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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K0 |
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管理番号 | 1273846 |
審判番号 | 不服2009-20558 |
総通号数 | 162 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2013-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-26 |
確定日 | 2010-04-12 |
意匠に係る物品 | マイクロ波導入用アンテナ |
事件の表示 | 意願2007- 26513「マイクロ波導入用アンテナ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,意匠登録第1339039号を本意匠とする平成19年9月28日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「マイクロ波導入用アンテナ」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は,特許庁発行の公開特許公報記載,特開2001-338918の図1及び図2にあらわされた「ラジアルラインスロットアンテナ」(6)の意匠であって,その形態は,当該公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.請求人の主張 これに対して,請求人は,審判を請求し,概ね次のとおりの主張をした。 本願意匠では,「L形スロットペア」が円形プレートの全体にわたって配置されており,L形スロットペアが「バランス良く整然と美しく配列されている」という印象を強く受ける。それに対し,引用意匠では,「T形スロットペア」を円形プレートの周方向に複数並べたスロット列を円形プレートの径方向に3列配置しているが,円形プレート全体にわたってバランス良く配置されているという印象は受けない。また,「T形スロットペア」からは「刺々しい」という印象を強く受ける。特に,外側スロット列からは,硬式野球ボールの縫い目のような「刺々しい」という印象を強く受ける。これに対し,内側スロット列では,「T形スロットペア」の「刺々しさ」が幾分緩和されており,この点からも全体的にバランスが悪いという印象を受ける。よって,引用意匠からは,「バランスが悪く刺々しい」という印象を強く受ける。 また,本願意匠では,各スロットの長さが外周スロット列と中間スロット列と内側スロット列とでほぼ等しく,「L形スロットペア」の形状も外側スロット列と中間スロット列と内側スロット列とでほぼ同形状を維持しているので,上述の「バランス良くかつ整然と美しく配列されている」という印象が強調されることとなる。それに対し,引用意匠では,各スロットの長さが各スロット列で大きく異なっており,また「T形スロットペア」の形状も各スロット列で大きく異なっているので,全体的なバランスの悪さを際立たせることとなっている。その結果,上述の「刺々しくバランスが悪い」という印象がより強調されることとなる。 以上のように,本願意匠と引用意匠とは,看者の注意を強くひき付ける部分である本願意匠の要部において相違しており,両意匠全体から受ける印象も全く異なるものであるといえる。したがって,本願意匠と引用意匠とは非類似である。 4.当審の判断 そこで,本願意匠と引用意匠を比較すると,まず,両意匠は,ともにプラズマ処理装置に使用されるアンテナであるから,意匠に係る物品が一致する。 次に,形態について,一致点と相違点について総合的に検討すると,複数のペアにしたスロット(以下,スロットペアという。)を円形プレートの周方向に間隔をあけて配置したスロット列を3列備えている点で両意匠は一致するが,この点は,この意匠の属する分野においては,極めて普通に行われている手法による形態であって,この点が一致することを以て,類似するとするほど格別な特徴とはいえない。 一方,相違点については,本願意匠が,略L字状のスロットペアである点,さらに,略L字状のスロットペアを円形プレートの周方向にやや間隔を開けて複数並べた点,各スロットの長さが外周スロット列と中間スロット列と内側スロット列とでほぼ等しく,略L字状のスロットペアの形状も外側スロット列と中間スロット列と内側スロット列とでほぼ同形状である点は,引用意匠とは異なる本願意匠の独特な特徴をよく表しているものであることから,僅かな相違とはいえないものであり,これらの類否判断に及ぼす影響は大きいということができる。 以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は一致するが,その形態については,両意匠の一致点および相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が意匠全体の美感に与える影響は大きく,両意匠は類似しないものといわざるを得ない。 5.結び したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-03-29 |
出願番号 | 意願2007-26513(D2007-26513) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(K0)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 太田 茂雄 |
特許庁審判長 |
関口 剛 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 橘 崇生 |
登録日 | 2010-05-14 |
登録番号 | 意匠登録第1390300号(D1390300) |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 向口 浩二 |
代理人 | 佐々木 眞人 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 荒川 伸夫 |