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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J7
管理番号 1264262 
審判番号 不服2012-505
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-11 
確定日 2012-10-15 
意匠に係る物品 貼り薬 
事件の表示 意願2011- 9410「貼り薬」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2011年(平成23年)4月22日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「貼り薬」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,2010年(平成22年)6月24日に,特許協力条約に基づいて公開された国際出願 国際公開番号 WO 2010/071104 【図5】ないし【図7】及び【図9】の(b)及び関連する記載から導き出される貼付剤の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「貼り薬」であり,引用意匠の意匠に係る物品は「貼付剤」であって,表記は異なるが,いずれも粘着剤に医薬品を混ぜて布などに塗り,皮膚に貼付して用いる製剤であるから,両意匠の意匠に係る物品は一致する。

(2)本願意匠と引用意匠の形態
本願意匠と引用意匠の形態を対比する(なお,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。)と,両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
両意匠は,主に以下の点において共通する。
(A)ほぼ中央部で二つに折れ曲がる隅丸長方形のシート状の保護カバー部,その中心部に保護カバー部と同じ折れ線で二つ折りになって格納される隅丸長方形のシート状の貼付剤部からなる点,
(B)保護カバー部について,格納時に背面側の上部が正面側より上方向に若干長く飛び出し,背面側上端部に掴み代部を形成している点,
(C)貼付剤部について,格納時に膏薬塗布面どうしは重ならず,背面側の上部が正面側より上方向に若干長く飛び出し,開封時に背面側が正面側を覆い被っている点。

(ii)相違点
両意匠は,主に以下の点において相違する。
(ア)仮止め部の態様について,本願意匠は,正面部に13個の同形同大の小長方形を,左右に2個ずつ,中央部に9個,倒「コ」字状に囲んで配すことによって,仮止め部を形成しているのに対して,引用意匠は,そのような仮止め部を形成していない点,
(イ)ヒートシール部の態様について,本願意匠は,正背面視において現れる,仮止め部を含む貼付剤部を覆う,保護カバー部の左右幅一杯に倒「コ」字状(開封時は長方形状)のヒートシール部を形成しているのに対して,引用意匠は,そのようなヒートシール部を形成していない点。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が一致するところであるが,形態については,以下のとおりである。

(1)共通点の評価
共通点(A)ないし(C)は,この種物品の先行意匠に照らすところ,いずれもありふれた態様であって,両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であり,共通点全体としても,両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。

(2)相違点の評価
これに対して,両意匠の相違点(ア)と同(イ)は,いずれも非常に目に付き易い部位に係るものであり,とりわけ,相違点(ア)としてあげた本願意匠の正面部に13個の同形同大の小長方形を,左右に2個ずつ,中央部に9個,倒「コ」字状に囲んで配すことによって,仮止め部を形成した点は,この種物品の先行意匠に照らして,本願のみの特徴であるから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は非常に大きいというべきである。そして,相違点(ア)と同(イ)が相まった視覚的効果を考慮すると,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕して,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきである。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品は,一致するが,形態においては,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-09-28 
出願番号 意願2011-9410(D2011-9410) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 並木 文子中村 純典 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 川崎 芳孝
樫本 光司
登録日 2012-10-26 
登録番号 意匠登録第1456193号(D1456193) 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 野間 悠 
代理人 塚原 憲一 
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