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審決分類 |
審判 査定不服 意3条登録用件 取り消して登録 E2 |
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管理番号 | 1219793 |
審判番号 | 不服2009-23163 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-11-26 |
確定日 | 2010-07-06 |
意匠に係る物品 | パチンコゲーム機 |
事件の表示 | 意願2006- 6114「パチンコゲーム機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成18(2006)年3月10日の意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「パチンコゲーム機」とし、形態は願書及び添付図面に記載のとおりであって、実線で表した部分を部分意匠として意匠登録受けようとする部分とし、意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界を一点鎖線で示したものである(別紙第1参照)。 2.原審における拒絶理由 原審における拒絶の理由は、要旨以下のとおりである。 本願意匠は、意匠に係る物品をパチンコゲーム機とし、当該物品の正面上寄り中央に設けられた、液晶表示画面右下隅の任意に区画された範囲内に、遊技者が獲得した未払い賞球個数表示のために、数量表示枠と占有度を示すゲージ付きドル箱図柄をともに表わしたものと認められるが、当該図柄はパチンコゲーム機における遊技開始後の一定の条件下において表示される図柄であって、遊技の進行を受けて表示される自立的でない(物品自体の機能を発揮させるための不可欠な操作や機能を選択するための初期画面などの表示ではない)ものであるから、物品の成立性に照らして不可欠なものとまではいうことはできず、意匠法第2条に定義する意匠を構成しないものである。 したがって、本願意匠は意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない。 3.当審の判断 本願意匠は、願書及び添付図面の記載によれば、意匠に係る物品を「パチンコゲーム機」とし、正面中央やや上寄りに設けられた液晶表示部の右下隅を占める矩形状部を意匠登録を受けようとする部分としたものであって、当該部分の形態を一組の図面(いわゆる基本六面図)と、【部分意匠として意匠登録を受けようとする部分の部分拡大図】、【未払い賞球が1600個の時の部分拡大図】、【未払い賞球が3200個の時の部分拡大図】及び【未払い賞球が6000個の時の部分拡大図】において実線で表すとともに、当該部分とその他の部分との境界を一点鎖線で表したものであり、その用途・機能は、願書の【意匠に係る物品の説明】の記載によれば、遊技者が獲得した賞球の内、未払いとなっている賞球個数の表示に関するものと認められる。そして、上記4種の部分拡大図には、それぞれの図中に未払い賞球の個数が記載され、これに応じたドル箱の数、量(占有度)が変化した図形が図示されている。 そこで、本願意匠をみると、添付図面に示された各図形は、パチンコゲーム機において、未払い賞球の蓄積の状態を視覚的に具現化したものと認められ、これに願書の意匠に係る物品の説明を照らし合わせると、パチンコゲーム機の用途・機能を果たすために創作された図形であって、この種の未払い賞球を記憶する機能を備えたパチンコゲーム機においては、機能上不可欠というべき図形と認められる。さらに、この図形が物品自体の機能に基づいて表示されることも願書の記載から明らかであり、変化の態様においても添付図面に表された範囲のものと特定できるものである。 したがって、本願意匠の各図形は、部分意匠としての意匠を構成していないとはいえず、意匠法第2条第1項に規定する意匠を構成するものであるから、本願意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用できる意匠に該当し、原審の拒絶理由によっては本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願について、他に拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-06-21 |
出願番号 | 意願2006-6114(D2006-6114) |
審決分類 |
D
1
8・
1-
WY
(E2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 温品 博康、渡邊 久美 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
市村 節子 杉山 太一 |
登録日 | 2010-07-16 |
登録番号 | 意匠登録第1394996号(D1394996) |
代理人 | 足立 勉 |