,そうであるとしても引用意匠が具体的にどのような態様になるのかは視認できないのであるから,引用意匠の態様は不明というほかなく,推測による意匠と本願意匠とを比較することは客観性に欠けるものである上に不合理であるというべきである。 以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は類似するが,その形態について,両意匠は類似しないものといわざるを得ない。 5.結び したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-06-03 |
出願番号 | 意願2008-28979(D2008-28979) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D7)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松尾 鷹久、加藤 真珠 |
特許庁審判長 |
関口 剛 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 橘 崇生 |
登録日 | 2010-07-02 |
登録番号 | 意匠登録第1393828号(D1393828) |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 渡邊 隆 |