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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K3
管理番号 1277774 
審判番号 不服2013-7524
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-24 
確定日 2013-08-13 
意匠に係る物品 耕耘爪 
事件の表示 意願2011- 19379「耕耘爪」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成23年(2011年)8月26日に出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面代用写真の記載によれば,意匠に係る物品を「耕耘爪」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が,本願出願前,平成21年(2009年)1月15日に受け入れた,雑誌「機械化農業」(平成21年(2009年)2月1日 3093号)の第5頁に記載された,耕運機用刃の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA20010298号)であって,その形態は,同雑誌の写真に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の対比
両意匠を対比するため,引用意匠については,上記の写真を正面図として扱う。

(1)意匠に係る物品
本願意匠に係る物品は,「耕耘爪」であり,引用意匠に係る物品は,「耕運機用刃」(原典にあっては「複合耕うん装置用ホルダ式ロータリ爪」)であって,表記は異なるが,本願意匠の願書及び願書に添付した図面代用写真の記載並びに引用意匠に係る文献の記載等を総合して判断すれば,両意匠に係る物品は,共通する。

(2)意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(i)共通点
(A)全体は,直線状の取付基部及びその先で正面視において弧状に湾曲し,かつ,正面側(手前側)に弧状に湾曲した刃部(以下,単に「刃部」という。)から成る板状体である点
(B)刃部の湾曲の外側縁に,板厚を薄くすることにより,刃が形成されている点
(C)取付基部は先窄まりである点

(ii)相違点
(ア)本願意匠は,刃部の正面に,略三日月形で明調子の幅広の部分を有するのに対し,引用意匠は,そのような部分を有しない点
(イ)本願意匠は,刃部について,正面視における曲率及び正面視における取付基部の軸方向に対する刃部先端方向の角度(湾曲した角度)がいずれも大きいのに対し,引用意匠は,同曲率及び同角度がいずれもこれより小さい点
(ウ)本願意匠は,刃部が正面視において取付基部から刃部先端に向かって右方向に湾曲しているのに対し,引用意匠は,刃部が正面視において取付基部から刃部先端に向かって左方向に湾曲している点
(エ)本願意匠は,取付基部の端部が小さく斜めに切り欠かれているのに対し,引用意匠は,切り欠かれていない点

2.両意匠の類似性の判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響を評価し,意匠全体としての両意匠の類似性について検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,形態については,以下のとおりである。

(1)共通点の評価
共通点(A)ないし(C)は,耕耘爪においてはいずれも出願前から見られるありふれた態様であるから,各共通点が両意匠の類似性の判断に与える影響は小さい。
そして,これらの影響を総合したとしても,共通点が両意匠の類似性の判断に与える影響は小さいといえる。

(2)相違点の評価
一方,相違点(ア)については,耕耘爪の耕耘能力の高低や耐久性に影響する要素が形態に現れているものであるから,需要者の注意を引き,両意匠の類似性の判断に与える影響は大きい。相違点(イ)については,曲率や湾曲した角度の相違はさほど大きなものではないが,両者があいまって本願意匠には引用意匠よりも大きく湾曲した印象が与えられるため,両意匠の類似性の判断に一定程度の影響を与える。相違点(ウ)については,耕耘爪は通常左右対称のものがセットで使用されるものであって,湾曲方向が取付基部から刃部先端に向かって右方向に湾曲しているものも左方向に湾曲しているものも出願前から見られるありふれた態様であるから,両意匠の類似性の判断に与える影響は小さい。相違点(エ)については,体積的に小さな部分に係るものであるから,両意匠の類似性の判断に与える影響は小さい。
そして,これらの影響を総合すると,相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響は大きいといえる。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品ついては,共通するが,形態については,相違点が両意匠の類似性の判断に与える影響が共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-07-31 
出願番号 意願2011-19379(D2011-19379) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (K3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 吉山 保祐 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 中田 博康
江塚 尚弘
登録日 2013-08-30 
登録番号 意匠登録第1480669号(D1480669) 
代理人 特許業務法人 エビス国際特許事務所 
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