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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J7
管理番号 1267057 
審判番号 不服2012-7416
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-04-23 
確定日 2012-12-11 
意匠に係る物品 医科歯科用ストレートハンドピース 
事件の表示 意願2010- 23860「医科歯科用ストレートハンドピース」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は、2010年(平成22年)10月5日の意匠登録出願であって、その意匠登録を受けようとする意匠(以下、「本願意匠」という。)は、願書及び願書添付図面の記載によれば、意匠に係る物品を医科歯科用ストレートハンドピースとし、その形態を願書及び願書添付図面に記載されたとおりとするものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)とするものであって、拒絶の理由に引用した意匠は、本願出願前、特許庁特許情報課が2003年10月16日に受け入れたドイツ意匠公報2003年8月25日発行号、第3917頁所載、歯科用器具の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH15018780号)(以下、「引用意匠」という。)であって、その形態は、同ページ掲載の写真に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「医科歯科用ストレートハンドピース」であり、引用意匠の意匠に係る物品は「歯科用器具(原語表記ではDentalinstrumente)」であって、表記は異なるものの、本願意匠の願書及び願書添付図面の記載並びに引用意匠に係る記載を総合すると、両意匠とも、歯科用を中心とした切削治療のために用いられるハンドピースであることが認められるから、両意匠の意匠に係る物品は共通する。
(2)形態
本願意匠と引用意匠の形態を対比すると、両意匠の形態については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお、引用意匠は一図のみで現されたものであるが、この種物品分野においては、回転体を基本形状とするハンドピースがストレート型として広く知られており、引用意匠の写真に見られる陰影を参酌すると、引用意匠は、このストレート型のハンドピースであると推認できる。また、原審拒絶理由の引用意匠には、その先端部に、本願意匠にはない、細径略円錐台形及び小球からなる切削用のビットが現されているが、ハンドピースという物品の性格上、先端部には、具体的な施術の内容に合わせた形状の切削用ビットを交換自在に取り付けることが通例であるから、引用意匠の形態は、当該ビットを除くハンドピースの形態として、本願意匠と対比することとする。(以下、引用意匠も本願意匠の正面図の向きに合わせて対比する。)
(i)共通点
まず共通点として、(A)全体は、正面視左方の先端部を先すぼまりとし、右方の後端部を漸次拡径した、正面視形状が略細長砲弾形状を呈する回転体を基本形状とし、長手方向中間部左寄りの位置に、周方向に連続する等幅帯状のグリップ部を設けたストレート型のハンドピースであり、(B)正面視した際に上下に現れる外周面の起伏形状は、先端部からグリップ部後端までを緩やかな「凸」状、グリップ部後端から後端部までを緩やかな「凹」状とする略倒「S」字状の連続曲線により、先端部から徐々に径を太くする態様で構成した点、(C)グリップ部外周には、長手方向に伸張させた長楕円形状の模様を、等間隔に数個、連続的に配した点、が認められる。
(ii)相違点
一方、両意匠の相違点として、(ア)グリップ部周辺における外周面の起伏形状を、本願意匠は、グリップ部が、中央部が最大径となる太鼓の胴部状の形状を呈しており、当該グリップ中央部が、先端部から「凸」状につながる曲線の頂部を構成しているのに対して、引用意匠は、グリップ部が略円錐台形状を呈しており、当該グリップ後端が、先端部からなだらかに連なる曲線の頂部を構成している点、(イ)グリップ部の長楕円形状模様について、本願意匠は、内側をわずかに凹陥させた稜線からなる長楕円形を、二つ、左右にずらしつつ上下に連接させた略「8」字状の模様を基本単位としているのに対して、引用意匠は、細線からなる単体の長楕円形模様を基本単位としている点、が認められる。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価、総合して、両意匠の意匠全体としての類否を判断する。
(1)共通点の評価
両意匠の共通点としてあげた共通点(A)及び同(C)は、両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点であり、この種物品の先行意匠にも見られる基本的な構成要素ともいえるものであるから、これをもって直ちに両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きいということはできない。また、外周面の起伏形状に係る共通点(B)も、モーター部と接続して手で把持し、口腔内等の狭い場所で使用するという、この種物品の性格を基礎とするものと理解され、先行意匠に照らしても、取り立てて両意匠のみに特有な特徴ともいえない。よって、いずれの共通点も両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きいとはいえず、これらすべてを総合しても、両意匠全体の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。
(2)相違点の評価
これに対して、グリップ部に係る各相違点は、両意匠の全周にわたるものであり、歯科治療という専門的な用途に用いる物品として、特に把持した際の滑り止め等の観点から注意深く観察され易い部位に係るものであるから、これらの相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいというべきである。
すなわち、相違点(イ)について、ハンドピースの表面に凹陥の稜線からなる略楕円形状の模様を多数施す態様自体は、この種物品分野において本願出願前から種々見られるものであるものの、本願意匠のように、二つの長楕円形からなる略「8」字状の模様を周方向に連続配置した点は、本願意匠に固有の特徴といえるものであり、本願意匠を特徴付ける大きな要素となるものであるから、この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、非常に大きいというべきである。また、相違点(ア)について、太鼓の胴部状の形状を呈するグリップ部も、引用意匠には見られない独特な要素として、本願意匠を更に特徴付けている。そして、これらの相違点が相まった意匠全体の視覚的効果を考慮すると、両意匠の相違点は、共通点が醸成する共通の印象を凌駕して、看者に対し、両意匠が別異なものであるとの強い印象を与えるものといえる。
(3)小括
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、形態においても、概括的な共通点は存するものの、具体的な構成態様に係る相違点が看者に与える印象は共通点のそれを凌駕し、両意匠は、意匠全体としては視覚的印象を異にするというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから、同条同項柱書によって本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-11-27 
出願番号 意願2010-23860(D2010-23860) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 吉山 保祐 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 早川 治子
伊藤 宏幸
登録日 2012-12-21 
登録番号 意匠登録第1460530号(D1460530) 
代理人 山田 威一郎 
代理人 田中 順也 
代理人 松井 宏記 
代理人 立花 顕治 
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