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審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 F4
管理番号 1273858 
審判番号 不服2012-22442
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-13 
確定日 2013-04-09 
意匠に係る物品 包装用缶 
事件の表示 意願2011-29795「包装用缶」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,2011年(平成23年)12月22日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「包装用缶」とし,その形態を願書の記載,並びに,願書に添付した図面の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとするものであり,「図面代用写真においては黒く塗りつぶした缶蓋部分以外の部分が,A-A線断面図においては実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である」としたもの(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」といい,その部分の意匠を「本願部分意匠」という。)である。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は意匠法第9条第1項に規定する最先の意匠登録出願人に係る意匠に該当しないとしたもので,引用されたのは,物品の部分について意匠登録を受けようとして,2011年(平成23年)2月10日に出願され,その後2012年(平成24年)3月9日に設定登録された意願2011-2859号(意匠登録第1437651号)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,意匠に係る物品を「包装用缶」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものであり,「青色に着色された部分以外が,部分意匠として登録を受けようとする部分である」としたもの(以下,この引用意匠における部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「引用部分」といい,その部分の意匠を「引用部分意匠」という。)である。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)両意匠の対比
本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)を対比し,検討すると,両意匠は,意匠に係る物品が一致しているが,本願意匠は,全体が,直径:高さが,約1:2の縦長円筒状の,上蓋,胴部及び下蓋で構成した,いわゆる3ピース缶であって,本願部分は,その缶における胴部及び下蓋の部分であるのに対し,引用意匠は,全体が,直径:高さが,約1:2の縦長円筒状の,上蓋部及び缶底部と一体に形成した胴部で構成した,いわゆる2ピース缶であって,引用部分は,その缶における胴部上下略中央3分の2の範囲の部分であって,本願部分と引用部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能,並びに,位置,大きさ及び範囲が異なる。
そして,本願部分意匠と引用部分意匠(以下,「両部分意匠」という。)の要部と認められる胴部周面略中央模様部の形態において,エンボス加工による二等辺三角形のへこみ連続模様を複数段施す,という共通点は存在するが,他方で,意匠の特徴をなす具体的な構成に係る形状において,以下のとおり相違する部分が存在する。
すなわち,(A)胴部に施された模様部の態様につき,本願部分意匠は,胴部直径長さより上下幅が狭い範囲に4段で構成であるのに対して,引用部分意匠は,胴部直径長さより上下幅が広い範囲に6段で構成している点,(B)三角形のへこみ模様におけるへこみ中央部の態様につき,本願意匠は,その突起高さが,胴部周面と略同じ高さになるようにした略三角錐状の突起を設けているのに対して,引用意匠は,突起を設けておらず,平坦面としている点,(C)境界線につき,本願意匠は,すべての境界線が,等しく断面形状が膨出三角形(椎の実型)であるのに対して,引用意匠は,先端部が平坦面となっており,なおかつ,その幅は,水平方向境界線のみは,斜め境界線の約2倍としている点,で主に相違するところである。

(2)類否判断
部分意匠の要部と認められる胴部周面略中央部の形態を比較すると,共通点は当該態様を極めて概括的に捕らえたに過ぎないものであるから,この共通性のみをもって両部分意匠類否判断を決定するものとすることはできないのに対して,具体的態様に係る相違点(A)については,模様部全体の縦横比と,段数の差であって,両部分意匠類否判断において,一定程度の影響を与えるものと考えられる。相違点(B)及び(C)については,通常の使用状態において観察した場合,本願部分意匠が,その突起による陰によって,複雑な表情を表すのに対して,引用部分意匠は,直線的で,シンプルな印象を与え,この差異は,両部分意匠類否判断に与える影響が大きいと認められる。
このように相違点全体が,共通点が生じさせている共通感をしのぎ,見る者に両部分意匠が別異であるとの印象を与えているから,両部分意匠の形態に関しては類似するということができない。
そうすると,本願意匠と引用意匠に係る物品は一致しているが,両部分の用途及び機能,並びに,位置,大きさ及び範囲が異なり,かつ,両部分意匠の形態は,上記のとおり類似しないものといえるから,本願意匠と引用意匠は類似しないものと認められる。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,意匠法第9条第1項に掲げる意匠に該当しないものであるから,原査定における拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-03-28 
出願番号 意願2011-29795(D2011-29795) 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 神谷 由紀 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 遠藤 行久
橘 崇生
登録日 2013-04-26 
登録番号 意匠登録第1470808号(D1470808) 
代理人 特許業務法人創成国際特許事務所 
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