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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7
管理番号 1262903 
審判番号 不服2012-2422
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-07 
確定日 2012-09-03 
意匠に係る物品 いす 
事件の表示 意願2011- 1428「いす」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする2011年(平成23年)1月25日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「いす」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,1995年1月17日に特許庁総合情報館が受け入れた,『商店建築 1995年1月1日号』第31頁に記載された「いす」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA07000727号。以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同誌の写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

両意匠を対比すると,両意匠は意匠に係る物品が一致しており,その形態においても,座部,背もたれ,前後2本ずつの脚からなる全体構成と,各部の構成比率,また,背もたれ,座面,座面前方の垂れ部の各部がゆるやかな弧状面により連続して形成されている点,背もたれ部の左右を挟む背柱部と後脚部とを,背もたれ部上端から後脚下方端まで一体に連続した後背支持脚とし,この後背支持脚は,座面の位置をその最前方として,上下をそれぞれ後方に反らせている点,背もたれ上方を後方に緩やかに湾曲させた点,等が共通するものである。
しかしながら,脚部の態様について,本願意匠は,断面が略矩形状である角柱を基本とし,前脚は,その全長にわたり座面前方の垂れ部の厚みと略同厚であり,後背支持脚は,座部以下を前脚と略同厚とし,背柱部は,下方から上端にかけて次第に厚みを減らしたものを座面部において屈曲させ後方に直線的に反らせた形態としたものであるのに対して,引用意匠では,その断面を略ホームベース形状とする各脚の外側面にあたる部分を縦方向の低い山状に面取りした形状を基本とし,前脚は,その上部を内側に湾曲させて座面前方下部を支持し,全長の厚みについては,上方から下方にかけて次第に薄くし,後背支持脚は,座面部を最も厚くして,上下をそれぞれ次第に薄くし,背もたれ部上端位置に到り,弧状を描くように再び厚みを持たせたものを,全体を緩やかな略円弧状として後方に反らせた形態である点が相違しているものである。
この種の所謂スタッキングチェアは,前後左右全体を主に斜め上方向から観察するものであることを考慮すると,上記の脚の具体的形状の相違が,本願意匠は,全体として角張ったシンプルな形態という印象を看者に与えるのに対し,引用意匠は,全体として流麗な形態という印象を与えて,それぞれが生み出す美感は異なっているから,両意匠は,意匠全体として類似すると言うことはできない。

したがって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審においてさらに審理した結果,本願意匠について,他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-08-16 
出願番号 意願2011-1428(D2011-1428) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D7)
最終処分 成立  
前審関与審査官 濱本 文子 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 瓜本 忠夫
早川 治子
登録日 2012-09-14 
登録番号 意匠登録第1453061号(D1453061) 

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