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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1226479 
審判番号 不服2010-754
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-14 
確定日 2010-10-29 
意匠に係る物品 プリンター 
事件の表示 意願2008- 19843「プリンター」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2008年(平成20年) 7月31日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「プリンター」とし,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」を願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠がその出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠に類似するから,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)としたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前の2005年(平成17年)12月12日,日本国特許庁発行の意匠公報に記載された意匠登録第1257757号(意匠に係る物品,プリンター)の意匠であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「プリンター」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「プリンター」であって,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

(なお,対比のため,引用意匠の図面について図の表示と図中の向きを本願意匠の図面に合わせることとし,引用意匠の「右側面図」を「正面図」とし,引用意匠の「正面図」を「左側面図」とし,引用意匠の「平面図」を右に90°回転させ,その他は,これらに準じて表されているものとする。)

(2)本願意匠と引用意匠の形態
本願意匠と引用意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
全体は,上面を正面側への傾斜面とした略扁平直方体形状の筐体であり,上面の手前側の中央に平面視縦長矩形状で背面側に傾斜面を形成した「排紙部」を設け,その余の上面を『左に90°回転させた「コ」字』状の「門型縁部」とし,正面は,下側略3分の1の高さで略横長矩形状とし,その下端中央に略横長四角形状に凹む「引き手部」を形成して前面が『扁平で略逆「U」字』状の「用紙カセット前面部」とし,側面視正面側を,用紙カセット前面部を含む略細幅帯状の「前面パネル部」として構成し,左右側面の肩部下側に,該肩部に平行な切り換え線部を形成し,上面の門型縁部の手前左側に「操作ボタン部」を形成したものである点。

(ii)相違点
(ア)正面の具体的態様について,本願意匠は,前面パネル部の用紙カセット前面部を除く部分の面全体に,略「U」字状の縁部を形成し,その内側の面の上端周縁を水平線状に区切っており,また,用紙カセット前面部の引き手部の横幅が正面全幅の約3分の1であるのに対して,引用意匠は,前面パネル部の上端中央に扁平な逆台形状の凹部を形成し,また,用紙カセット前面部の引き手部は,扁平な略台形状をなしており,その横幅は正面全幅の約4分の3である点,
(イ)前面パネル部の上端部の態様について,本願意匠は,側面視前面が垂直であり,内側の辺が,背面側に屈曲して拡幅している態様であるのに対して,引用意匠は,前面が緩やかに湾曲し,内側の辺が,前面と同様に湾曲してほぼ同幅である点,
(ウ)排紙部の具体的態様について,引用意匠は,細かい縞模様が施されているのに対して,本願意匠は,そのような模様はない点,
(エ)上面の具体的態様について,本願意匠は,操作ボタン部が略縦長矩形状の面部を主として構成されているのに対して,引用意匠は,大小の正方形が連結したような面部を主体として構成されており,門型縁部の平面視上端中央に横長矩形状部(本願意匠にはこれがない)が形成されている点。


2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

共通点は,両意匠の形態全体にわたる基本的構成及び具体的構成態様に係るものであるが,両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点に過ぎないものであるから,これらの点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きいということはできない。

他方,相違点(ア)及び同(イ)は,それぞれ非常に目に付き易い部位に係り,また,相違点(ア)及び同(イ)の具体的態様に係る相違点が相まって生じさせている印象は,見る者に対して両意匠が別異であるとの感を与えているものである。
相違点(ウ)及び同(エ)は,各部の具体的態様に係るものであるが,目に付きやすい部位に係るものであるから,前記の相違点(ア)及び同(イ)が生じさせている印象を強めているものである。

そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は,一致するが,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きいということはできないものであるのに対して,相違点の印象は,両意匠に別異の感を与えており,共通点が生じさせている共通感を凌駕しているというべきであるから,意匠全体として観察した場合,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-10-13 
出願番号 意願2008-19843(D2008-19843) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小林 裕和 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 太田 茂雄
杉山 太一
登録日 2010-11-12 
登録番号 意匠登録第1403324号(D1403324) 
代理人 日高 一樹 
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