• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B2
管理番号 1267054 
審判番号 不服2012-2621
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-10 
確定日 2012-11-27 
意匠に係る物品 靴下 
事件の表示 意願2011- 1375「靴下」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2011年(平成23年)1月25日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「靴下」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)は,願書の記載及び願書添付の見本及び写真により現されたとおりのものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,特許庁発行の意匠公報に記載された意匠登録第1131133号(意匠に係る物品,靴下)の意匠であって,その形態は,同公報の写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)
そして,踵部分の内側にシートを止着することは従来からごく普通に行われており(公開特許公報記載,特開平9-157906号,特開平10-18103号,特開2002-61002号等),また外観上も目につかず,形態上の特徴として重要視できず,両意匠は,意匠としての特徴をよく表す全体の基本的な構成態様が共通し,相互に類似する,と付記したものである。

第3 本願意匠と引用意匠との対比
1.意匠に係る物品について
本願意匠の意匠に係る物品は,「靴下」であり,引用意匠の意匠に係る物品も,「靴下」であって,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

2.形態について
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。
なお,引用意匠は,本願意匠の【使用状態を示す参考右側面図】とした向きに合わせて対比する。
(1)共通点として,
(A)全体は,踵覆い部と,足首に固定する細幅ベルト部からなり,右側面視したときの全体の形態は,略「銀杏の葉」形状を想起させる形態である点,
(B)ベルト部の左側には,足の先端部を挿入をするための左方開口部が設けられ,ベルト部の他方側には,足首を挿入するための上方開口部が設けられている点,
(C)左方開口部及び上方開口部の周縁部には,全体に細幅の口ゴム部が形成されている点,
(D)右側面視すると,左方開口部は,なだらかな円弧状の略「ノ」の字状を呈している点,
がある。
(2)相違点として,
(a)右側面視すると,上方開口部につき,本願意匠は,直線状の略「L」の字状を呈しているのに対して,引用意匠は,なだらかな円弧状の略逆「ノ」の字状を呈している点,
(b)左方開口部及び上方開口部に設けられた口ゴム部に挟まれた,ベルト部の細幅略帯状部につき,本願意匠は,無地であるのに対して,引用意匠は,当該細幅帯状部の幅方向にやや間隔を空けて複数本の皺部が略等間隔に設けられている点,
(c)左方開口部の口ゴム部につき,本願意匠は,開口部周縁に沿って,やや内側にやや太径の突条が1本形成されているのに対して,引用意匠は,全体がほぼ平坦状を呈している点,
(d)上方開口部の口ゴム部につき,本願意匠は,当該口ゴム部の幅方向に,やや間隔を空けて複数本の皺部が,全体に略等間隔に設けられているのに対して,引用意匠は,全体がほぼ平坦面状を呈している点,
(e)踵覆い部の裏面につき,本願意匠は,非通気性のシートが,当該踵覆い部裏面のほぼ全面を覆っているのに対して,引用意匠には,そのようなシートが設けられていない点,
がある。

第4 本願意匠と引用意匠との類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が,両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が一致する。
両意匠の形態については,以下のとおりである。
1.共通点の評価
共通点については,この種の物品においては,例を挙げるまでもなく,従来から既に見られるありふれた態様であって,両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱なものと言うほかない。

2.相違点の評価
これに対して,両意匠の相違点に係る形態が生じる意匠的な効果は,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものと認められる。
すなわち,(a)の,右側面視したときの上方開口部の形態の相違において,本願意匠の当該部分が,直線状の略「L」の字状を呈している態様は,この種「靴下」という物品においては,本願出願前に見受けられない,特徴的な態様といえ,また,(b)の,左方開口部及び上方開口部に設けられた口ゴム部に挟まれた,ベルト部の細幅略帯状部の形態の相違においても,引用意匠の当該部分に皺を有する態様は,引用意匠の出願より前には見ることのなかった,引用意匠独自の特徴的な態様といえ,これら(a)及び(b)の点が,両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きなものと言わざるを得ない。
次に,(c)及び(d)の,左方開口部及び上方開口部の口ゴム部の形態の相違においては,両意匠の態様ともに,この種「靴下」という物品においては,例を挙げるまでもなく,本願出願前に,いずれも見受けられる態様のものであり,また,(e)の踵覆い部の,非通気性のシートの有無の相違においても,本願意匠のように,踵部の保湿等を目的とした非通気性のシートを踵覆い部の裏面に設けることも,例を挙げるまでもなく,本願出願前から見受けられるところであって,本願意匠のみに見られる格別特徴ある態様とはいえず,また,使用時には,見えない部分に係る相違である。
そうすると,相違点(c)ないし(e)は,いずれも,両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱に留まるものではあるが,前記相違点(a)及び(b)に係る態様と相俟って,看者に与える別異の印象を一層強くするものとなっており,これらの相違点に係る形態が相乗して生じる意匠的な効果は,両意匠の類否判断を決定付けると言わざるを得ない。

3.小括
したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致するが,両意匠の形態において,相違点が共通点を凌駕し,両意匠は,意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠とは類似しないものである。

第5 むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によっては,拒絶すべきものとすることができない。
また,本願について,他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-11-14 
出願番号 意願2011-1375(D2011-1375) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 市村 節子 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 遠藤 行久
橘 崇生
登録日 2012-12-07 
登録番号 意匠登録第1459155号(D1459155) 
代理人 大西 正夫 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ