• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1
管理番号 1221374 
審判番号 不服2010-4200
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-02-26 
確定日 2010-07-20 
意匠に係る物品 カメラモジュール 
事件の表示 意願2009- 17016「カメラモジュール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,本意匠を意願2009-17014号とする平成21年7月27日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「カメラモジュール」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。

2.引用意匠
原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2007年9月28日に受け入れた内国カタログ「MINERVA カメラモジュール」の裏頁に外形寸法図として表れている3つのカメラモジュールのうち中央の「M1」として表されているカメラモジュール(配線板等を除いた本体部)の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC19022810号)であって,その形態は,当該カタログに記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.請求人の主張
これに対して,請求人は,審判を請求し,概ね次のとおりの主張をした。
(1)四角柱筐体の有無について
本願意匠がやや扁平な四角柱の筐体の内側にレンズ部円筒体を収納しているのに対し,引用意匠は,細かい部分に製品写真との違いはあるものの,基本構成は平板の基部に円筒体が露出した状態で積載された状態を示した図面であると判断できるので,やや扁平な四角柱の筐体は存在せず,レンズ部円筒体が露出した状態であります。 よって,両意匠の外観の違いは明らかであり,全くの別意匠と言えるほどの差が存在いたします。
(2)レンズ部円筒体の配置について
本願意匠は,やや扁平な四角柱の天面に円形の開口部を有し,その内側にレンズ部円筒体を収納しております。その際,四角柱の天面に現れる平面と比較して,レンズ部円筒体の天面に現れる平面は,断面図からも判るように一段落ちた位置関係となっております。この配置により,四角柱の筐体がレンズ部をガードすることで,組み立ての際,レンズ部に傷が付きにくい構造になっております。一方,引用意匠は,レンズ部円筒体全体が露出した状態となっており,本願意匠と比較して,組み立て時にレンズ部が傷つく可能性が高い構造になっております。
(3)レンズ部円筒体と開口部の間の隙間について
本願意匠は,正面図においてレンズ部円筒体本体の円と,開口部の円の間に隙間を設けております。これは,レンズ部を回転調整する際に,切り欠き部に回転工具の凸部を嵌め込み易くするためのガイド機能を開口部に持たせているためで,筐体とレンズの天面の段差を利用し,回転工具を一旦開口部に沿わせることで,回転工具によって視界が遮られても,レンズ部のセンターが容易に把握することができ,レンズ部に負荷をかけることなく回転工具を嵌め込む事ができます。一方,引用意匠のようにレンズ部円筒体全体が露出しているものは,回転調整の際,直接円筒体に回転工具を当てねばならず,回転工具が支えられていない不安定な状態にあり,回転工具によって視界が遮られた条件の中で,正確にセンターを探りながら,切り欠き部に回転工具を嵌め込まなくてはなりません。このような状態はレンズ部に負荷をかけ,最悪の場合,レンズ部を破損してしまうことに繋がります。
上記のとおり,本願意匠の『レンズ部円筒体の配置』及び,『レンズ部円筒体と開口部の間の隙間』は,従来にはない新規な創作であり,需要者による識別に重大な影響を強く与えるものであることから,両意匠は到底類似視できないものであり,本願意匠を意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録することができないものであるとした原査定には理由がなく不当であり,本願意匠は登録されるべきものであると考えます。

4.当審の判断
そこで,本願意匠と引用意匠を比較すると,まず,両意匠ともにカメラモジュールであるから,意匠に係る物品が一致する。
次に,両意匠の形態について,本願意匠は,やや扁平な四角柱の筐体の内側にレンズ部円筒体を収納した基本的な構成態様である。引用意匠は,拒絶理由通知書には,「内国カタログ『MINERVA カメラモジュール』の裏頁に外形寸法図として表れている3つのカメラモジュールのうち中央の『M1』として表されているカメラモジュール(配線板等を除いた本体部)の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC19022810号)」と記載されているが,特許庁意匠課公知資料番号第HC19022810号は,「M6」の意匠であって,拒絶理由通知書の内容が不明確であるものの,「裏頁に外形寸法図として表れている3つのカメラモジュールのうち中央の『M1』として表されているカメラモジュール」と特記していることから,「M1」の本体部の意匠であると推察される。そして,引用意匠の「M1」の図面のみからは,外形が四角柱状であるか円柱状であるか不明確であり,また,正面のレンズ部周辺の凹凸も不明確であり,引用意匠の形状を特定することができない。この点のみによっても,引用意匠とすることは不適切であるが,念のため,同一カタログ中で同一製品番号の形状が異なることは考えられないことから,同一カタログ中の「M1」の写真を参考にすると,引用意匠は,正方形状の平板の基部に略円柱状のレンズ収納部が形成されたものと認められる。
そうすると,全体形状がやや扁平な四角柱の内側にレンズ部円筒体を形成した本願意匠と,正方形状の基板に略円柱状のレンズ収納部を形成した引用意匠とは,全体形状が大きく相違するものであり,非類似であることは明らかである。
以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は一致するが,その形態については,全体形状が大きく異なり,この相違点が意匠全体の美感に与える影響は極めて大きいため,両意匠は類似しない。

5.結び
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2010-07-06 
出願番号 意願2009-17016(D2009-17016) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 正田 毅 
特許庁審判長 関口 剛
特許庁審判官 橘 崇生
樋田 敏恵
登録日 2010-08-27 
登録番号 意匠登録第1397747号(D1397747) 
代理人 内藤 浩樹 
代理人 永野 大介 
代理人 藤井 兼太郎 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ