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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D6 |
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管理番号 | 1264239 |
審判番号 | 不服2012-2816 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-02-14 |
確定日 | 2012-09-13 |
意匠に係る物品 | 脇机 |
事件の表示 | 意願2010- 21131「脇机」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は,2010年(平成22年)9月1日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「脇机」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,2007年8月3日に独立行政法人工業所有権情報・研修館が受け入れた,株式会社岡村製作所発行のカタログ “Pro Unit Freeway プロユニット フリーウェイ”所載「ワゴン」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC19017884号。以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同カタログの写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照) 両意匠を対比すると,両意匠は意匠に係る物品が共通しており,その形態においても,全体が正面視縦長矩形状で奥行きの長い略直方体の,正面を上・中・下に三分割して三段の引き出しとしたキャスター付きワゴンであり,上段の引き出しは,所謂ペントレー型の浅いものであり,中・下段の引き出しは,所謂A4サイズ収納型の深いものである全体構成と,三段の引き出しの前板幅がワゴン本体の幅と同幅であり,正面視ではワゴン本体が前板の後ろに隠れて見えず,該前板は,左右側面視した場合にその板厚が見えるものである点,各引き出し前板の横幅中央に,三段とも同幅の正面視横長矩形状凹部を設けて引き出し手掛け部とし,そのうち中・下段の引き出し手掛け部の凹部上方には横幅略全幅にわたるラッチ解除レバーを設けた点等が,主として共通する。 しかしながら,天板について,本願意匠には天板が無く,正面視で最上部に位置するのは上段の引き出し前板であるのに対して,引用意匠には天板が有り,正面視で最上部に位置するのは天板の木口である点,引き出し手掛け部の具体的構成態様について,本願意匠は,上段の引き出し手掛け部の態様と中・下段の引き出し手掛け部の態様が異なっており,上段の引き出しの正面視横長矩形状凹部は,引き出しの下端に位置し,凹部は略横長直方体を切り欠いて,この切り欠きの上面前方にあたる前板部をわずかに延伸垂下させた形態であり,正面視横長矩形状をなす中・下段の引き出し手掛け部の凹部(以下,単に「凹部」という。)は,引き出し上端部にやや余地部を設けた下方に位置し,凹部を構成する両側壁及び下方壁の三方の内壁が,いずれも奥行き方向にごく僅かに窄まる傾斜面をなしており,ラッチ解除レバーは,凹部の上方前方に,上面から垂下状に取り付けられているのに対して,引用意匠は,上・中・下段三段の凹部が,すべて各引き出し前板の上端部にやや余地部を設けた下方に位置し,凹部の態様はいずれも同じであり,凹部を構成する両側壁は,その前方が奥行き方向にかなり窄まる傾斜面を形成し,それに続く後方が垂直面をなし,下方壁は奥行き方向にやや窄まる傾斜面を形成しており,ラッチ解除レバーは,その前端が正面視横長矩形状をなす凹部の上面前方に沿うように取り付けられている点が,主に相違している。 この種物品は,主として斜め上あるいは正面から観察されることが多い物品である点を考慮すると,天板の有無は,最上段の目立つ位置での区画線の有無であり,また,引き出し手掛け部の具体的態様の相違は,使用者が直接手で触れて操作し,かつ,使用頻度が極めて高い,引き出しの開閉というこの種物品の基本的な機能を果たす部位の,全体が平坦面からなる引き出し前板の幅広に形成された凹部での相違であるから,凹部の内側とは言え,その内壁面の傾斜やラッチ解除レバーの取り付け方向の相違は看者の目に付くものである。具体的構成態様についてのこれらの相違点は,互いに相俟って共通点を凌駕して,両意匠の類否判断を決定付けており,本願意匠と引用意匠は,全体として別異の印象を看者に与え,それぞれが生み出す美感は異なるから,両意匠は,意匠全体として類似するということはできない。 以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審においてさらに審理した結果,本願意匠について,他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2012-08-31 |
出願番号 | 意願2010-21131(D2010-21131) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D6)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 植山 陽子、川崎 芳孝 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
瓜本 忠夫 早川 治子 |
登録日 | 2012-10-05 |
登録番号 | 意匠登録第1454457号(D1454457) |
代理人 | 南部 さと子 |
代理人 | 永芳 太郎 |
代理人 | 水野 尚 |