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審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 C6
管理番号 1268323 
審判番号 不服2012-8336
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-09 
確定日 2013-01-15 
意匠に係る物品 冷蔵庫 
事件の表示 意願2011- 9164「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 本願は、本意匠を2011年(平成23年)4月21日の意願2011-9160(意匠登録第1437627号:意匠に係る物品「冷蔵庫」)( 以下、「本意匠」という。別紙第2参照)とする、2011年(平成23年)4月21日の関連意匠の意匠登録出願であり、その意匠(以下、「本願意匠」という。別紙第1参照)は、意匠に係る物品を「冷蔵庫」とし、形態を願書及び願書に添付した図面に記載のとおりとしたものである。
これに対する原審の拒絶の理由は、本願意匠が願書に記載した本意匠に類似しないため、意匠法第10条第1項の規定の適用は受けられないとし、他方で同一の出願人が同日に出願した意願2011-9163号の意匠と類似するため、両意匠登録出願人の間で協議すべき旨指令したが、この指令の趣旨に添う届け出がないため協議が成立しなかったものとみなし、意匠法第9条第2項後段の規定により意匠登録を受けることができないとしたものである。
そこで、当審において、本願意匠が意匠法第10条第1項の規定の適用を受けられるか否か、とりわけ、本願意匠と本意匠との類否を検討すると、両意匠は意匠に係る物品が「冷蔵庫」で一致し、形態についても、外形全体を横幅と奥行きが略等しい縦長の略直方体状として、前面を縦に大きく4段の収納部に分割し、このうち1段目と2段目の収納部は、正面視において、中央やや左寄りの位置で左右非対称状に2枚の扉に分割したものとし、1段目の収納部の扉は縦の長さが最も長く、いずれも外形全体の高さの約4/9の長さの縦長長方形状のものとし、2段目の収納部の扉は、それぞれの縦の長さが外形全体の高さの約1/9の長さの横長長方形状で、3段目と4段目の収納部の扉は、それぞれの縦の長さが外形全体の高さの約2/9の長さの横長長方形状とした基本的な態様が一致し、具体的な態様においても、例えば、本体前面は、左右側稜部を丸面状として平面視で左右側稜部から中央へ緩やかな外膨らみ状とし、1段目の収納部の扉は観音開きで、手掛け部は、左右扉の分割部に沿って左右が対となる態様で、上方の平面視偏平台形状に突出させた凸条部から緩やかに湾曲して凹陥する縦方向のものとし、2段目の収納部の手掛け部は、左右側稜部から中央に向けて緩やかに湾曲して凹陥する横方向のものとし、3段目と4段目の収納部の手掛け部は、それぞれ扉正面の中央上端近くを、上方に若干の余地を残して横水平に凹陥させたものとした点が一致している。
一方、2段目の収納部において、本意匠は、左右扉の分割部に沿って、1段目の凹陥形状がそのまま延伸する態様で縦方向にも手掛け部を設けたのに対し、本願意匠は、左右扉の分割部には手掛け部を設けていない点が相違する。
しかし、この相違は、2段目の収納部のみを注視した場合はともかく、意匠全体として観察する場合においては、正面全体の約1/9の範囲を占めるに過ぎない2段目の収納部の手掛け部という局部的な相違に止まるものであるから、両意匠の相違としてさほど顕著な視覚効果をもたらすものではない。
これに対し、2段目を除くその他の収納部は、正面全体の約8/9を占め、かつ、その殆ど全ての態様が一致していることから、これらの一致点が類否判断に与える影響を過小に評価することはできない。中でも、1段目の収納部に設けられた手掛け部は、上方に形成された平面視偏平台形状の凸条部から、その台形の上辺に相当する部分が緩やかに湾曲して凹陥する態様のもので、従来にはない両意匠の新規な特徴を表出しているというべきものであり、また、当該手掛け部は、その中程に表示部が設けられていて、使用状態において最も視認されやすい部位に相当し、なおかつ、扉の開け閉めの際に最も頻繁に手が触れる部位であることを考慮すれば、看者の視覚を良く捉えるところを構成し、他の一致点と相俟って生じる視覚効果は、相違点のそれを凌駕し、両意匠に共通した美感を起こさせているというべきである。
したがって、本願意匠は本意匠と同日の出願に係る類似の意匠と認められる。そして、原審が本願の協議対象とした意願2011-9163号の意匠も本意匠と類似の意匠と認められることから、本願意匠は、意匠法第10条第1項の規定の適用を受けることができる意匠に該当し、同法同条第4項の規定により、同法第9条第2項の規定にかかわらずその関連意匠として意匠登録を受けることができるものであるから、原審の拒絶の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、本願について、他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-12-25 
出願番号 意願2011-9164(D2011-9164) 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (C6)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 橘 崇生
早川 治子
登録日 2013-01-25 
登録番号 意匠登録第1463293号(D1463293) 
代理人 稲葉 忠彦 
代理人 高橋 省吾 

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