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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B2
管理番号 1258133 
審判番号 不服2011-27079
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-15 
確定日 2012-06-04 
意匠に係る物品 作業用手袋 
事件の表示 意願2010- 20886「作業用手袋」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2010年(平成22年)8月30日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「作業用手袋」とし,その形態は,願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠,すなわち,特許庁意匠課が2009年(平成21年)7月10日に受け入れ,その掲載確認日(公知日)を2009年(平成21年)7月6日と確認したところの,株式会社ホームメイキングがインターネットに掲載した,表題を「宇都宮製作 お助け名人 スーパーロング 1枚入 片手(右) E11他 | ホームメイキング--建設建築卸値通販」とするページ(掲載ページのアドレス,http://www.homemaking.jp/product_info.php?products_id=55911)に所載の「手袋」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ21011265号)であって,その形態は,同サイト掲載ページの写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 本願意匠と引用意匠との対比
1.意匠に係る物品について
本願意匠の意匠に係る物品は,「作業用手袋」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「手袋」であって,表記は異なるが,いずれも,主として,家事において使用される手袋であることから,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

2.形態について
本願意匠と引用意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。
なお,引用意匠は,本願意匠の図面と同様に,右に90度回転させて,対比する。
(1)共通点
全体が,一端に開口部を有する細長略筒状袋体であって,当該袋体の閉じた先端部より,5本指すべてが,ほぼ真っ直ぐに伸びた指部,そして,掌部,上腕部,及び,開口部に向かって広がる略円錐台形状の裾部が,それぞれ連設して一体となって形成され,裾部と上腕部の境界より掌部付近まで,ほぼ上腕部の周面全面を覆うように,当該袋体の長手方向に,細幅平行突条が多数設けられている点

(2)相違点
(a)細幅平行突条につき,本願意匠は,裾部との境界から若干拡径させてから,掌方向に向かってなだらかに絞られて,正面視すると,その輪郭形状は,上縁は,略「へ」の字状,下縁は倒略「へ」の字状を呈し,更に,掌部に向かって,再度,僅かに拡径させた態様としたのに対して,引用意匠は,正面視すると,その輪郭形状は,上縁及び下縁をほぼ直線状としている点
(b)指部の先端部付近につき,本願意匠は,平面視,あるいは,底面視すると,人体の指先のように先端からやや内側に段差を有し,指先が若干細く形成されているのに対して,引用意匠は,その態様が不明である点

第4 本願意匠と引用意匠との類否判断
以上の本願意匠と引用意匠の共通点及び相違点が,本願意匠と引用意匠との類否判断に及ぼす影響を評価し,両意匠との類否を意匠全体として総合的に検討し,判断する。

1.共通点の評価
共通点については,この種の物品においては,例を挙げるまでもなく,従来から既に見られるありふれた態様であって,本願意匠と引用意匠との類否判断に及ぼす影響は微弱なものと言うほかない。

2.相違点の評価
これに対して,本願意匠と引用意匠との相違点に係る形態が生じる意匠的な効果は,本願意匠と引用意匠との類否判断に大きな影響を及ぼすものと認められる。

すなわち,(a)の細幅平行突条につき,本願意匠は,裾部との境界から若干拡径させてから,掌方向に向かってなだらかに絞られて,正面視すると,その輪郭形状は,上縁は,略「へ」の字状,下縁は倒略「へ」の字状を呈し,更に,掌部に向かって,再度,僅かに拡径させた態様は,本願出願前には見られない,本願意匠のみに見られる特徴ある態様であり,また,当該突条が表された部分は,物品全体に対して,略2分の1程度の範囲を占める大部で,目に付きやすい部分であることから,看者の注意を強く惹く部分といえ,本願意匠と引用意匠との類否判断に大きな影響を及ぼすものである。
また,(b)の指部の先端部付近につき,本願意匠は,平面視,あるいは,底面視すると,人体の指先のように先端からやや内側に段差を有し,指先が若干細く形成されている点は,指部の先端部付近という,限られた部分ではあるが,この種の物品の当該部分の態様は,使用時において,少なからず,使い心地等を左右し,また,本願意匠の当該部分の態様は,本願出願前には,見られない態様であることから,看者の注意をそれなりに惹く部分と言え,本願意匠と引用意匠との類否判断に一定程度の影響を及ぼすものであり,これらの相違点に係る形態が相乗して生じる意匠的な効果は,本願意匠と引用意匠との類否判断を決定付けるものと言うほかない。

3.小括
そうすると,本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品は一致するが,両意匠の形態において相違点が共通点を凌駕し,両意匠は,意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠とは類似しないものである。

第5 むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によっては,拒絶すべきものとすることができない。
また,本願について,他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-05-17 
出願番号 意願2010-20886(D2010-20886) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 神谷 由紀井上 和之千葉 祥子 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 遠藤 行久
斉藤 孝恵
登録日 2012-06-22 
登録番号 意匠登録第1446642号(D1446642) 
代理人 小谷 悦司 
代理人 川瀬 幹夫 
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