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審決分類 審判 査定不服  意7条一意匠一出願 取り消して登録 H1
管理番号 1226487 
審判番号 不服2010-7695
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-12 
確定日 2010-11-09 
意匠に係る物品 発光ダイオードモジュール 
事件の表示 意願2009- 8100「発光ダイオードモジュール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成21年4月8日の意匠登録出願であって、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品が「発光ダイオードモジュール」であり、その形態は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で表したものであり(以下、「本願実線部分」という。)、願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙参照)。

2.原審の拒絶の理由
原審の拒絶の理由は、以下のとおりである。
「この意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められないので、意匠法第7条に規定する要件を満たしていない。」
そして、以下のとおり、付記をした。
「この意匠登録出願は、2つの意匠登録を受けようとする部分を含むものと認められる。よって、一意匠一出願の要件を満たしていない。
なお、この意匠登録出願に係る物品における「意匠登録を受けようとする部分」と「その他の部分」を、次のように判断している。
「意匠登録を受けようとする部分」:一つは、基板部分のうち、背面及び周側面の全面と、正面の外縁部分、もう一つは、正面中央付近に表れている8個の扁平四角形。
「その他の部分」:基板の正面外縁に表れる破線によって囲まれた領域で、中央付近の8個の扁平四角形を除いた部分。」

3.請求人の主張の要旨
(A)本願意匠は、意匠に係る物品が、発光ダイオードモジュールであり、基板に8個の発光ダイオードを実装したものであって、基板上に設けられた電極部分及びレジスト部分とを、意匠登録を受けようとしない部分とした意匠である。基板と発光ダイオードとは、半田で接合されて一体不可分であって物理的に一体であることはもちろんのこと、基板と8個の発光ダイオードとが一つの製品である「発光ダイオードモジュール」として、独立して商取引の対象となっており、本願意匠に係る物品は、一物品として認定されるべきであり、意匠法第7条に規定する要件を満たしていることは明らかである。
(B)本願意匠は部分意匠であるが、部分意匠において、物理的に分離した二以上の「意匠登録を受けようとする部分」が含まれているものであっても、「形態的な一体性が認められる場合」、または「機能的な一体性が認められる場合」には一意匠として認められるところ、本願意匠は物理的に分離していないことから、そもそも当該要件を満足するが、あえて付言するならば、発光ダイオードは互いに左右上下対称、同一であるから形態的な一体性が認められ、また、発光ダイオードは基板に実装されることにより電気的に導通していることから機能的な一体性が認められる。
上記理由から本願意匠は意匠法第7条の要件を満たすことは明らかであるから登録されるべき意匠である。

4.当審の判断
本願が、意匠法第7条の要件を満たす意匠ごとの出願であるか否かについて、以下検討する。
(1)本願意匠
本願意匠は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、意匠に係る物品が発光ダイオードモジュールに係るもので、図面は実線と破線により表されており、本願実線部分の形状は、略横長長方形状の薄板状の基板の正面中央に8個の正面視略小型正方形状の発光ダイオードを表面実装したもので、基板は、左右の端部中央付近に略倒U字状の螺子留め用の切り欠き部を設け、発光ダイオードは、上下左右対称状にわずかに間隔をあけて8個を配したもので、それぞれが側面に厚みを有し、正面視略正方形状の枠部を設け、その中央部には発光部を設け、枠部の四隅を僅かに円弧状に切り欠き、枠部の正面左側上下の角部に小矩形を配したものである。また、基板上の電極パターン、半田パッド部、及びそれらを被覆するレジストの境界部を、破線によって表している。
(2)本願意匠が一意匠として認められるか否かの判断
本願意匠の意匠登録を受けようとする部分である本願実線部分は、6面図によれば、発光ダイオードを実装した基板の立体形状に即したもので、基板の外形状及び発光ダイオードの外形状を実線部分として表したものである。そして、破線で表されている部分は、基板正面の平面上にあり、視覚的には厚みを有さないため、平面的な図柄として認識されるべきものである。請求人は、審判請求書において、意匠登録を受けようとしない部分を「基板上に設けられた電極とレジスト部分とを破線で描くことによって、これらの部分を意匠登録を受けようとしない部分としている。」と主張している。その主張は、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」との願書の記載及び実線と破線によって表された願書添付の図面と合致し、本願意匠とは、発光ダイオードモジュールの基板正面の平面上の電極パターン、半田パッド部、及びそれらを被覆するレジスト部を除いた立体形状に即した一の形態をなす意匠と合理的に認定できる。
なお、正面図にあっては、本願実線部分に表された発光ダイオードは、破線で表された基板の上面のレジスト及びレジストに被覆された電極パターンや半田パッド部に囲まれた中央の位置にあるため、破線で閉じられた領域内に記載されていることになる。それゆえ、原審においては、「『意匠登録を受けようとする部分』:一つは、基板部分のうち、背面及び周側面の全面と、正面の外縁部分、もう一つは、正面中央付近に表れている8個の扁平四角形。」と判断し、2つの意匠登録を受けようとする部分を含むものと認められるので、一意匠一出願の要件を満たさず、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないとして、拒絶したものである。
この点につき、原審は、平成20年3月特許庁発行の「意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き」の「第2部 部分意匠の表し方」中の「2.図面の記載 2.3図面の具体的記載方法・留意点」の「(3)「意匠登録を受けようとする部分」と「その他の部分」の境界について」の「「境界を示す線」を省略できる特殊な場合」(53頁)「[図2.2-15]「境界を示す線」を省略して表す例」を適用し、基板正面の外縁部分に、境界を示す線が省略されていると判断したと考えられる。しかしながら、手引きの当該項目は、【意匠の説明】に「破線で囲まれた部分を除き、実線で表した部分が意匠登録を受けようとする部分である」旨を記載すれば、境界線を図に表さなくても意匠登録を受けようとする部分が特定できることを示したものであり、境界線とみなすことを示したものではない。
そもそも、意匠法は、物品の部分について意匠登録を受けようとする場合の図面について、施行規則第3条様式第6備考11において、「意匠に係る物品のうち、意匠登録を受けようとする部分を実線で描き、その他の部分を破線で描く等により意匠登録を受けようとする部分を特定し、かつ、意匠登録を受けようとする部分を特定する方法を願書の【意匠の説明】の欄に記載する。」としているが、本願は、これに則り図面を作成しているところであり、その意匠の内容は、前記のとおり、平面上の図柄部分を除く、立体的な形状からなる部分意匠と認定できるのであり、請求人による「破線で囲まれた部分を除き」との説明もないのであるから、あえて正面の外縁部分を意匠登録を受けようとする部分の境界線と認定すべき理由はない。
すなわち、本願意匠は、発光ダイオードを実装した基板全体の立体形状からなり、形態的に一体性を有するものであり、機能的な面からいっても、発光ダイオードを実装した基板は、当然のことながら、機能的な一体性を有する。そして、そのような発光ダイオードを実装した基板は、一の意匠として意匠創作の対象となっており、独立して取引の対象ともなっている実態がある。
そうすると、本願実線部分は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分が形態的なまとまりも機能的なまとまりも有しているといえるもので、本願意匠は、一の意匠ということができ、経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとに出願されているものと認められる。
以上のとおり、本願は、意匠法第7条に規定する意匠ごとの出願ではないとすることはできない。

5.むすび
したがって、本願は、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないとの理由により、拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-10-22 
出願番号 意願2009-8100(D2009-8100) 
審決分類 D 1 8・ 52- WY (H1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 正田 毅 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 北代 真一
樋田 敏恵
登録日 2010-11-19 
登録番号 意匠登録第1403936号(D1403936) 
代理人 田中 光雄 
代理人 山田 卓二 
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